八条学園怪異譚
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第四十六話 秋のプールその一
第四十六話 秋のプール
次は中等部のプールだった、その場については。
愛実は部活の後かるたを収めつつ一緒にかるたをなおしている聖花に困った顔で話した。
「中等部、だからね」
「青木先輩ね」
「そう、あの人が通っておられたけれど」
だが、だというのだ。
「聞きたい?青木先輩に」
「愛実ちゃんと同じ考えよ」
聖花は愛実の今の話に彼女と同じ顔で返した、それはどうかというのだ。
「そのことについてはね」
「やっぱりそうなのね」
「お酒にセクハラだから」
それが茉莉也だからだ、会うのはというのだ。
「私最近特に脚をよく触られてるから」
「私は胸よ」
「セクハラがどんどん酷くなってるわよね」
「そうよね」
こう話す二人だった。
「だから今はね」
「お会いしたくないわよね」
どうかというのだ、二人は。
それでだ、愛実はこう聖花に提案した。その提案はというと。
「ねえ、今回はね」
「先輩とお会いせずによね」
「そう、中等部行く?」
「そうした方がいいかもね」
こう二人で話す、だがだった。
ここで二人の横からぬらりひょんがひょっこりと出て来た、それで二人にこう言ってきたのだった。
「ああ、それは無理じゃぞ」
「えっ、無理なの?」
「先輩抜きで行けないの?」
「もうあの娘は話を聞いておるぞ」
既に当人の耳に入っているというのだ。
「というか話を出したのはあの娘ではないか」
「ああ、そういえばそうだったわね」
「泉の候補地を出していったのは」
二人もここで思い出した、そういえばそうだったのだ。
それでだ、愛実は収めたかるたを整えながらこう聖花に言った。
「じゃあ今回もね」
「覚悟してよね」
「ええ、先輩と三人でね」
「行かないといけないのね」
「また随分と嫌そうじゃな」
ぬらりひょんは二人のあからさまに嫌そうな顔からこう指摘した。
「あの娘が嫌いか」
「嫌いじゃないけれど」
「いい先輩だおt思ってるわ」
二人はこう答える、だが茉莉也についてはこれで終わらないのだ。
「けれど大酒飲みで飲まれると絡んできて」
「しかもセクハラでしょ」
ぬらりひょんにもこう言う、お互いで話すだけでなく。
「だからね」
「ちょっと」
「昔はセクハラなんぞというところもあったが」
ぬらりひょんはほんの二十数年位前までの風潮を出した、その頃までは会社で女の子の尻を触ってもお咎めなしだったのだ、信じられないことに。
「女の子同士でもか」
「女の子同士だと逆に罪にならないし」
「しかも身体のことがわかってるから」
余計に、というのが二人の主張だった。
「ちょっと以上にね」
「困るのよ」
「あの先輩って本当に飲まれるとセクハラ全開になるから」
「完全に親父だし」
「普段でもね」
「結構触ってくる人だし」
そしてそれは二人に対してだけ向けられるのではなかった、二人は茉莉也についてさらに話していくのだった。
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