この世界はヒーローが大勢いる!
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The grass always seems greener on the other side of the fence(隣の芝生は青く見える)
「Fate/EXTRA」のセイバーとアーチャー。
「TIGER&BUNNY」の折紙サイクロンことイワン・カレリン。
結論から言うと、三人ともヒーローアカデミーの生徒だった。
しかも全員がクラスメイトであると知った時「何だよ、このご都合主義」と思った俺は悪くないだろう。
でも、この学校に入学しているってことはセイバーとアーチャーもネクスト能力者なんだよな? 二人は一体どんな能力を持っているのかなと考えていると、今日は入学式ということで自己紹介と自分の能力の公開をするようにと、担任がクラス全員に言った。
まずはアーチャー。
アーチャーのネクスト能力は、「自分が想像した武器を短時間だけ実在のものとする」というもの。ただし銃などの複雑な武器は作れず、刀剣類が一番作りやすいとのこと。
なるほど。投影魔術がそのままネクスト能力になったわけか。
次はイワン・カレリン。
彼の能力は「TIGER&BUNNY」でも同じ何にでも変身できる擬態能力。
俺はあの能力、結構便利だと思うんだけど、本人は使えないと思っているようだ。この辺りも「TIGER&BUNNY」と同じってことか。
キャスター。
彼女の能力は「見えない“熱の手”を作り出して、これを操作すること」。この“熱の手”を使えば、実際の手を使わずに物を動かせるだけでなく、対象の温度を熱したり冷ましたりできる。
要するに、ゲームで鏡を宙に浮かせていたあの手品(?)と「呪相・炎天」と「呪相・氷天」を合わせた能力だと思えばいいだろう。……ちょっと違うか?
セイバー。
「余の才能は何でもできることだ!」とセイバーが胸を張って言ったときは、教室にいる全員の頭に疑問符が浮かんだ。
担任が詳しく聞いてみるとセイバーの能力は超直感といえるものらしく、ネクスト能力を発動した状態の彼女は触れたこともない機械も自在で操れるし、初めて見る武術も難なくこなせるようになるらしい。
え~と、つまりゲームであったセイバーのスキル「皇帝特権:EX」ってこと? あの説明だと分かり辛かったけど、メチャクチャ便利そうな能力だな。
それで最後は俺こと竜蔵寺砕だ。
俺の能力は皮膚から爆発する粘液を分泌することです、といって試しに手頃な紙を丸めて粘液をつけてそれを教室の天井に投げる。天井に投げた紙くずが「パンッ!」と小さな音を立てて爆発するとクラスメイトのほとんどが驚いていた。ちなみに驚いていなかったのは「Fate/EXTRA」組の三人である。
担任も「あまり驚かせるな」と言った後で「だが、そんなに強力な能力なら将来は期待できるな」と笑いながら言ってくれた。
よし。とりあえず最初の挨拶は上手くいったようだ。……と思っていたら急に強い視線を感じた。しかも二人分。
視線の発生源を探してみたら何やらセイバーとイワンがこちらを強く見つめていた。
……あの視線から察するにセイバーは「よくも余より目立ちおって……!」、イワンは「凄い能力だな……。僕の能力とは大違いだ」と思っているのだろうな……。
セイバーはともかくイワン? お前はそんな目で俺を見なくてもいいと思うぞ? お前がこれから先、ヒーローとして活躍することを俺は知っているし、もう少し自信を持てって。
俺は心の中でイワンを応援すると自分の席にと戻っていった。
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