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ヘタリア大帝国

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TURN110 法治その五

「そうさせてもらうわ」
「ああ、無理をしてもらうがな」
「構わないわ、代わりはいるのよね」
「あんた自身がな」
 クローン故の言葉にだ、コンドラチェンコは私情を隠して答えた。
「いるさ」
「なら問題はないわ」
「あんたがそう言うんならいいさ」
 やはり私情を隠し真剣な顔で言うコンドラチェンコだった。
「それでな」
「ええ、それじゃあ」
「ニガヨモギはあんたに任せた」
「暴れさせればいいのね」
「そういうことだ、あんたの思う様にやってくれ」 
 コンドラチェンコにはトルカにはこう言うだけだった、だが。
 リトアニア達のところに戻るとだった、難しい顔でこう言った。
「なあ、どうもな」
「クローンのことですか」
「好きになれないんだがな」
 首を傾げさせながらの言葉だ。
「どうしてもな」
「難しい問題ですね」
「人間、だよな」
 これがコンドラチェンコが首を傾げさせる理由である。
「やっぱりな」
「どうでしょうか」
「オリジナルの人がいてもな」
 それでもだというのだ。
「クローンもそうじゃないのか?」
「どうなんでしょうか」
「俺はそう思うけれど書記長さんはオリジナルが人間でな」
 クローンは違う、それがカテーリンの考えなのだ。
「実用化してもいいって仰るからな」
「クローンは実用化されていますね」
「こうした場合にな」
「同志書記長のお考えですから」
「絶対、だよな」
「ソビエトでは」
「それは俺もわかってるさ、書記長さんもソビエトのことを第一に考えてるんだよ」
 カテーリンは少なくとも公を優先させる、私は挟まない。そのうえで常にソビエトと人民のことを考えてはいるのだ。
「けれどな、難しい話だよなクローンは」
「ですから同志書記長が定められたので」
「いいよな」
「そうなります」
 ソビエトではだ、リトアニアはコンドラチェンコにカテーリンの考えに異論を言うことは危険だとも忠告している。
「では」
「ああ、言わない方がいいな」
「それで御願いします」
「じゃあいいか」
「はい、それではですね」
「枢軸軍が来ればな」
 その時にだというのだ。
「戦うからな」
「了解です」
「それでは」
 リトアニア達はコンドラチェンコの言葉に頷く、そうした話をしてだった。
 彼等は枢軸軍を待ち受けていた、その枢軸軍はというと。
 モスクワにいた、そこでロシア平原での戦いの用意を進めていた。 
 だがその中でだった、またしてもだった。
「外相が負傷されてか」
「はい、再びです」
「これで三度目だな」
 東郷は少し苦笑いになって報告する秋山に述べた。
「改造は」
「あの、まだ改造すると決まっては」
「いや、それしか生きられる方法はないな」
「それはそうですが」
「それならだ」
 東郷は言う。 
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