MS Operative Theory
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ガンダムの開発②
——ジェネレーターの並列装備とハイパワーの獲得——
前述のとおり、ガンダムは複数の熱核反応炉⁄ジェネレーターを搭載することで当時では破格と言える1,380kWものジェネレーター出力を達成した(グリプス戦役期のMSZ-006(Zガンダム)も分散方式ジェネレーターを採用しているが、これは脚部にメイン・ジェネレーターを搭載した点が画期的であった)。
主要な物が、コア・ファイターに2基搭載されたNC-3型、ランドセルに内蔵されたサブ・ジェネレーターである2基のNC-5型、腰部のNC-7型、脚部には左右それぞれにNC-3M型を1基ずつ(計2基。脚部用の独立動力源)である。
なお、ガンダムのジェネレーターは全てタキム社製である。またこれとは別に、Aパーツ内にコ・ジェネレーターが搭載されており、NC-3型との組み合わせでザクの約5倍のエネルギーを発生させるといわれる。
ガンタンクのジェネレーター出力から考えて、2基のNC-3型の出力は800kW程度と推測される。これに各部のジェネレーターが加わることで、1,380kWと言う出力を実現しているようだ。1,380kWは、ビーム・ライフルの推奨ジェネレーター出力であることも、ガンダムが単なる高出力を目指したMSでないことが分かる。
——ガンダムの要求仕様——
ガンダムは単純な白兵戦用MSとしてだけではなく、ビーム・ライフルの装備や全領域にわたる運用性など、様々な機能や性能が要求された。
これは、当時の地球連邦軍がMSと言う兵器を理解していなかったことが原因の一つでもあるが、MS同士の戦闘がどのような形態になるのか明確なデータが不足していたことにも起因している。そのためガンダムには、当時の地球連邦軍および関連企業が持つ最新の軍事技術が投入された。
➀当時の最高水準の機体
装甲や構造材のルナ・チタニウム合金の仕様、フィールド・モーターに代表される新型アクチュエーターの採用など、当時の地球連邦軍が培った最高度の技術が投入された。
➁白兵戦用MSとしての機能
ジオン公国軍同様、地球連邦軍もMS同士の戦闘が大型刀槍類を用いた格闘戦になると予想していた。このため、ガンダムにはビーム・サーベルやシールドなどの装備が求められた。
➂ビーム兵器の標準装備
最も重要視されたと言っても過言では内仕様が、ビーム兵器の装備、特にビーム・ライフルの搭載であった。ここからも、戦場を制する者は火力であるという、地球連邦軍恩戦術思想が読み取れる。
➃他のRX系MSとのコア・モジュール共有
ガンダムではガンタンクやガンキャノンと同じく、コア・ブロック・システムが採用されている。これは、ガンダムがデータ収集を目的とした試作MSであったことも理由の一つである。
——ガンダムの構造——
ガンダムは、コア・ブロック(コア・ファイター)を中心に、上半身ユニットであるAパーツと下半身ユニットのBパーツから個性されている。
これは他のRXシリーズと同じ構造だが、ガンダムは運動性や機動性を重視している点が特徴であった。また、手持ち式シールドを装備していたことも、他のRX系MSとの違いである。
■ガンダムの各部と性能
RX-78-2(ガンダム)は、RX-78シリーズの中でも最もベーシックな仕様の機体と考えられており、RX-78-1(プロトタイプ・ガンダム)のような軽装化やRX-78-4(ガンダム4号機)以降の重装化も見られない。
▼頭部
頭頂部にメイン・カメラ、眼部にツイン・アイ(サブ・カメラ)を搭載したセンサー・ユニット。また。接近防御用として60mmバルカン砲二門を内蔵する。
▼ランドセル
ビーム・ライフルやビーム・サーベルへのパワーサプライも行う、NC-5型ジェネレーターを2基搭載している。2基のLE-703ロケットをメイン・スラスターとする。
▼胴体
コア・ブロックを内蔵するルナ・チタニウム合金性の装甲外殻(セミ・モノコック構造)。エア・インテークはランドセルに繋がっている。
▼腕部
各種兵装を使用する部位で、御本指マニピュレーターを採用。掌には兵装へのパワーサプライ用や、兵装照準機とのリンクを行うコネクターを持つ。
▼腰部
NC-7型のサブ・ジェネレーターを内蔵。股間部には大気圏突入用の機材が標準装備されている。
▼脚部
AMBACシステムや歩行を司る脚部。NC-03M型ジェネレーターとLE-500およびLE-550スラスターを内蔵している。
——RX-78(ガンダム)の系譜とバリエーション——
■地球連邦軍主力⁄汎用MSの基礎となったガンダム
今日こそハイエンドMSの代名詞として知られるガンダムだが、当初は量産MSのためのデータ収集機として試作された機体であった。
データ収集は実戦で行われることになっており、偶発的にパイロットとなったアムロ・レイの活躍もあって、ガンダムはMS史にその名を残すMSとなったのである。そして、ガンダムで収集されたデータによって量産MS、RGM-79(ジム)が開発され、さらに数々のガンダム・タイプMSが生み出される契機ともなった。
●RX-78-1(プロトタイプ・ガンダム)
徹底した軽量化が図られた仕様で、ガンダム系のプロトタイプと言うよりライトアーマー仕様に近い機体。前腕部やビーム・ライフルなどの形状が、RX-78-2やRX-78-3とは異なっている。
●RX-78-2(ガンダム)
「ガンダム」として知られる標準的な仕様。RX-78-1やRX-78-3とは異なる突出した性能は持たないが、全能力は平均的に高い機体でもある。後にRX-78-3と同等の仕様へと改装された。
●RX-78-3(G-3ガンダム)
マグネット・コーティング処理やハイパー核融合炉の採用により、RX-78-2の二倍の運動性を獲得した仕様。RX-78-2の直接的な性能向上型と言える。
●RX-78NT-1(アレックス)
ニュータイプの登場を前提に開発されたガンダム・タイプMS。コア・ブロック・システムを廃止、マグネット・コーティングや試作型全天周囲モニターを採用した。
●FA-78-1(フルアーマー・ガンダム)
RX-78の兵装及び走行強化プラン。ガンダムに兵装と装甲が一体となった増加装甲ウェポン・システムを搭載する。
●RX-78-4(ガンダム4号機)
メガ・ビーム・ランチャーや腕部ビーム砲による兵装の強化、プロペラント一体式スラスターによる機動性の向上などが図られた。
●RX-78-5(ガンダム5号機)
ガンダム4号機と同系列のMS。ハイパー・ビーム・ライフルを搭載可能なほかは4号機とほぼ同じ仕様だったといわれる。
●RX-78-6(ガンダム6号機[マドロック])
ビーム・ライフルを再チャージするまでの時間を得るために、キャノン砲を搭載した陸戦仕様機。
●RX-78-7(ガンダム7号機)
専用フルアーマー・オペレーションに対応するプランの一つ。通常のフルアーマーだけではなく、重装フルアーマー仕様も考案された。
●RX-78XX(ピクシー)
RX-78を軽量化した陸戦格闘仕様機であり、RX-79[G]とは異なる系列のMS。近距離以内での格闘を強く意識したMSとされる。
●RGM-79(ジム)
RX-78をベースに開発された白兵戦用量産MS。コア・ブロック・システムなルナ・チタニウムなど、RX-78から量産化に適さない要素を徹底的に排除したことで、生産性を向上させている。
●RX-79[G](陸戦型ガンダム)
陸軍省が主導となって行った「RX-79計画」で開発された、RX-78の陸戦専用機。RX-78に使用されなかった低クリアランスパーツや余剰部品を流用して作られた機体である。
●RX-79[G]Ez-8(ガンダムEz-8)
大破したシロー・アマダ少尉の陸戦型ガンダムを現地改修したMS。現地改修機ながらも性能の向上にも成功しており、陸戦性能はRX-78(おそらくRX-78-2)に匹敵するとされる。
●RX-78GP01(ガンダム試作1号機[ゼフィランサス])
一男戦争後、AEの「ガンダム開発計画」で開発された白兵戦用の試作MS。コア・ブロック・システムを採用する。基本的に陸戦仕様だが、宇宙戦にもシステム換装で対応可能である。
●RX-78GP01Fb(ガンダム試作1号機[フルバーニアン])
大破したガンダム試作1号機を宇宙戦用に改装した機体で、本来の宇宙用試作1号機とは異なる。ユニバーサル・ブースと・ポッドや補助スラスターを装備しており、高い運動性を発揮する。
●RX-78GP02A(ガンダム試作2号機[サイサリス])
アトミック・バズーカを装備した核兵器運用型ガンダム。核弾頭爆発後の高熱に耐えるため、冷却用シールドや重装甲が採用された。目標に急接近するため、機動性も高い。
●RX-78GP03(ガンダム試作3号機[デンドロビウム])
拠点防衛用として開発された試作MA。システム全長は140mに達し、その大半は兵装と推進器で構成されている。管制モジュールとしてRX-78GP03Sを内蔵する。
●RX-78GP03S(ガンダム試作3号機[ステンメン])
RX-78GP03の管制ユニットとして開発された機体。RX-78GP01Fbに匹敵する空間戦闘能力を有している。
●AGX-04(ガーベラ・テトラ)
ガンダム試作4号機として開発されたといわれる機体。シーマ艦隊への譲渡にあたり、外装を中心に改修が施された。ビーム・マシンガンと大型ブースターを装備する強襲型の機体とされる。
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