木漏れ日色の記憶。
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LoveRabirinnsu~あの日の事~
僕は三年前、自由に生きることを知らなかった。
「イザヨイ!後でゲーセン行かないかい?」
「ああ・・・・いいぞ」
「やっぱり張り合いがないなぁ、イザヨイと話していると。」
「余計なお世話だ・・・」
やっぱり昔でもイザヨイとなかはよかった。
////////////////
「ごめーん!まったぁ~?」
僕は交差点の前でイザヨイと待ち合わせした。
「お前には羞恥心という感情はないのか?」
「まぁまぁ、早く行こう!」
俺達は近くのゲーセンに入った。
「何をやる?イザヨイ!やっぱり格闘がいいかな♪」
「ああ、それにしよう。」
僕たちははガンタムコレクションをやることにした。
座席に座るとキャラクター選択画面が写し出された。
イザヨイは遠距離のスナイパー型を選び僕は近距離型の接近戦型を選んだ。
戦闘開始!!
イザヨイは、一瞬で遠くへ逃げ、一発打った。
「当たる分けないよ!」
僕はサッとかわす。
「俺もそうおもっていた。」
イザヨイは後ろに下がりもう一発。
僕は避けながら回り込み一撃食らわせた。
「甘いよ、慧。」
「えっ?」
イザヨイは僕の攻撃を食らうと回転しながら近距離一撃を食らった。
敗北・・・・・
「負けたぁ!悔しいからもう一回!」
「分かったよ。」
イザヨイは僕を見ながらこう言った。
「まぁいいか。」
////////////////
「いや~、楽しかったね!イザヨイ!」
「そうだな、・・・・・慧。」
「なんだい?」
「今日、俺とゲーセンに来たのは何か理由があるんだろ?」
「・・・・・・・・・さすがだね」
「俺とお前の仲だろ?」
「ははっ!イザヨイにはかなわないや。」
「それで、どうしたんだ?」
しばらく僕は無言だった。
「慧・・・・・」
「昨日・・・バレンタインデーだったろ?」
「ああ・・・・そうだな・・」
「その時にある女の子からチョコを貰ったんだ・・・・」
////////////////
一昨日・・・・・・・・・
「あのっ!これ・・・貰ってください!」
生徒会の後、下駄箱で彼女に出会った。
だが・・・しばしの沈黙の後、僕はこう呟いた。
「・・・・ごめん僕は君と付き合えない・・・」
彼女は涙ぐんだ声で話し出した。
「なんで・・・で・・・すか?」
「僕は・・・・恋愛をしたら
自分が自由でなくなる気がするんだ
・・・・ごめん。」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ごめん」
「私・・・・・」
「・・・・・」
「私・・・諦めませんから!!!」
彼女はそう言って走ってドアを出ていった。
////////////////
僕は橋の上まで来ていた。
「そう言うことか・・・・」
「うん・・・・」
僕はうつむいたまま答えた。
「自由に生きることがいいって訳じゃないのかもな・・・・」
「・・・・・・」
「お前は自由に生きることに縛られてるんだよ」
「・・・・・・」
「俺からのアドバイスは以上だ、また明日な。」
イザヨイは走って横断歩道を渡っていった。振り向いて手をふりながら。
「自由・・・か。」
三年前の僕は自由に縛られていた。
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