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MS Operative Theory

作者:ユリス
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第五世代MS③

———第五世代MSと、近代改修第二世代MSの優劣——

 開発時期や開発に至る背景が異なるため、第五世代MSと第二世代MSを比較する意味は少ない。そのため、ここでは第五世代MSと近代化改修が施された第二世代MSが並存していたU.C.0120年代を例にとって、その性能差を開設する。

 結論から言うと、近代化改修がなされていたとしても、第二世代MSと第五世代MSの間には越えられない壁が存在する。制式された時期に30年以上の差があるだけではなく、両世代が共に「主力機」として設計されたことからも考えても、第五世代MSの優位性は確実である。

 これは第三世代MSや、第四世代MSの様な生産性を度外視した高性能機ではなく、第五世代MSが次期主力兵器として誕生したことが最大の理由と考えられる。


➀攻撃力

 第五世代MSの主兵装は、第二世代MSと同じくビーム・ライフルとビーム・サーベルである。だが、第五世代MSの開発によって、より高い火力を持つビーム・バズーカやビーム・ランチャーが実用化されたため、総合的な火力では第五世代が勝っている。


➁防御力

 ビーム・ライフルの直撃に耐えるだけでなく、ミサイルなどの実体弾兵器も完全に防御するビーム・シールドの存在は、第五世代MSに絶対的な防御力を付与している。第五世代は小型化により本体の装甲が薄くなっているが、素材加工技術の向上により、防弾性の低下は見られない。


➂機動性

 この場合の機動性とは、移動能力や展開能力を意味する。初期型の第五世代MSと第二世代MSとを比較した場合、第五世代MSの方がわずかに有利なだけだが、U.C.0150年代に出現したミノフスキー・クラフト系飛行・推進システムなどにより、総合的には第五世代が優れることになる。


➃運動性

 運動性は機敏な動作や占位能力を指し、白兵戦を主とする汎用MSには不可欠な能力である。推力重量比が高く新型推進機構を持つ第五世代MSは、第二世代MSなどに比べ格段に高い運動性を持つ。小型化により推進剤量が減少しているが、全備重量が二分の一以下であるため必要とする推進剤の量も少なくなっている。


➄サイズ

 第五世代MSは第二世代MSに比べ、平均して3mから5m以上も小さい。機体サイズは被弾率に直結するため、第五世代MSの方が有利である。機体の小サイズ化はペイロードの低下を招くが、推進剤量が少なくて済むほか、兵装の火力も向上しているため、これも大きな問題とならない。


➅コスト

 第五世代MSは、調達価格の抑制を求められた機体であるため、コストパフォーマンスに秀でている。第二世代MSも比較的安価な機体であるが、近代化改修やパーツ調達体制の維持などにコストがかかるほか、近代化改修以前に当たるU.C.0080年代の相対的な調達コストでも優位性はないと考えられる。



——第五世代MSの武装——

 第五世代MSは汎用機であるため、第二世代MSなどの武装や装備も使用できる。更に、関連技術の向上や運用する組織の政略環境により、第四性大以前では見られなかったオプションも誕生し、第五世代MS用の装備には多数のバリエーションが誕生することとなった。


■主兵装⁄特殊兵装

 第五世代MSの主兵装はビーム・ライフルとビーム・サーベルであり、第二世代MSと同じである。だが、小型かつ高出力なビーム兵器や特殊な兵装が用意されるケースも多かった。


▼大出力ビーム兵器

 かつては複数のMSで運用していたメガ・ランチャーも小型化が進み、ビーム・バズーカやメガ・ビーム・ライフルなどもビーム・ライフルと同程度のサイズにまで小型化が進んでいる。


▼特殊兵装

 コロニーへの被害を軽減させるCVのショット・ランサーや、敵機の捕縛と電子機器の破壊を目的としたベスパのビーム・ストリングスなどが、第五世代MSの特殊兵装である。


■防御兵装

 ビーム・シールドは、被発見率の上昇や電子機器への悪影響を嫌う偵察型を除いた大半の第五世代が装備する。ビーム・ライフルでは貫通不能な防御力を持つビーム・シールドは、第五世代MSに絶大な防御性能を与えたほか、大気圏突入能力をも付与しており、単純な防弾性の向上だけでなく、運用柔軟性の拡大にも貢献している。





補足事項

——消えたサイコミュ搭載機——

 AMX004(キュベレイ)の登場以降、サイコミュまたは準サイコミュを搭載した数々の機体が実戦に投入されている。しかし、第五世代MSではサイコミュを搭載した機体は知られていない。

 だが、機体制御系サイコミュに代わるニューロン(バイオ)・コンピューターやラフレシアのネオ・サイコミュ、ベスパ系MSの特殊兵装など、サイコミュと思われる技術が使用されている。


➀ミノフスキー通信を利用した遠隔操作

 LMのヴィクトリー系MSでは、分離した上半身や下半身を遠隔操作するという戦法が採られることがあった。これらはミノフスキー通信を利用したもので、制御にはニューロン(バイオ)・コンピューター関連技術が用いられたとも言われる。


➁有線⁄無線制御式兵器

 ベスパでは、サイコミュ制御式有線ビーム砲やファンネルなどの無線攻撃端末に類似した兵装を持つ第五世代MSが実用化されていた。こうした兵装とサイコミュの関連性は不明であるが、精神波(脳波)制御された可能性が高い。

 
 

 
後書き
次回 フォーミュラ計画 
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