転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0443話
久しぶりに……本当に久しぶりに感じるグロウセイヴァーに満足しながら麻帆良の空を飛ぶ。視界に入るのはグレートグランドマスターキーを使って呼び出したと思われる無数の召喚魔に、墓守人の宮殿から落ちてくる瓦礫の数々。
召喚魔に関しては生徒達に被害を与えていないというのもあって、より危険度が高いのは瓦礫の方だろう。
「9ヶ月ぶりの操縦だからな。まずは肩慣らしと行くか」
武器ラックからガン・レイピアを取り出し、麻帆良へと降り注ぐ瓦礫へと狙いを付けてトリガーを引くと、銃口から放たれた細長いビーム弾がそれぞれに降り注ぐ瓦礫を消滅させていく。
「T-LINKシステム、フルコンタクト。……ファントムッ!」
クロノスから放たれた16機のファントムが空を縫うようにして飛び、召喚魔や瓦礫をレーザーで焼き尽くす。あるいは、レーザーブレードを展開しては家程の大きさもある巨大な召喚魔の頭上から降り注ぐ雨の如く貫き、消滅させていく。
「ふむ、こんなものか」
呟いた時、グロウセイヴァーのコックピットに見覚えのある顔が同時に映し出された。それも2つも。
「アクセル、遅いわよ。デートの時間を間違えたのかしら?」
いつものように蠱惑的な笑みを浮かべるレモン。
「アクセル、ようやく会えたな。グロウセイヴァーに乗っているという事は、既にマリューには会ったらしいが」
戦闘中という事もあり、獰猛な笑みを浮かべているがそれが素晴らしく良く似合っているコーネリア。
「ああ、2人共心配を掛けたな。だが詳しい話は後だ。今はちょっとあの墓守人の宮殿とやらに用があってな」
「……そう、分かったわ。でも、この騒動が終わったらゆっくりと話を聞かせて貰うわよ? 貴男がこの世界で何をやって来たのかについて」
「そうだな、特に女子中学校に入学したという辺りをしっかりと聞かせてくれると嬉しい」
……俺が3-Aに転入したと知っている? 近右衛門が俺を売ったな?
「一応それについては不可抗力であってだな」
「ええ、それは聞いてるわよ。何か10歳程度になってたんですってね」
「それにしては今のアクセルは私達と最後に会った時と何ら変わらないように見えるのだが」
「この世界に来てから色々とあったんだよ。それこそこの馬鹿騒ぎが終わったら話させて貰うさ。取りあえずここの事は頼んでいいんだな?」
グロウセイヴァーへと向かってきたガーゴイルタイプの召喚魔へと向かって頭部の横に付いているバルカンポッドで文字通りに粉微塵に砕きながら2人へと尋ねる。
「近右衛門とかいう学園長と簡単にだけど契約を結んだのよ。この事態を収めるのを協力する代わりに、ゲートを設置したあの丘を私達に無期限で貸し出すという風に」
「なるほど。まぁ、ゲートを設置した以上はそうなるだろうな。出来ればオーブの時みたいに合法的に俺達が取得したいものだが……学園という関係上それは無理か」
学園長とは言っても、その全てを近右衛門の強権で決める事が出来る訳ではない。特に麻帆良の土地の割譲ともなると、それこそ色々な面倒事があるのだろう。MMとかも出張ってきそうではあるがな。
「そういう事ね。でもその代わりに無期限で貸し出すんだから、実質的には割譲と同じような物と考えてもいいかもしれないわ。……さ、アクセル。ここは私達に任せて行ってらっしゃい」
「ああ、夫の帰る場所を守るのは正妻の役目だからな。ここは私に任せて貰おうか」
「ちょっとコーネリア。誰が正妻ですって?」
「ん? それはもちろん私の事だが?」
そんないつものじゃれ合いを聞きつつも、思わず苦笑を浮かべて2人へと笑顔を向ける。
「ああ、俺の帰ってくる場所はお前達2人……いや、3人に守って貰うさ。じゃ、行ってくる!」
レモンとコーネリアの2人にそう声を掛け、通信を切る。
同時に、フェイトと戦った時に消費したSPがほぼ全快状態になっているのを確認して口を開く。
「加速」
精神コマンドの加速を使い、クロノスの追加ブースターを全開にして麻帆良の上空に上下逆さまになりながら浮かんでいる墓守人の宮殿へと突入する。
「ぐっ! さすがに揺れるな」
エヴァに魔法を掛けて貰ったとは言っても、さすがにこの濃密な魔力帯を抜けていくのにはかなりの振動がある。だがそれも加速とクロノスの追加ブースターのおかげで数秒程度の時間だった。たったそれだけの時間でグロウセイヴァーは魔力帯を抜けて墓守人の宮殿への突入に成功する。
「っと!?」
上下逆さまになっている機体の状況を空中で整えて周囲を見回す……までもなく、先程まで俺がいた儀式場の近くでは激しい戦闘が行われている様子が見て取れた。
だが……
「何!?」
俺が麻帆良に戻る前は、デュナミスとクァルトゥムの2人だけが相手だったというのに、今はそれだけではない。風と水のアーウェルンクスに、フェイトの大人バージョン、フェイト少女バージョン、髪で顔を隠している女に、ラカンの如く筋肉がムキムキの男、格闘家風の男、長髪の優男風の男と、敵の人数が急激に増えている。
それでもまだネギ達が無事だったのは、それこそメギロートがそこまで粘ったおかげだろう。だがそのメギロートも、最後の1機が俺の目の前で複数の方向から放たれた雷系の魔法に貫かれ、その動きを止めていた。
確かにこのままでは拙かった。俺がここに到着するのが後数分遅れていればネギ達に壊滅的な被害が出ていた可能性は否定出来無い。だが……そう、だが。今の俺は既にここにいる。
「愛、直撃」
精神コマンドの愛と直撃を使用し、その右手にはハルバート・ランチャーを、左手にはガン・レイピアを持つ。同時にT-LINKシステムを通してファントムを全機発射。グロウセイヴァーの背後に28機ものファントムが浮遊する。そしてクロノスに折り畳まれているビームガトリング砲、リニアレールガン、ランツェ・カノーネ2本の砲門を展開する。
そのまま墓守人の宮殿周囲に浮いている岩塊へと姿を隠して影のゲートを展開、グロウセイヴァーごと影へと飲み込まれていく。そして出現するのはネギ達の影から。
「ネギ、それに他にも魔法障壁を展開出来る奴等は展開しろ、巻き込まれるなよ!」
足下で唖然としているネギ達へと外部スピーカーでそう通告し、目の前の完全なる世界の連中目掛けてトリガーを引く。
「時流エンジン、フルドライブ……喰らえ、フルバーストだ!」
胸部装甲からファイア・ダガーが発射され、左手に持ったガン・レイピアからは細長いビーム弾が発射される。右手に持ったハルバート・ランチャーからは複数の光線が発射され、クロノスから伸びたレールガンからは連続して弾丸が発射される。それと同時に数倍の密度を持ってビームガトリング砲からは細かいビーム弾がそれこそ雨の如く降り注ぐ。ランツェ・カノーネからは貫通力の高いビームが途切れる事無く発射され、最後にトドメとばかりに、グロウセイヴァーの背後に浮かんでいたファントムがレーザーブレードの牙を剥きながらT-LINKシステムで増幅された念動力により、俺の意志が赴くままに複雑な軌道を描きながら空中を走る。
まず最初にダメージを受けたのは火と風のアーウェルンクス、そして大人バージョンのフェイトだった。自分達の魔法障壁に余程の自信があったのか、あるいは魔法の力を盲信して科学の力を見下していたのか。とにかく自信満々で自分達に降り注ぐ多段頭ミサイルであるファイア・ダガーを特に何をするでもなく受け止め……否、受け止めようとしたのだが、直撃の効果によりその魔法障壁は効果を発揮する事無く無効化。同時に愛の中にあった必中と熱血の効果により、次の瞬間にはファイア・ダガーの爆発に巻き込まれ、身体そのものが破裂して『リライト』を使われた魔法世界の住人のように消えていく。
次に被害を受けたのは少女バージョンのフェイトと髪で顔を隠している女だった。目の前で為す術もなく消えた3人のアーウェルンクス達の姿を見て俺の攻撃が危険だと判断したのだろう。咄嗟に飛び退こうとしたが、その隙を与えずにガン・レイピアから幾筋も放たれた細長いビーム弾が少女バージョンのフェイトを一瞬にして消し去り、髪で顔を隠している女はハルバート・ランチャーから放たれた複数の光線によりこちらも一瞬にしてその姿を消滅させる。
水のアーウェルンクスはリニアレールガンから放たれた弾丸により一撃で胴体を撃ち抜かれて、こちらも次の瞬間には霞の如く消滅していく。
続いてビームガトリング砲から途切れる事なく放たれた細かいビーム弾が筋肉の男、格闘家の男、長髪の優男へと襲い掛かるが、この3人は何とかそのビーム弾を回避していく。……そう、それが3人を一ヶ所に纏める為のこちらの狙いだとも知らずに。そしてこちらの思惑通りにその3人が一ヶ所へと集まったその時、ランツェ・カノーネの砲門2門から連続して貫通力の高いビームが集中して放たれ、その姿をこの場から消滅させていた。
そして最後。俺の意志に従い放たれたファントムは、自分の仲間が目の前で一蹴された事に驚きつつも闇人形を作り出して自分に迫り来るファントムからの盾にしていたデュナミスへとその牙を剥き出しにする。
ただでさえ威力の高いファントムに、俺の精神コマンドでもある愛と直撃の効果が掛かっている為にその結果はまさに悲惨だった。ファントムの進行方向に現れた闇人形は濡れた新聞紙程度の役割も発揮せずにあっさりとレーザーブレードに貫かれ、あるいはT-LINKシステムにより伝えられた俺の意志に従って軌道を変えて闇人形を回避しつつデュナミスへと迫る。
「ぐぉっ、このままやられる訳には!」
そう怒鳴りながら数機のファントムを回避するデュナミスだったが、何しろファントムの数は全部で28機もあるのだ。そしてそれ等全てが俺の意志に従い上下左右前後と、あらゆる方向から複雑な軌道を描きつつデュナミスへと迫る。
また、ファントムはレーザーブレードの他にもレーザー弾の発射が可能であり、ある程度の距離を取ってデュナミスの回避可能な空間へとレーザー弾を撃ち込んでいく。
「ぬおおおおおぉぉぉっ!」
吠えながら闇を身に纏い、まるでパワードスーツのような状態になるデュナミスだったが……その闇を身に纏うというのが致命的な一瞬だった。動きを止めた一瞬を見逃す事無くファントムがレーザーブレードを展開したままその牙を突き立て、直撃の効果もあって闇のパワードスーツとでも言うべき物はあっさりと貫通され、デュナミスは四方八方からその身をレーザーブレードに貫かれていく。
「締めだ!」
そしてレーザーブレードを展開していなかったファントムが俺の意志に従ってあらゆる方向からレーザー弾を撃ち込み……その衝撃で巻き上がった爆発が消えた後には既にデュナミスと呼ばれるべき存在は消え去っていた。
肉片や血の類が残っていないのは、造物主の他の使徒のように完全なる世界に送られたからなのだろう。
こうして、造物主により復活させられた完全なる世界のオールスターメンバーとも言えるような面子は全て消滅したのだった。
そしてグロウセイヴァーの背後……というよりも、足下で余りに一方的な戦いのやり取りに唖然として声も出ない様子のネギ達をモニタで一瞬だけ確認してから視線を造物主の方へと向ける。
「残るのはお前だけだな」
両手に持っているガン・レイピアとハルバート・ランチャーの銃口を造物主へと向ける俺。そしてそれに反応するかのように造物主は手に持っていた鍵を一振りする。
……なるほど、あれがグレートグランドマスターキー。俺が手に入れるべき物か。
厄介なのは造物主を消滅させるレベルの攻撃を放つと、恐らくグレートグランドマスターキーすらも消滅してしまう可能性があるという事だな。
だが、次の瞬間に起こった事にはさすがに驚いた。造物主がグレートグランドマスターキーを一振りしたかと思うと、次の瞬間にはオスティアで巨大召喚魔にあっさりと倒された筈のヘラス帝国の守護神とも言うべき龍樹が姿を現していたのだ。
「シャギャアアアァァァァアッ!」
テスラ・ドライブを使い、雄叫びを上げる龍樹へと突っ込む。
何しろ今の位置だと足下にはネギ達がいるから迂闊に身動きが出来ないのだ。
「シャギャアアアッ!」
近づいて来たグロウセイヴァーを狙い、勢いよく振り下ろされる右手。その一撃はバーニアを噴射させて懐へと潜り込んで回避し、クロノスの追加ブースターを全開にする。
「アダマン・ハルパー、モードランス!」
グロウセイヴァーでも持つのがやっとという巨大な馬上槍へと姿を変えたアダマン・ハルパーを構え、龍樹へと突撃していく。
「加速!」
そしてさらに追加とばかりに精神コマンドの加速を使い、より速度を上げ……その馬上槍は龍樹の胴体へと巨大な穴を開けて貫通するのだった。
「仕上げだ!」
空中で上下逆さまに成りながら一回転し、クロノスから伸びているランツェ・カノーネの砲門2本を伸ばして発射。その砲口から吐き出されたビームは、龍樹の胴体を貫通した穴へと着弾して上半身と下半身へとその巨大な身体を分断する。
「アダマン・ハルパー、ナインテールモード!」
叫びつつ、9条の鞭と化したアダマン・ハルパーを振り下ろす。
「シャギャアアアアアアッ」
雄叫びを残しながらも、他の完全なる世界の奴等同様に龍樹は姿を消していくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:39
PP:105
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:410
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