転生者が歩む新たな人生
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第42話 修学旅行-3日目-その2
前書き
お久しぶりです。
少しは新しい仕事になれてきたのでぼちぼち更新していきます。
さて、木乃香と2人で向かったのは関西呪術協会の総本山ではなく、京都神鳴流の本部だ。
一応そこそこ腕に覚えはあるが所詮は9歳児。数で攻められたらどうしようもなくなる。ましてや敵勢力にはフェイト=アーウェンクルスという難敵もいる。
なのでまぁ、知り合いに協力を得ようと考えたのだ。
木乃香は当主である鶴子さんの姪---鶴子さんは詠春殿の妹---なので、力になってもらえるんじゃないかな。
一応神鳴流の助力は得られた。
鶴子さんと木乃香の会話時---木乃香が最初、鶴子さんをおばさま呼ばわりしやがった---にかなり冷や汗をかかされたが。
ちなみに鶴子さんをはじめ神鳴流の幹部の方には既に今回のネギの密使の件と親書という密書の内容は、ばれている。
それとなく聞いたら意外と明快に答えは返された。
すなわち「今回の件に神鳴流は関わらず、なおかつこの密書の内容を関西呪術協会が「是」とするならば、国外勢力である「魔法使い」に日本を蹂躙されるので関西呪術協会から距離を取る」とのことだ。
神鳴流は京都ひいては日本を守る退魔の剣。
「魔法使い」に膝を屈す関西呪術協会にはつきあえんということらしい。
詠春殿も元は神鳴流の剣士なのにどうしてこうなってしまったんだろう………。
☆ ★ ☆
鶴子さん以下神鳴流の幹部ら数人に連れられ、関西呪術協会の総本山へ向かう。
さすがにこの囲いを破って木乃香を誘拐するような無謀なチャレンジをされることもなく無事に総本山へ到着した。
木乃香に会えて嬉しいのはわかるけど、身内扱いしているのかもしれないが、神鳴流の方々を放置して木乃香との再会を喜んでいるのは、組織の長として駄目なんじゃないかな、詠春殿。
最初は微笑ましそうにしていた方々もちょっとイラッと来ている感じですよ。
とりあえず、念話を使って木乃香の方から詠春殿から離れるように指示をする。
………、気まずい。
木乃香が離れたことで今の状況を認識したのか詠春殿は乾いた笑いで謝罪し、各々部屋へと促す。
木乃香は詠春殿の所に残り、オレは神鳴流の方々と同じ部屋へと通される。
木乃香にはつらいだろうが、今回、詠春殿の側で一部始終を見届けることになっている。
木乃香の心情的には父である詠春殿に話し、関係をどうにか改善したいんだろうが、彼の今までの行動を見る限り無理である。
今回の件をリークして無難に収めることはできるかも知れないが、所詮今回限り。彼では結局関東魔法協会理事の近衛近衛門に対し、対等に会話ができない。
だからダメなのだ。
それを納得してもらうためにもつらかろうが木乃香には今回の件の一部始終を見てもらうのだ。
「人が少ないですね………」
おっ、と物思いにふけってたら一緒にいる神鳴流の人に話しを振られた。
「そうですか? けっこう人の気配がするんですが」
「いや、暁君はあまりここに来たことが無いかも知れないがいつもはこの2~3倍はいる」
「そうなんですか」
まぁ、あまりというか実は総本山に来た事なんて初めてなんですが。
「ここには自分に賛成する人しか残してないんやろうなぁ」
あぁ、そういうことか。密使がネギだから妨害や反対を恐れ、自分に従う人以外は何らかの理由をつけて一時的に総本山から追い出しているのか。
「お、なんか結界が張られたようだぞ」
感知が得意な人から総本山入口に何らかの結界が張られたことを教えられる。
………、ネギが来たかな?
スサノオを取りだし、結界の中へサーチャーを飛ばす。
他の人も興味があるだろうとサーチャーで取得した映像を空間ディスプレイ的なモノに映し出す。
今回使っているのはミッド式の魔法だけど、水晶や水鏡など同じようなことができる魔法は古今東西たくさんあるので騒がれることもなく皆が見る。
☆ ★ ☆
映し出された結界の中は無限にループするカタチの鳥居が続く参道だった。
その中をネギとその方に乗ったカモ、神楽坂と桜咲が走っている。
どうやら結界の性質に気付いたのか、横の竹林に突っ込んだり、空から脱出しようとしたり色々試している。
あ、なんか神楽坂が走り出した。
「元気やなぁ、あの嬢ちゃん」
「一般人や無いのか? えぇんかいな?」
思わず観戦している皆からほっこり苦笑いが。
「一応彼女はネギ・スプリングフィールドの従者となります」
オレがそう言うと「「「ほぅ」」」と剣呑な気配が流れる。
「まぁ、数ヶ月前は表の素人でしたが。つい最近仮契約してあの「闇の福音」とも戦っています」
正直に知っていることを伝える。「「「ほほぅ」」」と剣呑な気配は霧散し、面白がっている感じだ。
一連の報告書は中部魔術協会の方に上げているので、事の顛末は皆知っているようだ。
黙っているということもできたが、そもそもあの2人が関係を隠そうとしていないのだから、そんなことをしても無駄であるし、意味がない。
そうこうしているうちに何故か結界内にある休憩所で一息ついたと思ったら、なんか神楽坂が自分の能力を試しているのか、魔力を纏って道端にあった岩を砕いた。
まぁ、それなりに戦闘力があるみたいだ。
とまぁ見ていたら、蜘蛛の式神に乗って学ランを着た少年とフリフリの服を着た眼鏡少女がネギ達の前に現れた。
「小太郎か」「月詠か」
見ていた人達から声が上がる。
そう言えば小太郎は鶴子さんの直弟子---オモチャじゃないよ---だったなぁ。
なら、面識もあるか。もう1人の少女もどうやら神鳴流の剣士らしい。
そこからはもう一方的だ。
最初こそ神楽坂が持つハリセン---何故にハリセン?---が式神を還したが、あとはネギ&神楽坂の攻撃を小太郎が躱し、一方的に攻めるというか殴る。
神鳴流の格闘術を我流に昇華しているんだろう、1対2でも圧倒的だ。
桜咲の方は二刀流で神鳴流の技を使う月詠という少女に防戦一方だ。
技を見る限りそう差は無いようだが、如何せん桜咲の獲物が野太刀で二刀流の速度についていけていない。
を、ネギが殴られ続けた中でカウンター!
どうやら無理矢理魔力を纏って身体能力を上げたらしい。魔力だけはあるから効率が悪すぎる運用でもどうにかなるみたいだ。
うわ、『白き雷』か。ネギ最大の攻撃呪文だがさすがに小太郎は避けたらしい。
というか、あの程度の攻撃受けてたら、次の小太郎の修行は地獄を見るな。
ありゃぁ、自信があった攻撃だったのか『白き雷』をかわされて唖然としてるな。
うわぁ、容赦ねぇ。
ぼうっとしてたネギが小太郎にタコ殴りに。
うん、あれは一発入れられた八つ当たりだな。
子供か! と思ったけど、そういや小太郎は子供だったな。それじゃぁ、仕方ないか。
あら、いつの間にか宮崎登場。
なんか、本を開いてネギに指示を出してる。
あぁ、あれか。確か心を読むアーティファクト。
もうこれで宮崎はネギの従者認定だな。さすがにあんな姿を見せたらバレバレだ。
しかも小太郎が心を読まれているのに気付いてどう対処するのかと思ったら、単に攻撃速度を上げるだけでネギの反応が追いつかんくなってボコボコだし………。
無駄だったというか、宮崎のアーティファクトがばれただけというか。
うわぁ、良いのが入ったなぁ。アッパー気味にネギの顎に小太郎の拳が入り4mぐらい吹き飛んだな。
あぁ、どうやらネギは気絶したらしいな。纏っていた魔力が消えた。
勝負あったか。
ネギがやられたのに気を取られて桜咲も月詠に良いのを入れられたな。
まぁ、こんなもんか?
気絶したネギの上に宮崎が覆い被さり、その前に神楽坂がハリセンを構えて立ちはだかる。
ぷぷっ。
女の子2人が守っているせいで小太郎の奴、手をだせんでやんの。
おっ、結界が解けていく。
どうやら本山の術者がようやく外部から結界を解いたらしい。
小太郎と月詠は帰って行った。さすがに本山の人間とは戦う気はないらしい。まぁ、今回はネギの粘り勝ちか。
やれやれ。それにしても本山の連中、目の前で不審な結界が張られたというのに時間かかりすぎだろ。
て、結界が解かれたら何故か朝倉、綾瀬、早乙女がいるし。
うーん映像用のサーチャーを廻したから何を話してるのかわからん。
まぁ、ボコボコにされて大怪我してるネギに駆け寄って3人ともパニくってるようだが。
あ、朝倉がなんか桜咲の荷物から携帯を出してるな。
GPSかなんかか。
これは桜咲の大失態だな。
朝倉はともかく、綾瀬と早乙女は一般人だ。危うくネギ達の戦闘に巻き込むとこだったぞ。
どうやらネギは気絶したまま本山に入り、桜咲共々治療を受けるようだ。
密使---秘密の使者---のハズなのに全然秘密になってないな………。
後書き
原作との相違
・木乃香は暁と神鳴流の人達と本山へ
・刹那はネギとアスナと一緒に本山へ
・襲撃は刹那がいるので小太郎だけじゃなく月詠も
・神鳴流の格闘術の修行もしているため小太郎の実力が段違いに。結果ネギがボッコボコ。本屋ちゃんに心を途中で読まれても、その指示とネギの反応以上の攻撃速度で攻撃するので、ネギのボッコは変わらず
・結界は結局外部から本山の術者が解いた
・朝倉は関係者の内唯一本山行きから外されることになったため、宿を出る所から既に刹那の荷物に携帯を忍ばせGPSの機能で情報を収集。夕映とハルナが宮崎を探す時にそれとなく情報を流し、3人で本山に来た。
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