MS Operative Theory
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ラフレシア計画(プロジェクト)①
——殺戮のためだけの機械を生み出した、バイオ・コンピューター研究計画——
新たな強化人間やネオ・サイコミュに対応した巨大MA、XMA-01(ラフレシア)、そして無差別殺戮機械バグを生み出した計画が、「ラフレシア・プロジェクト(以下ラフレシア計画)」である。
ラフレシア計画は、バイオ・コンピューターの技術者カロッゾ・ロナ(旧姓ビゲンゾン)が進めていたプロジェクトである。カロッゾは大学院時代にバイオ・コンピューターの研究を行っていた。
彼は感知能力を高める体液内の酵素「スウェッセム・セル」などを利用し、精神とバイオ・コンピューターを統合することで、かつてのサイコミュよりもはるかに負担が少ない新システムの構築を考えていた。
元々、バイオ・コンピューターは医療用として研究が進められていたことも、彼の研究の根拠となっていた。しかし、カロッゾが他の技術者と一線を画していた点は、これを単なるインターフェイスと考えていなかったことである。
カロッゾはバイオ・コンピューターによる感知能力や知覚力の拡大が、人類を気高い生き物に変革させると予想していた。彼の予想はジオン・ダイクンが唱えた人類のニュータイプかを人工的に達成しようとしたものと考えられる。
このようにカロッゾは、バイオ・コンピューターを「人類の意志の強化策」として捉えており、彼がマイッツァーの娘ナディアと結婚し、潤沢な研究資金と施設を提供されたことで、研究は具体性を帯び始めた。
更に彼は、バイオ・コンピューターの開発でブッホ・コンツェルンの基礎を築くと共に、ロナ家の政治にもかかわるようになった。U.C.0116,05には、バイオ・コンピューター技術を応用した「人類の意志の強化策」を実現するラフレシア計画を立案し、コスモ貴族主義の実践やクロスボーン・バンガード(以下CV)編制のために、自らを実験体にしようとした。
この時はマイッツアーの制止もあって計画は保留されたが、ハウゼリー・ロナが暗殺された翌年のU.C.0119、ラフレシア計画が発動、カロッゾは自らに強化処置を施している。
これ以降、彼は「鉄仮面」としてCVを指揮すると共に、ラフレシア計画を進展されるが、地球圏の人口抑制のため人類の90%を抹殺するというロナ家の方針により、計画は根本からその姿を変えることとなった。
この結果、ラフレシア計画の一環として、対人用殺戮兵器の開発を目指す「バグ・プロジェクト」も指導。マイッツァーすら感知しない場所で殺戮兵器バグとラフレシア計画の中核たるMAラフレシアの研究開発が進められた。
このころからバグを中心とするラフレシア計画の暗部は、カロッゾと補佐役の時レ・クリューガー、特別な研究開発部隊などの限られたメンバーだけが知ることころとなったのである。こうして人類の革新を目指したバイオ・コンピューターの研究は、コスモ貴族主義者が「過剰な人口」と定義した、人類の粛清プランとしてその姿を変えたのである。
補足事項
——「ラフレシア計画」以外の人類粛清プラン——
「ラフレシア計画」は「バグ・プロジェクト」の開始により、人類粛清計画としての性格を強くしていった。しかし、それ以前にもジオン公国をはじめとする様々な組織が、人類の粛清や大幅な人口削減を目的としたプランを実行に移している。
国家規模の組織が「殺さんがために殺す」ための作戦を立案、実行することも宇宙世紀の戦争の特徴だと言える。
■ブリティッシュ作戦
ジオン公国の地球連邦軍本部の破壊計画。同時に非友好サイドやアースノイドの殺戮も行った。
■地球寒冷化作戦
ネオ・ジオンが計画した地球環境破壊作戦。地球連邦政府関係者を中心とするアースノイドの抹殺も意図していた。
■エンジェル・ハイロゥ作戦
ザンスカール帝国の人類粛清計画。精神兵器を用いることで人類に緩慢な死を与えようとしていた。
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