MS Operative Theory
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第五世代MS②
——第五世代MSの必要性と進化——
第五世代MSが誕生した理由として、第三世代MSに見られるMSの高性能化に伴う機体の大型化が挙げられる。第1次ネオ・ジオン戦争が終結した後、MSはその原点である「白兵戦用機動歩兵」へと回帰した。
だが、それでもU.C.0080年代には18m程度のサイズしかなかったMSはU.C.0090年代になると20m級へと大型化することとなった。これ以上の大型化は基地施設や艦艇の大型化などを招き、それは地球連邦の財政を圧迫することは確実であった。
そうした状況の中、サナリィがU.C.0102に地球連邦に対して行った「MS小型化宣言」により、AEによるRGM-109(ヘビーガン)の開発やサナリィの「F計画」更に、AEから流出した技術を取り入れたと思われるブッホ・エアロダイナミックス(ブッホ・コンツェルン)がデナン・シリーズを開発している。こうして第五世代MSの技術は各企業、組織によって別々に培われることとなった。そして「F計画」のF90及びF91や、ブッホ・エアロダイナミックスのデナン・シリーズの完成を持って真の意味での第五世代MSが誕生したのである。U.C.0120~0130年代においていったんの技術的完成をみた第五世代MSは、U.C.0140年代末期以降、ベスパやLMによる変形機構、ミノフスキー・クラフト系機構の装備によって更なる進化を遂げている。しかし、一部の試作機を除き15m級のサイズを維持しており、かつてのような高性能化が引き起こす機体の大型化は見られない。
——第五世代MSの条件——
AMX-102(ズサ)のように単純にサイズが小さいMSも存在したため、第五世代MSの条件は「小型」と言うだけではない。また、第五世代MSはU.C.0100年代からU.C.0150年代にわたって開発され続けているため、この時代に開発されたMSはほぼ全てが第五世代MSに分類されるというだけではなく、必ずしも下記の条件を満たしていない場合があるため注意が必要である。
➀頭頂高15m級の機体サイズ
第五世代MSの第一条件は、機体サイズが15m程度までコンパクト化されていることである。基本構造は第二世代と同じムーバブル・フレームを開発していることが多いが、新素材や加工技術の発展により、フレームが細くても十分な耐久性を持つ。
➁新型核融合炉の搭載
ヘリウム3、または水素と「負(マイナス)」のミノフスキー粒子を縮退状態の擬似原子として維持する2基のIフィールド・シリンダーと、反応チャンバーからなる新型核融合炉を装備する。この融合炉は高出力でありながら小型化が容易という特徴を持つ。
➂新たな複合素材と素材加工技術
ガンダリウム合金やネオ・チタン合金などのチタン系合金とセラミックの複合材を装甲材や構造材に使用する。これはマイクロハニカム技術などの新加工技術によって、それ以前の複合材を超える耐久性を持つため、MSの小型化には必要不可欠なものとなっている。
➃絶対ではない条件
第五世代MSの代表的な装備であるビーム・シールドだが、偵察用MSなどでは被発見率を低下させるために搭載されていない。そのため、ビーム・シールドの装備は絶対に必要な条件ではない。また外装型ジェネレーターも、U.C.0150年代の機体では見られないケースもある。
———第五世代MSの特徴的装備・機構——
第五世代MSは、シルエットこそ第一、第二世代MSに似ているが、機体構造や装備などに違いがみられるケースもある。これ以外にも、ビーム・シールドや新型核融合炉⁄ジェネレーターなどの新装備も施されており、単なる機体の小型化だけではないことも重要である。
■新型センサー
CVのハイブリッド・デュアル・センサーやベスパのデュアル(マルチ)・センサーなど、旧来のモノアイやカメラ・アイを上回る立体解析能力持つ並列センサーが装備されている。ガンダム・タイプMSのセンサーも、旧来のモノとは異なる。
■小型ボディ
マイクロハニカム技術や新複合材、MCA構造などの採用により、強度を維持したままフレームの小型化が可能となった。その結果、MS本体も15mクラスまでコンパクト化された。
■ビーム・シールド
第五世代MSの代表的な装備として知られる。ビーム・サーベルを面として展開したもので、ビームだけではなく実体弾兵器に対しても高い防御力を発揮する。これにより、第五世代MSはビーム兵器に対する絶対的な防御力を獲得した。
■新型核融合炉⁄ジェネレーター
反応チャンパーと2基のIフィールド・シリンダーから構成される新型核融合炉⁄ジェネレーターを装備し、安定した大出力を発揮する。ジェネレーターを装備し、安定した大出力を発揮する。ジェネレーター部分は、バックパックなどの一部として外装する場合も多い。
———第五世代MSの性能傾向、特徴——
➀突出したパワーウェイトレシオ
第五世代MSは10t以下という本体重量である半面、第四世代MSに匹敵するジェネレーター出力や推力を有しており、出力(推力)重量比が突出して高くなっている。これにより運動性や機動性に優れ、第四世代以前のMSでは第五世代MSを補足することは困難である。
➁汎用性の維持と拡大
第五世代MSは、第二世代MSと同じく「白兵戦用機動歩兵」としてだけでなく「汎用MS」としても特性を持つ。本体の小型化に伴いマニピュレーターも小さくなったが、重機としても運用可能なほか、旧世代MSの武装も装備、使用できる。
——15m級の機体と、MSとしての威力——
15m級の第五世代MSは第四世代以前の機体と比較して、頭頂高で3mから5m程度の差がある。また、それに合わせて胴体や四肢も小型化されたため、両者を比較すると第五世代MSが機体のサイズの面で見劣りする。
しかし、ジェネレーター出力と推進力、さらにパワーウェイトレシオに勝る第五世代MSの方が実戦では圧倒的な戦闘力を発揮する。
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