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MS Operative Theory

作者:ユリス
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可変MA②

——TMSの誕生と特化するTMA——

 アッシマーの開発当時、後にTMSに必須の技術となったムーバブル・フレームは発展途上にあり、TMAには一年戦争と同じセミ・モノコック構造を使用していた。

本格的にムーバブル・フレームを搭載した機体はORX-005(ギャプラン)で(それ以外にもPMX-000(メッサーラ)がムーバブル・フレームを採用)、RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)などの非変形型MS用のムーバブル・フレーム技術やティターンズに参加したパプテマス・シロッコ大尉協力もあって、RX-110(ガブスレイ)やRX-139(ハンブラビ)など、コンパクトかつ強力な地球連邦系TMSが開発されていくことになる。

 TMAから派生したTMSが一般将兵用であることに対し、TMAはギャプランのころからサイコミュ搭載機、もしくはニュータイプや強化人間専用マシンであった。

これはギャプランの様に一般人では耐えられないような過原則や、サイコ・ガンダム系の様にサイコミュによる機体制御、複数のジェネレーター直結式メガ粒子砲の管制を行うマシンとして特化していった。

MAをベースとするTMAは広いペイロードを持つため、このような特殊な装備や機構が搭載できたのである。こうして、TMAは特殊用途機としての可能性を開花させていく。



——SFSの問題点とTMAの必要性——

 ド・ダイ改やベース・ジャバーなど初期のSFSはMSの高速展開を可能としたが、基本的には「MSの足」であり、運動性や最大速度、上昇能力が低いなど、飛行機としては通常の戦闘機にも劣っていた。そこで地球連邦軍は、航空機(MA)とMSを融合させたTMAを開発することで、これらの問題を解決しようとした。



——TMAの変容——

 空戦用機動兵器の一形態として誕生したTMAは、よりコンパクトかつ運用柔軟性に秀でるTMSの開発により消滅するかに思われた。

だが、MAをベースとしたことによる大型化のボディはペイロードの確保に有利であったため、強化人間用を中心に試作⁄試験機のテストベッドとなっていた。宇宙用に改修、または開発されたTMAは、グリプス戦役後期の宇宙線に投入されるなど、運用量機の拡大も果たした。


■宇宙用TMAの実用化

 アッシマーやギャプランなどの初期型のTMAは、空中戦や高高度迎撃に秀でた「可変航空機」としての側面を持つ機体であった。空中戦を行うために、MS形態を利用する頻度は他のTMAに比べ必ずしも多くなかった。

だが、グリプス戦役において宇宙戦の機会が増加すると、宇宙用に改修されたギャプランが投入され、真の意味で「可変機」として運用されるようになった。


■強化人間用TMAの開発

 ギャプラン以降の地球連邦系TMAは、外科手術や投薬、精神制御などによって強靭な肉体とニュータイプ能力を持つ強化人間用のマシンとして開発されるケースが増加した。

これらの機体は大型フレームの採用によって広いペイロードを持つため、小型化が困難であったサイコミュや大出力ジェネレーター、大推力スラスターの搭載に適していたことが大きな理由とされる。



——TMAの特徴的構造——

 TMAとTMSはどう位置しされることが多いが、TMAは重戦闘機、TMSは軽戦闘機的な傾向にあり、特にMA形態時の特性に大きな差がみられる。

TMAはMA形態時にAMBACシステムを活用しないほか、装甲防御力が高く、大出力の内蔵火器を搭載する機体が多い。


■装甲技術の充実

 地球連邦系TMAは、MA形態時に各部に装甲を配置することで総合的な防御力が高くなっている。強化人間用マシンでもこの傾向は変わらない。


■MA形態時にAMBACシステムを使用しない

 MA形態時でも積極的にAMBACシステムを使うTMSと異なり、TMAはMA形態時にAMBACシステムをほとんど使用しない。これは装甲防御力の優先やフレーム技術が影響しているようだ。


■大出力メガ粒子砲

 TMAは主兵装に内蔵式メガ粒子砲を搭載する機体が多い。TMAで確立された技術とも言われている。



——大型化したTMA——

 TMAはMAをベースとしていることや、変形機構や可変フレームの技術が模索されていた時期に開発されたこと、ペイロードの確保のために大型フレームを採用したことから、全体的に大型である。TMAの中で比較的小型なアッシマーでもMS形態時の全高が23.1mに達し、サイコ・ガンダムなどのように40mを超える機体も存在する。



——ペイロードの大きさを利用して搭載されたシステム——

 非変形型と同サイズのTMSと異なり、大型のフレームを採用しているTMAはペイロードに余裕があるため、サイコミュなど大型デバイスを搭載しやすい。

「TMAは強い」という印象を受けるのはこのためで、事実、TMSでは搭載できない大出力メガ粒子砲や重装甲を装備しており、TMSよりTMAの方が単機での戦闘力に秀でる機体が多い。


■機体の大型化により搭載できたサイコミュ

 地球連邦軍はサイコミュ技術では後発の組織であったため、サイコミュ・システムの小型化にも遅れを取っていた。こうした技術的な問題が、サイコ・ガンダム系やNRX-055(バウンド・ドックなどの強化人間用TMAが巨大化された一因と考えられている。


■生存性を高める重装甲

 TMAは、防御力にペイロードのほとんどを割いているために耐弾性に優れる機体が多い。また、TMAの大半が試作機だったため、データやパイロット(特に強化人間)の回収が優先されていたことも理由の一つと考えられる。

 
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