ハイスクールG×D 黄金に導かれし龍
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第23話
ヴァーリの放った魔力弾がサーゼクスの妹と確かレイナーレとか言う元堕天使で赤龍帝の女と赤龍帝を飲み込んだ。たぶん、死んだだろう。オレでもアレを食らって生きていられるとは思わねえ。これが小宇宙の力かよ。かつての世界とその前の世界では神々すらも操り、天変地異を引き起こす程の力を秘めている物。あんな物をヴァーリが手に入れるのは想定外過ぎた。先程ハーフヴァンパイアに聞いたんだが、聖闘士の双葉もオーフィスに目をつけられて何処かに行ってしまった。こりゃあ、腹をくくるしか無いか。
そう諦めていたのだが、爆煙の中に黒い影を見つけた。少しずつ煙が晴れていき、その姿がはっきりと見える。俺の知っている姿とは違うが、どことなく似ている。全身が赤く、所々に白いラインが入った鎧。そしてどことなく双葉が纏っていた黄金聖衣と意匠が似ている。そして何より赤龍帝の気配が変わった。悪魔の気配が薄くなり、龍の気配が恐ろしく濃くなった。アレは一体なんだ?
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魔力弾が命中する直前に黄金の欠片が宝玉に混ざり、融合が一気に加速した。そしてオレが赤龍帝の篭手を初めて発動した時に入った精神世界にオレは立っていた。目の前にはドライグが疲れた顔でオレを見ている。
「よう、ドライグ。調子はどうだ?」
『最悪だ。色々と混ざってオレがオレでないようだ。だが、この光景を見ればまた変わってくる』
「光景?」
『お前の後ろにはっきりと星々が、宇宙が見える。おそらくはオレも小宇宙に目覚めたのだろう。そしてお前も禁手化に至った。亜種だがな。アルビオンと、あの欠片が原因でな』
「何か問題でもあるのか?」
『どのような力を持っているかオレにも分からん。だが、今よりは勝機が見えるはずだ』
「なら問題ねえよ。いつまでも倒れっぱなしも、頼りっぱなしもお断りだ!!」
『オレはどうなんだ?倍化の力はオレの力だぞ』
「関係ねえだろ。なんせオレとドライグは一心同体なんだからよ」
『それもそうか。ならば一誠よ何処までも共に行こうぞ』
「おうよ、禁手化!!」
精神世界から戻ってくると同時に赤龍帝の篭手から音声が発せられる。
『Welsh Dragon Balance Breaker!!』
赤龍帝の篭手に集っていた小宇宙がオレの全身を覆う様に広がり、残っていた鋼鉄聖衣をも取り込んで赤い鎧を創造する。
魔力弾の迎撃も回避も間に合わないと判断して部長とレイナーレの前に立って盾となる。命中した時に衝撃が来たが、それ以外は何も身体に異常が見当たらない。これが赤龍帝の篭手の禁手化の亜種の力なのか?煙が晴れていく中で全身を見渡す。赤龍帝の篭手と今まで装着していた鋼鉄聖衣の意匠が混じり合って全身の鎧を形成しているようだ。胸の中央には金色の宝玉が付いていて、これが核である事が分かるが、最も硬い部分も此所であると感じる。
「『赤龍帝の聖衣と言った所か』」
オレの口からドライグの声がする。いや、どちらかと言えばオレとドライグが文字通り一体化したと言った所か。ドライグが考えている事も記憶も見る事が出来る。そして歴代の赤龍帝だった人達の記憶も。
「イッセー?」
頭を抱えて伏せていた部長が顔を上げてオレを見て来た。
「『部長、すぐに終わらせて来ます』」
小宇宙を左腕に集中させ、歴代の赤龍帝で魔導士だった先輩が使っていた瞬間移動の魔法の記憶を呼び出し、ヴァーリの背後を取る。
「何!?」
今度は格闘技を極めていた先輩の記憶から最も有効的な突きの技を呼び出してヴァーリを背中に叩き込む。倍化の力を使う必要は無い。オレの肉体はドライグが神器に封じられる前とほぼ一緒だから。そして小宇宙はオレとドライグの一人と一匹分に膨れ上がっている。オレの拳はヴァーリの羽を、鎧を、そして肉体を砕く。
「ぐはっ!!」
地面に叩き付けられたヴァーリは気を失ったのか、鎧が消え去る。そこでオレの方の限界も訪れ、地面に落ちながら気を失う。
目を覚ますと、見覚えの無い天井が見える。ここは、何処だ?
「イッセー!?目が覚めたのね!!」
ドアが開く音が聞こえ、そちらの方に顔を向けると部長が驚いた顔をしていた。
「よかった。本当によかった」
そのままベッドに寝ているオレに抱きついて泣き始める。
「すみません、部長。状況が飲み込めないんですけど」
部長が落ち着く前にレイナーレもやってきて、やっぱり抱きつかれて泣かれた。それからしばらくして二人とも落ち着いてからあの後どうなったのかを聞いた。
簡単に纏めると、オレがヴァーリを倒した後、ヴァーリは仲間の孫悟空の子孫である美猴という人が連れ帰ったようだ。それから襲って来たのは『禍の団』と言う組織だったらしい。あれ?それってミルたん達が戦ってた悪の組織じゃなかったっけ?アザゼルさんやサーゼクス様が言うにはかなり戦力が少なかったと言っていたらしいからやっぱりミルたん達と戦っていた組織だと判断する。
それからギャスパーは部長の元に戻らず聖闘士に保護される事にしたそうだ。部長の元が嫌という訳では無く、あの事件の時に停止世界の邪眼を発動させられていた赤ん坊を自分で育ててあげたいかららしい。同じ停止世界の邪眼を持つ者どうしの苦労や付き合い方を傍で教えてあげたいのだそうだ。それから故郷に居る自分の逃がしてくれた幼なじみの保護を目標に小宇宙の鍛錬を続けるそうだ。それら全てが終わった時に、再び部長の眷属に戻るのだそうだ。
オレはあれから一週間の間生死を彷徨い、峠を越えて3日経った今日、ようやく目を覚ましたのだそうだ。ついでに言うとまだしばらくは検査入院しなければならないらしい。もうすぐ終業式なんだが、出れそうにない。更にオレの身体は禁手化の影響なのか、悪魔よりもドラゴンに近い身体になったそうだ。オレの意志と魔力を込めれば部分的にドラゴンの様になる事も出来るらしい。おかげで光に対して耐性が尽き、龍殺しに対して弱くなったみたいだ。
そして、双葉はオレよりも酷い重傷を負って2日前に帰って来たそうで、現在は治療中らしい。双葉は停止世界の邪眼を使わされていた赤ん坊を保護した後に現れた世界で2番目に強いオーフィスと呼ばれるドラゴンと戦い、手傷を負わせて逃げ帰って来たのだそうだ。あの双葉が倒せない相手が居る事にオレは驚き、他のオーフィスを知る者達は8日間もの間戦い続けていた上に手傷を負わせた事に驚いていた。相手は無限の龍神。その名の通り全てが無限である存在だ。攻撃力や防御力も桁外れで、魔王様達ですらダメージを与える事が出来ないのだそうだ。
最後にドライグなのだが、精神世界に潜ってみた所、寝ていた。叫ぶと少しだけ起きてくれて疲れたから当分起こすなとの事だ。一応倍化の力はオレの意志で使えるらしい。まあ、ドライグと文字通り一心同体になっちまったからな。とりあえず、夏休みに入って双葉の傷も癒えた頃に一度手合わせしてもらうかな。
しばらくお世話になるベッドに身体を預けて眠る事にする。さすがにまだ疲れが取れていないからな。
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あれが無限の龍神の、世界2位の力ですか。前世でのハーデス達、神々の力を思い出します。私は弱くなった物ですね。手傷を負わせるだけで精一杯でした。鍛え直す必要がありますね。何よりも強くなくては中立を保つ事などで来ませんから。イッセーはもう一人でも大丈夫でしょう。黄金聖衣の欠片を取り込んで赤龍帝の篭手が進化した鎧、赤龍帝の聖衣があれば問題無いでしょう。黄金聖闘士でも上位の戦闘能力を手にしたみたいですから。これで私は自分の事に専念出来ます。イッセー、力を振るう先だけは間違えないで下さい。私は貴方を撃ちたくはありませんから。
後書き
ちょっとハイスクールD×Dで木場君に憑意する話を思いついてしまった。
浮気しちゃおうかな?
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