久遠の神話
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第六十三話 明かされる秘密その一
久遠の神話
第六十三話 明かされる秘密
四人がグラウンドを出るとその出入り口に樹里が来ていた、上城は彼女の姿を認めてここでも驚きの顔になった。
「どうしてここに?」
「私が呼んだの」
聡美が言う。
「お話したいことがあるって言ってね」
「銀月さんから携帯で連絡を受けたの」
樹里もここに来た事情について話す。
「それで家を出たら玄関のところで待っていてくれてて」
「二人で来たんだ」
「そうなの」
「凄い大事なお話なんですね」
樹里も呼ばれたことから、上城はこのことをあらためて確信した。
「そうなんですね」
「全てお話しますので」
「それじゃあ」
「場所は」
「私の家にしましょう」
マガバーンが言って来た。
「ここは」
「貴方の今のお家ですね」
「狭いですが」
マガバーンは少し苦笑いにもなった、そのうえでの言葉だ。
「それでも話にはいいでしょう」
「そうですね、それでは」
「はい、まずは一緒に行って」
そしてだった。
「そこでお話しましょう」
「わかりました、それでは」
こう話してそのうえでだった。
樹里を入れた五人で共に彼の家に向かった。そこはというと。
洋館だった、神戸の外国人街にある見事な洋館だ。大石はその洋館と夜の中に見えるイギリス風の庭園を見てマガバーンに問うた。
「この洋館が狭いのですか」
「はい、狭いです」
マガバーンは大石の怪訝な言葉にこう返した。
「私のインドでの家や別荘に比べますと」
「貴方の基準ではですか」
「はい、狭いです」
そうだというのだ。
「使用人も三人しか連れて来ていません」
「そうなのですか」
「そのことはいいとしまして」
家の話はこれで終わった。
「それでなのですが」
「はい、まずは中に入ってですね」
「そのうえでお話をしましょう」
詳しいそれをだというのだ。
「これからは」
「そうですね、それでは」
大石だけでなく上城と樹里も頷いた、そうしてだった。
門を開け中に入った、そのうえでマガバーンから見ると狭い洋館に入った、その応接間に案内されてからだった。
聡美はソファーに座ってそのうえで向かい側に座る三人に言った。
「貴方達の戦いですが」
「そもそも何故私達は剣を持っているのでしょうか」
大石がこのことを問う、
「このこと自体が不思議でした」
「そのことですね」
「戦う理由はそれぞれですが」
「貴方達が剣を持っている理由ですね」
「それはどうしてなのでしょうか」
「運命です」
聡美はこれを出した。
「だからです」
「運命ですか」
「貴方達は全員今だけ戦ってきたのではないのです」
「といいますと」
「遥かな過去から」
こう三人、特に剣士である大石と上城に話す。
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