この明るい星空の下で。
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十五夜、十六夜。
10月15日、俺はいつもどうり、天文部に顔を出していた。
「今日はなんの日でしょう。」
夜空が急に話し出した。
「なんだ急に。」
「正解は十五夜でした!」
「なんにも答えて無いが。」
「だから私は先に帰るね!」
「じゃあ私も!」
「気を付けろよ。」
////////////////
「イザヨイ、略しすぎてるよ!二人が可愛いから気を付けろよ。でしょ」
「ふん。」
「男のツンデレは需要ないから。」
「デレてないだろ。」
////////////////
下駄箱
「やっぱり三咲ちゃんもあれでしょ?」
「先輩もですね。」
二人は満面の笑みで歩いていった。
////////////////
「ただいま。」
「お帰り~~弟君」
「ってなんで姉貴が居るんだよ!」
「いいじゃない別に、いいじゃない」
「大切な事だからって二回言うな!あんたは二階堂先生ときが合いそうだな!おい」
「宴のこと?」
「図星か!」
「まぁいいじゃない、あっそれとね?これを渡しとくわ。」
「なんだよこれ」
「懐中時計よ、お守りに持っときなさい。」
「なんか怪しいな。」
「大丈夫、お姉さんを信じなさい。」
「・・・」うさんくぇ
「じゃ、私はここで!」
悟さんが現れた。
どっかのRPGみたいになったができればエンカウントしてほしくなかった。
「メアド交換しませんか?」
「悟さん、姉を誘惑するのはやめてください。」
「はい、どーぞ」
「なに渡してんの!?」
「気にすんな奏、ちゃんと避妊はする。」
「そこまでするつもりなんですか!」
「 優しくね。」
「棒読み!?」
////////////////
部屋に戻った俺は懐中時計を机の上に置いて夜空の部屋に向かった。
「おーい夜空。いるか?」
扉が開いた。
「どうしたの?」
「どうしたんださっきは。」
「いやぁ~チョッとね。」
夜空は悪戯に笑った。
「だからまだ見ちゃだめ。」
そう言って夜空は俺に目隠しした。
「わかった、危ないことはするなよ。」
「は~い」
と言って夜空は部屋に入っていった。
三咲の部屋。
「おーい三咲、掃除してるか?」
「してないよ!」
「しろよ!」
俺は勢いよくドアを開けた。
「・・・・・・・」
「・・・・だからなんでお前はいっつも裸なの?バカなの?」
「・・・・・・・・・・・・正解」
「ミリオネア見たいに言うな!」
「片付け手伝って!」
「はいはい・・・」
俺は毛布にくるまった三咲をどかしながら服をタンスにしまっていった。
「ふ~終わった。なんですぐに汚くなるんだろうな。」
「えぇ~だってまずお風呂に入るでしょ。」
「うんうんそれで?」
「服をだして・・・」
「ちょっと待てお前は裸でここまで戻ってきたのか?」
「うん 。」
「まぁいい、それからあとは着るだけだ」
「出しただけでいいかなって。」
「はいアウト!そこまできてなんでやめる?バカなの?」
「・・・・・・・・正解。」
「もういいわ!」
そう叫ぶと俺は外に出た。
「はぁ~・・・・」
「こーはいくん!溜め息をしてはいけない!はい、かいしゅー」
佑香先輩は溜め息を回収?して俺の口に押し込んだ。
「やめい!なんかようですか?」
「うん、なんか食べたい。」
「自分でやってください。」
「ひどいよこうはいくん!夜中に何度もやったじゃないか!」
「変な言い方しないでください!」
「いいから作るんだ!」
「まぁいいですけど・・」
おれは冷蔵庫のなかにあるきゃべつと豚肉で豚汁を作った。
「おぉ~君はプロかね!?」
「さっさと食べてくださいね?」
そういうと俺は部屋に戻った。
「ん?」
部屋になんか違和感がある。
「なにしてんだお前ら。」
そこには布団にくるまった夜空と三咲が いた
「裸ワイシャツと浴衣ってどっちがいい?」
「う~んってなに言わそうとしてんだ!」
「奏先輩の異常な趣味」
「一度死ね!」
俺は気にせずにデスクに座った。
////////////////
「う・・・・う、ん?」
右と左から寝息が聞こえる。
動こうとしても動けない。
「ぐぅぅ~~」
「すぅぃ~~」
裸の少女二人に金縛りですか。
「力強っ!!」
左には文句なしのデカイ胸が、右にはまだ成長を迎えていないふっくらが・・・・ってなに考えてんだ俺、
「起きろ!お前ら。」
「んあっ!」
喘ぐな!
「慧!助けて!」
「・・・・・・・」パシャ
「写メとるな!」
俺が大きく動くと。
「んぁ!」
「やめろぉぉぉ!」
////////////////
朝、夜空と三咲が早く起きたのでダイニングに集まっていた。
「望月さんありがとうございます。」
「変態なのね」
「やったの俺じゃねーからな!」
「鬼畜ね」
「やめてくれぇぇ」
俺が頭を抱えていると。
「奏くん!どうだった?」
「最悪だ!」
「両脇に女の子を抱えて最悪だと!?」
「奏先輩はもっとほしいんですね」
「ちがうわ!」
「鬼畜ね」
「いじめだ!!!」
「大丈夫だ、奏が退学になるだけだ」
「えっどこが大丈夫なの!?」
「うん、こーはいくん大丈夫。」
「十六夜、一度死んで?」
「それ生徒に言う言葉ですかね!?」
と言いながら俺は朝飯を作り、ゴミを持って外に出た。
「なぁ夜空、三咲、なん昨日はどうしたんだ?」
「まぁいいじゃない楽しみにしといて!」
「じゃ、奏先輩私はここで!」
「ああ。」
////////////////
「ヤッハロー」
「よう」
「「「・・・・・・」」」
(ね、ねぇなんなのかなこの空気・」
(わからん。)
(なんかヤバいね、イザヨイ。)
俺達は無言で席に着くと、クラスの女子達が、
「星空荘ってヤバいんでしょ?」
「なんか裸の少女二人を抱いてる人がいるらしいよ?」
「やめて?聞こえるでしょ!」
////////////////
やべっ俺の学園生活オワタ。
「・・・・・・・・」
「まぁまぁ、奏くんそんなに落ち込まないで、私が付いてるから。」
「それが落ち込む原因だろ!」
「瑞希も同じ目に合ってたらしいね。」
「まぁ、部室行くか。」
「うん!」
(オッケー?慧くん。)
(うん、万全だ!)
////////////////
地学室に着くと。
ガラガラ、
「誕生日おめでとう!」
「ひゅー!」
「おめでとうです!」
「おめでと。」
「・・・・・・・・お前ら・・・
俺、誕生日を友達に祝われたこと慧と夜空にしかなかった・・・」
「ちょっなかないで!奏くん」
「先輩、そこまで喜んでくれるなんて・・・」
「イザヨイ、友達なんだから、ね?みんな。」
「うん!(はい!)(そうよね。)」
「よしっ!今日は星を見に行こう!」
「ああ。」
「うん!」
「はい!行きましょう!」
「まぁ、いいか!」
俺の学園生活はまだまだこれからだ。
////////////////
「「「「「かんぱーい!」」」」」
「うまいなこれ。」
「それは私が作ったの!」
「私のも食べて先輩!」
「わかったわかった。」
「慧くん 、美味しい?」
「ああ、美味しいよ瑞希」
なんかラブラブオーラ全快の俺達だが冬休みに入ってこれがぶち壊されることになるとは、
誰も予想していなかっっただろう。
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