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MS Operative Theory

作者:ユリス
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可変MA①

——第三世代MSへの懸け橋となった、可変モビルアーマー——

 TMA(Transformable Mobile Armour=可変モビルアーマー)とは、MSへの変形機構を搭載したMAのことを指す。最初期の機体としては大気圏用TMA、NRX-044(アッシマー)が知られている。

TMAに近い特性を持つ機動兵器として、MSZ-006(Zガンダム)などのTMS(Transformable Mobile Suit=可変モビルスーツ)が存在しており、これらは第三世代MSに分類されている。

TMSとTMAには明確な差がなく、機体サイズや開発時期、開発系譜で分類しているケースがほとんどで、開発時期や開発組織によって性能傾向が異なっている。

 TMAの開発の先駆けともなった機体は、地球連邦軍ニュータイプ研究所本部(オークランド研究所)製のアッシマーとされ、U.C.0083に開発がスタートし、U.C.0085に完成した。

地球連邦軍でTMAの開発が進められた背景には、既に実用化されていたサブ・フライト・システム(以下SFS)の性能に軍が満足していなかったことが挙げられる。

ジオン公国軍のド・ダイYSを始祖とするSFSは、大気圏内におけるMSの運用上の懸案事項であった行動範囲の狭さと展開速度の遅さを解消するとともに、限定的ながらMSに空戦能力を付与する画期的システムだった。

だが、航空力学を無視した形状のMSを搭載するために、高高度迎撃能力に欠けていたほか、最高速度も音速に届かないという問題点も指摘されていた(SFSの最高速度はベース・ジャバーでマッハ0.83、ド・ダイ改でマッハ0.93と言われている)。

 そこで地球連邦軍は、MSそのものに本格的な空戦能力と航続能力を付与するため、機動性と局地戦闘能力に秀でるMAの性能と、汎用性や運動性に優れるMSの機能を併せ持つ新型機の開発に着手した。

この際、MAとMSの垣根を取り払う技術的なブレイクスルーとして、状況に応じMS・MA両形態を使い分ける可変機構が提案された。こうして、アッシマーは新設計のドラム・フレームとモノコック構造で作られた核部ユニットの移動、フレキシブルな関節機構など採用することで変形を可能とした。

この結果、完成したアッシマーは大型の機体とはなったものの、航続力や空戦能力の秀で、さらに0.5秒という短時間での変形を達成し、その性能はグリプス戦役に開発された新型第二世代MSをも圧倒した。アッシマー以降、TMAの開発はニュータイプ研究所を中心に進められ、突出した高高度迎撃能力と機動性を持つORX-005(ギャプラン)などの大気圏内用マシンが生み出された。

 その後、ムラサメ研究所においてMSN-02(ジオング)の設計を継承したサイコ・ガンダム系TMAが開発されるなど、地球連邦系のTMAはニュータイプ(強化人間)用重火力⁄重装甲マシンとして特化したほか、TMAで培われた技術はTMS開発にも反映されるようこととなった。





補足事項

——飛行型MSへの挑戦——

 重力下におけるMSの機動性の向上はSFSや可変機だけでなく、「MSそのものを飛行させる」という研究にも繋がった。これは一年戦争時からジオン公国軍や地球連邦軍をはじめとする組織が取り組んだが、航続距離や飛行速度、生産コストなどの問題を解決できず、本格的な飛行型MSはザンスカール戦争時まで開発されなかった。


■一年戦争期

 ジオン公国軍は、単独飛行型MSの開発に積極的に取り組んでいた。MS-07H(グフ飛行試験型)シリーズがそれで、熱核ジェット・エンジン搭載のH8型は飛行能力を有していたが、運動性や速度に問題があった。


■グリプス戦役期

 地球連邦軍もMS-121-1のバリエーションを通じて、RX-160(バイアラン)を開発した。本機は運動性、推進力共に高かったが、航続距離が短いうえに汎用性にも乏しく、量産されることはなかった。


■ザンスカール戦争期

 飛行型MSの必要性に迫られたベスパはZMT-S06G(ゾロローター)で性能が実践された新飛行⁄推進機構ビーム・ローターを採用し、ZM-S08G(ゾロ)などすべての面で満足できる飛行性能を持ったMSを量産した。

 
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