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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第9話:人質としての身の振る舞い方講座

(ガーデンブルグ)
リュカSIDE

う~ん……思ってたより巧くみんなを嵌められたな。
まったく……ビアンカの居所を俺に教えておけば、こんな事にはならなかっただろうに……
この国に寄る必要性があるのは解ってる……俺もそれを無視しようと思ってない。
だからビアンカの居場所を俺に教え、俺だけの単独行動を許せば良かったんだ。

それなのに俺を巻き込んで面倒な事をさせようと画策するから、思わず先手を打っちゃうんだよ。
マリーもまだまだだな。
俺の事を解ってないよ……その点ウルフは流石だね。

あの遣り取りの中で、俺の行った行動を推測し、ほぼ正確に読み取ったからね。
と言う事は、今頃みんなを説得……いや、欺いて盗賊捜しを頑張らせてるだろう。
まぁ皆のやる気を出させる為に、『一番悪いのはあのオッサンだ!』とか言ってるだろうね(笑)
戻ってきて『このクソ親父!』とか言われたら、何時もの様に『イケメンと呼べ!』って躱そう。

しかし暇だなぁ……
こんな事なら牢獄でも良かったのに。
清潔なベッドと、ある程度の食事さえ提供してくれれば、こんな所に軟禁されてるより良いんだが……

「お待たせーリュカぁ♥ ごめーん、政務が長引いちゃって!」
突如部屋に入ってきたのは、この部屋の主である女王のアルテミアだ。
そう俺はアルテミアのプライベートルームで、ベッドに寝そべっていたのだ。

「なぁアルテミア……僕はこういう所に閉じ込められるのは好きじゃないんだ。これだったら牢獄で“誰でも出入り自由”状態の方が嬉しいんだけど……」
「ダメよそんなの! 私は貴方の言い付け通り、偉そうな態度で彼らを罪人として扱ったのよ……あの若者には『オバサン』とまで言われながら! 契約通り、事件が解決するまで、私の彼氏で居る事を忘れてはダメよ!」

「いや、そうなんだけどさぁ……えっと、ほら、あの()に悪いし……あのメリッサちゃんだっけ? 彼女も随分と協力してくれたじゃん! もう既にシンが窃盗犯じゃない事が解っても、一生懸命に計画遂行を手助けしてくれたじゃん! 彼女にもお礼がしたいからなぁ……」

「そうだけど、私なんか最初からあの少年が犯人でないことは解ってたのよ。それなのに貴方の計画の為、あんな嫌な女を演じてまで尽くしたのだから、その恩に報いて欲しいわね!」
「報いるよ。そりゃ勿論報いるとも! 昨日の晩からずっと報いてきたじゃんか!」
ダメだノリがわるい。此方から『3Pしようよぉ~』って言わないとダメなのか?

リュカSIDE END



(ガーデンブルグ南の洞窟)
ブライSIDE

まったく厄介じゃ……
『ボーンナイト』に『アークバッファロー』更には『ドラゴンユニット』と、この洞窟には強敵ばかり。
この面倒事の立役者マリーに、敵を蹴散らさせたいのじゃが、この女の魔力は桁違いで、洞窟自体を崩す恐れがあるという……
本当に厄介じゃ!

結局ワシ等が地道に敵を倒さねばならない。
だが今回ばかりはウルフが積極的に戦ってくれている。
やはり奴は強いのぉ……
剣術の腕前もさることながら、魔法のレパートリーが豊富なんじゃ。

状況に合わせ使い分けるから、アタッカーとしてもディフェンダーとしてもサポーターとしても大活躍。
臨機応変な反応をするので、安心して任せてられる。
シンの言葉ではないがリュカを置いていっても問題無さそうな気がするが……
あの男の妻はそれ程恐いのか?

「そう言えばリュカさんはどうしてるのでしょうね? 薄暗い牢屋に閉じ込められて、辛い思いをしてるのではないでしょうか?」
本気で心配してるのであればこの女(ミネア)はアホじゃ……

「んな訳ねーだろ! 最悪牢屋だとしても、綺麗なベッドに豪華な食事、更には美女達を喰い放題……まさに天国状態だろうな!」
かなりトゲのあるウルフの台詞。
考えなくとも判りきっている。

「でも……一応は人質ですし……もう少し質素な状態なのでは……?」
無駄と解りつつ反論するのはシン。
今回の事件で切っ掛けを与えてしまった男。

「ねぇよ! あのオッサンに惚れちまった女王が、頑張って演技し俺達をこの洞窟へ追いやったんだぞ! 今頃自ら股を開いて、奴の上で盛大に腰を振ってるさ! それが牢屋なのか女王の自室なのかは判らないけどね!」

「それって人質と言えるの?」
「アリーナは何も解ってないなぁ……人質の扱いは、連中の意思に委ねられてるんだ。乱暴に扱おうが、丁重に扱おうが、あの男に奪還させようと思える価値があり続ければ、人質として成立するんだ。そして困ったことに、我々にはあの男を奪還しなければならない理由がある……」

つまり奴は、我々と違い天国の様な環境に居ると言う事じゃな。
確かに人質が必ず迫害されるとは決まってない……迫害されることが往々にしてあるだけで、人質としての価値が変わらなければ如何なる状態にあっても問題はないのだ。
理不尽だな……

ワシ等が薄暗い洞窟で、強力なモンスター相手に四苦八苦しているというのに……
何とか一矢報いてやり問いと思うのは身勝手なのか?
ウルフはどう考えているのだろう……

「のうウルフ……お前さんはリュカに何らかの仕返しを考えているのではないのか? もしそうだとしたら手伝うぞ。ワシに出来ることがあれば言ってくれ」
偶には奴も痛い目に遭うべきじゃ!

「ブライさん……悪いことは言わないから、妙なことを考えるのは止めた方が良い。仕返しなんてしたって、逆撃を被るだけです。我々に出来ることは、本人を前にグチグチ何時までも文句を言い続けることだけです。大して効果は見込めませんけど……」

「それだけ!? もっとあるじゃろう……例えば、奥様と合流した後で今回の件を大々的に報告するとか……何せ奴は女王達と浮気中じゃろ! 奥様の雷が落ちるのは目に見えておると思うんじゃが?」

「はっはっはっ……最大に無駄ですよ。あの男に子供が何人居るか判りますか? ハッキリ言って本人にも判ってないですよ! 元の時代に多数……今の時代にも多数……そして異世界にも大勢居るんですよ! 本人(リュカさん)が把握している子供で、奥様(ビアンカさん)が把握してない子供は居ないでしょう。奥さんは旦那の浮気を100%理解してるんです……多分今現在も浮気中だと見積もってるでしょう! そんな男の浮気報告をしたって、鼻で笑われておしまいです」

何となく予想はしていたが、なんて夫婦だ……
それでも納得は出来ず娘等に視線を向けて目で尋ねてみる。
だが何奴も同じ反応で、哀れんだ表情で首を振るのみ……

こうなると、この鬱憤はバコタの阿呆にぶつけるしかないな!

ブライSIDE END



(ガーデンブルグ)
リュカSIDE

イェ~イ! 初4P達成だぜー!!
アルテミアを何とか説得し、メリッサちゃんとシスター・ジュリエッタ(十字架を盗まれちゃったシスター)を交えて、ちょーハッスルしちゃったもんねー!

1本しか暴れん坊将軍が無いから、取り合い状態になっちゃったけど……
ベッドの上で3人の美女が行うビーチ・フラッグスみたいだったよ(笑)
まぁ優しい俺は、あぶれた美女にも指や口を使って楽しんでもらったけどね。

連中を盗賊確保に向かわせてから今日で4日……
とても充実した日々を送らせてもらいました。
とは言えそろそろ連中が戻ってくるはず。

俺は4日ぶりに服を着て身なりを整えます。
女王(アルテミア)以下、メイドや兵士・女官達が名残惜しそうに眺めております。
モテる男はツラいゼぇ!

アルテミアが口を開き“まだ良いじゃん!”的な事を言おうとした時、女官の一人が部屋に入ってきて、『盗賊バコタが逮捕されました!』って告げてきた。
勿論、あの連中も凱旋しております。

これで俺達はこの国から出て行けるね。
天空の盾も貰う約束は済んでるし、これ以上俺の自由を奪われる前に退散しないとね。
でも連中には文句を言われるだろうなぁ……

“僕も沢山の洞窟を探索してたんだよ……一部分で(笑)”って言ったら、もっと怒るかな?
怒らないのはシンとマリーくらいだろう。
だってアイツ等も今回の原因の一つだからね(笑)

リュカSIDE END



 
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