やおよろずっ!!
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狂った人形編
狂った人形〜マッドドール〜
前書き
この狂った人形、どっかで見たキャラに似てません?
なんとそのキャラを少し参考にしました!!
何かはメッセージで当ててみてください!!
今日二十一時ちょうど、ことは始まる。今日は五人の成人男性を相手に、
殺戮を開始する。
とある廃工場、一人の少年が歩いてくる。赤い髪、赤い瞳、普通の長袖のTシャツに普通の長ズボンだ。
しかし、その少年に表情はない。まるで、人形のようだ。何を隠そう彼は人形なのだから。
「やあ、いらっしゃい、狂った人形君。」
背中から羽根の生えた男が話しかける。
「よぉ、ルシフェル、今日は大人五人と聞いたが、」
「君もそろそろ子供や一人の大人じゃ物足りないだろう。」
「……違いない。」
そう言って狂った人形は不気味に笑をこぼす。
「じゃ、人払いの結界を貼るね。」
「さっさとな、」
そしてことは始まった。
「ギャハハハァ!! お前らどうやって殺されてぇ!? ミンチか!? 晒し上げか!?」
狂った人形は狂ったように笑う。無理もない。彼の表情は無表情と不気味な笑みと狂った笑み、その三つだけなのだから、
五人の男は少し引く。相手は何か変な攻撃をしてくるわけではない。最近あまり見ない黒曜石のナイフで切ろうとしてくるだけだ。なのに、自分の攻撃はよけられ攻撃される。
「おいおい、黙ってんじゃねぇよ……、それともあれですかぁ!? 降参ってやつか!? クカカ……甘ったれてんじゃねぇよ!! 何もしなかったらお前らの死ぬ確率が増えるだけだぜぇ!? オラ! もっと楽しませろよ!!」
その言葉に少しの希望を乗せて男たちが走ってくる。
その光景を見て狂った人形は笑う。
「ガヒャヒャヒャァ!! やっぱそうじゃなくちゃなぁ……楽しいなぁ……ほんっとうによぉ!!」
彼もまたナイフを構え応戦する。見た目はひょろひょろだがその動きには隙がない。
「イヒヒ……逃げ足の速い奴らだなぁ、けどよぉ!!」
少年は高く飛び逃げようとする男の前に立つ。
「残念、俺も速さには自信があんだよ……」
少年は黒曜石のナイフを構え、
『グハァ……』
男の腹に突き刺す。すると腹から血がにじみ出て口からも血が流れる。
「アハッ、アヒャヒャヒャヒャア!! スゲエ血の量だぁ……」
少年は手についた血を舐める。その姿はまるで殺人鬼、
「さぁて……」
少年は首だけを不気味に回し不気味に笑う。
「次は、どいつだぁ……?」
「用事ってなんなのー?」
「姉さんに呼ばれて来たけど、なんだ?」
場所は天万の住む団地の前、俺達はカバンの神、ランドと合流した。
「よく来てくれた。簡潔に言うぞ。俺に協力してくれ。」
「協力って、まさかお前……」
ランドは悟ってくれたようだ。マッチョはことをカバンの神に教えている。
「でも、無謀じゃないか? 相手はプロの殺人鬼だ。」
「でも、完璧な中に必ず穴はある。そこをうまく突けば……」
それと重要なことをカバンの神に聞いておく。
「なあ、カバンの神、お前は何か特別な力があるか?」
そう聞くとカバンの神は誇らしげに笑う。
「私は結構優秀だからー、カバンにだったらなんでもできるよー。」
「カバンを硬化させることは?」
「楽勝ー!」
これでかなり勝率があがる。攻撃も完璧、防御も完璧、後は相手の動きをなれるまで見ることだ。
時は二十一時ちょうどくらい。
「よし、行くぞ! ランド、案内してくれ。」
「いいぜ!!」
この戦いは人間の俺が勝って意味がある。なぜかそう思ってしまった。
『うう……助けてくれぇ……』
場所は戻って廃工場、男の助けを求める声が聞こえる。
そこに不気味に笑った少年が歩いてくる。
「後はお前だけか……ヒヒヒ、楽しませてくれよぉ……」
赤い悪魔が近づいてくる。追い詰められた男はただただ震えていた。その時だった、
「狂った人形ちゃーん。」
ルシフェルが入ってきた。
「何だルシフェル、邪魔すんじゃねぇぞ。」
少年は威嚇するように言う。それを見て堕天使は言った。
「もうすぐで乱入者が来るからよろしくー。」
「……ヒャヒャヒャ、何ですかぁそんな面白そうなのはぁ!?」
「たぶん彼らはこれまでのやつと違う、気をつけるこった。」
「いいぜぇ! いい加減飽き飽きしてたんだよ……一方的に殺すのはなぁ……」
「本当に君って殺人鬼の鏡だよね。」
「あん?」
「来たようだよ。じゃ、また人払い展開しとくね。」
「ケッ、結界解いてたのかよ……」
そのあと少年はまた笑う。
その赤い瞳の先に一人の少年の姿が見えた。
俺は今、赤い悪魔と対峙していた。
見た目は細身のか弱そうな少年だ。しかし見た目とは裏腹に約七百人もの人を殺している。
相手が口を動かした。
「よぉ、わざわざ死にに来て、ご苦労なこった。」
怖いセリフであるがその表情は無表情だった。
「よお、殺しに来たぜ。狂った人形。」
俺も負けじと言い返す。しかし本当は恐怖でどうにかなりそうだった、策はあってもこう目の前で見ると恐怖を感じる。
「ははん、口だけは達者だなぁ……助けを求める準備はできたかぁ?」
「んなもんいらねぇよ。来いよスライム、潰してやるよ。」
挑発をしても表情は変わらない。挑発に失敗したかと心配するその刹那、
「あぁ、思い出したぁ、エヒャヒャァ……前世の時にやったゲームにそんなキャラいたよなぁ……確か、最低格の雑魚だったよなぁ……」
狂った人形は口角を吊り上げる。
「ああそうだ、雑魚の代名詞だ。」
俺もそれに賛同するように言う。
「クキャキャキャキャア!! 気に入ったぜぇ!! お前はゆっくりいたぶって殺してやるよぉ!!」
そう言って狂った人形は高く飛んだ。顔は笑っていたが挑発には乗っただろう。作戦その一は成功だ。
狂った人形はそのままナイフを構え重力に従い落ちてくる。そのナイフを、
カバンで防いだ。
「あん? なんだぁその硬ぇカバンは?」
ナイフは貫通しなかったがナイフも無傷だ。相当硬いナイフなのだろう。
作戦その二まず逃げる。
俺は全力で駆け出した。
「あぁん? そこまで大口叩いて逃げるのかよぉ……いいぜぇ! 逃げろ逃げろぉ!! 命があるうちになぁ!!」
やつがあんな性格で助かった。ここは廃工場だ。なにか役に立ちそうなものくらいあるだろう。
そこで俺はある物を見つける。あれは、建物を壊すための鉄球だ。
「おいマッチョ! 筋力を上げてくれ!」
『了解! 上手くやれよ!』
俺の上腕二頭筋にいるマッチョが声を出す。
なんか力がみなぎってきた気がする。
今なら、いける!!
俺は鉄球を持ち上げた。
そして声を張り上げる。
「おいスライム! ここだ! 早く来い雑魚!!」
「来たよぉ!! 死にたがり……ああ?」
(よし、気づいてない。)
ここは暗い。俺も暗い服装だから目立たなくなっている。やつは見た目が派手なので一目瞭然だ。
「こっちだのろま!!」
俺は鉄球を投げつける。しかし、
「いいぜぇ! おめぇおもしれぇよ!! ギャハハハァ!! でもおれがそれをよけられないとでもおもったかぁ!!」
狂った人形はそれを間一髪でかわす。でも元々当てる気はない。これで奴の視界は奪われたはずだ。その隙に後ろに回って、
「おい、」
声をかけて肩を叩く。
「ああん?」
狂った人形が振り向く。そしてその頬に全力で
「! てめ、グハァ!!」
拳を叩き込んだ。
狂った人形は大げさに飛ばされ地面に叩かれる。
「ハ、ハハハァ……? 何だこれ痛え、」
狂った人形が頬をさすりながら起き上がる。
「俺に攻撃を入れた奴はお前が初めてだぁ……ハハ、ハハハ……」
俺は何も言わない。ただただ第二波に備える。
「なんだお前ぇ? クキ、クキキ……いいねぇ、お前スゲェよ。」
「……ありがとよ。」
「礼なんざいらねぇ……お前はここで死ぬんだからよぉ!!」
そう言って狂った人形はナイフを構え凄まじい速さで突進をしてくる。
しかし、速いだけで動きは単純だ。
ナイフをカバンで弾く。
そしたら相手の顔面が剥き出しになる。後は簡単だ。それを……
「っ!! グビャァ!!??」
思いっきり殴りつける。
狂った人形は再び地面に叩かれた。
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