MS Operative Theory
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サイコ・ガンダムの開発②
——MRX-009(サイコ・ガンダム)の開発——
U.C.0087初頭に実施されたMRX-008(サイコ・ガンダム試作8号機)の機動実験の失敗の後、ムラサメ研ではMRX-008の後継機に当たるMRX-009(サイコ・ガンダム)の開発が急ピッチで進められた。
サイコ・ガンダムは、MRX-007以前の機体をベースとした改修機とは異なり、ムラサメ研が独自に開発した可変フレームを基に、サイコミュと多数のメガ粒子砲の搭載を目指した新設計のマシンで、その設計思想は旧ジオン軍のMSN-02(ジオング)に近いものだったといわれる。
サイコ・ガンダムは、MRX-008で被験者の命を奪ったサイコミュ・システムの安定と、パイロットと戦闘強制システムとの同調を重視していた。
更に、フルサイズのサイコミュの搭載によって大型化した機体の機動性を確保するために可変システムとミノフスキー・クラフトを、そして防御力の向上のために重装甲化やIフィールド・ジェネレーターを装備するなど、最先端技術が投入された。
この結果、高度なニュータイプ能力を持つ強化人間フォウ・ムラサメ少尉を加え、U.C.0087,06,09、「強化人間を制御システムとした機動兵器」MRX-009(サイコ・ガンダム)が開発されることとなった。
——MRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)の開発——
サイコ・ガンダムで一応の開発を見たサイコ・ガンダムであったが、火力の向上、サイコミュ兵器の搭載など、より高い性能を持つ後継機の開発が進められた。これにより、サイコ・ガンダムの基本構造を受け継いだMRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)が開発されることとなる。
サイコ・ガンダムMk-Ⅱでは、サイコ・ガンダムに装備されていたメガ粒子砲に加え、機体各所に20基ものビーム砲が追加されている。
更にサイコミュ制御式の有線ビーム・ソードや、ビームを反射するリフレクター・ビットといった新型兵器が装備されるなど、あらゆる戦闘を想定した「ティターンズの切り札」として設計されていた。
また、これだけの重装備が施されているが、フル装備時の機体重量がサイコ・ガンダムに比べ100t近くも軽量化されたことで、機動性や運動性が向上するなど、サイコ・ガンダムの長所を受け継ぎながらも、短所を補った画期的なマシンとして完成した。
——サイコ・ガンダムの装備と戦歴——
サイコ・ガンダムとサイコ・ガンダムMk-Ⅱには、ミノフスキー・クラフトやIフィールド・ジェネレーターなど、それ以前のMRX系マシンや他のハイエンド機にも搭載されていない規格外の装備が多数装備されている。
通常のMSの倍以上のサイズと、8倍以上の容積を持つサイコ・ガンダム・シリーズだからこそ可能な装備であり、実戦において絶大な効果を発揮している。
——機体仕様——
■変形システム
実戦に投入されたサイコ・ガンダム・シリーズは、運動性の向上のために可変システムを採用している。サイコ・ガンダムの時点で可変フレームの基本設計は完成していたため、サイコ・ガンダムMk-Ⅱにもほぼ同じ変形システムが搭載されていると思われる。
■Iフィールド
メガ粒子ビームを遮断する、Iフィールド・ジェネレーターを標準装備。30,000Kwを超える出力を誇るジェネレーターを持つサイコ・ガンダムならではの装備と言える。
■ミノフスキー・クラフト
モビル・フォートレス形態時の移動方法にはミノフスキー・クラフトが採用されている。ホバリングも可能でサイコ・ガンダムのものは500t、サイコ・ガンダムMk-Ⅱに搭載されたタイプでは320t以上の浮力を発生させたと言われる。
■メガ粒子砲
メガ・コンデンサー直結の高出力メガ粒子砲を10門以上装備する。特に腹部の拡散メガ粒子砲は高密度のビーム弾幕を展開し、複数の目標への攻撃が可能である。ジェネレーター出力が高いため、連射してもパワーダウンしにくい点も特徴である。
■リフレクター・ビット
サイコ・ガンダムMk-Ⅱで初めて装備された、無線制御式サイコミュ兵器。それ自体に攻撃力はなく、自機が発射したビームを反射させることで疑似的なオールレンジ攻撃を可能としている。ビームの反射は、ピンポイントで発生させたIフィールドで行っている。ビーム・リフレクターは、連邦系組織が得意とする技術であった。
——戦歴——
現在、実戦への本格的な投入が確認されているMRX系列機は、サイコ・ガンダムとサイコ・ガンダムMk-Ⅱである(MRX-007(プロトタイプ・サイコ・ガンダム)とMRX-011(量産型サイコ・ガンダム)は秘匿された実戦で使用されたとの情報がある)。
実戦でのサイコ・ガンダムは、機動要塞としての能力を期待されていたようだが、大規模な開戦に投入される機会はほとんどなかったと言う。更に、パイロット兼制御システムとして使用された強化人間とサイコミュの同調が不完全であったために、性能を十分に発揮できないまま撃破されている。
それでも攻撃力と防御力は、通常のMSをはるかにしのぐレベルであったことは確かであり、最強の称号である「ガンダム」の名に恥じない機体であった。
■サイコ・ガンダム
1号機はU.C.0087,06,29、ニューホンコンでの戦闘に初めて実戦投入された後、同年7月のニューホンコン近海における戦闘で失われた。2号機は11月2日から3日にかけて行われたキリマンジャロ基地防衛戦に投入され、3日の戦闘で喪失。1号機の撃墜数は少ないが、2号機は大規模戦に投入されたこともあって多数の敵機を撃墜している。
■サイコ・ガンダムMk-Ⅱ
U.C.0088,01,25、アクシズ宙域での戦闘に初めて投入された。この戦闘でパイロットが暴走したため、戦果をあげることなく撃破された。10月30日には、破壊されたサイコ・ガンダムMk-Ⅱを回収・再生ネオ・ジオンが、ダブリンでの戦闘に投入。MSZ-10(ZZガンダム)と戦闘を行い、破壊されている。
——サイコ・ガンダムの組織を超えた影響——
一年戦争後、ガンダム・タイプMSをはじめとするRX系MSとMSN-02(ジオング)などの公国軍製サイコミュ対応MSの設計を統合する形でスタートした、ムラサメ研のサイコ・ガンダム開発計画は、MRX-009(サイコ・ガンダム)とMRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)の完成で一応の完成を見た。
以後は関連する技術のフィードバック、または簡素化によって機体のバリエーションが増やされる予定だったようだ。しかし、グリプス戦役でティターンズが敗北したことで、これらの技術は各研究機関の技術者たちの手によって、ネオ・ジオンなどに流出した。
この結果、サイコ・ガンダム用サイコミュやサイコミュ対応コックピット、小型⁄量産化プランはネオ・ジオン系列機に取り込まれ、新たな進化を果たすことになった。
■RX系列機をベースとした試作機
RX-78NT-1(アレックス)をベースとしたMRX-002(ニュータイプ専用プロトタイプ・ガンダム)や、RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)の機体構造を使用したMRX-007などのテスト機が開発された。サイコミュはジオングに使用されたものが基になっていると考えられる。
■サイコミュとコックピットを流用
サイコミュとそれに対応するコックピットを使用したことで、強い精神強化を施したロザミア・バダムの一時的な安定にも寄与した。サイコ・コントロール・システムも搭載されたとされる。調整はローレン・ナカモト博士らのオーガスタ研究所職員が行っていた。
■一般用サイコミュの搭載
サイコ・ガンダムMk-Ⅱの量産化プラン。30m程に小型化するとともに、一般用サイコミュを搭載する予定だった。生産はアナハイム・エレクトロニクス社に委託され、形式番号はMRX-011が与えられることになっていたらしい。
■機体の小型化
オーガスタ研究所の主導で進められていた。サイコ・ガンダムMk-Ⅱの小型化プランの一つだが、量産機ではなかったようだ。一般用サイコミュの搭載はMRX-011と同じだが、より小型化が進み機体サイズは20m級に抑えられている。秘匿名称は“G-V”AMX-014(ドーベン・ウルフ)の開発に影響を与えたと言われる。
■サイコミュとコックピットを改造
サイコ・ガンダムMk-Ⅱのデータを入手したネオ・ジオンが、コックピットとサイコミュを改装し、AMX-004(キュベレイ)に搭載した。この機体はAMX-004-3(キュベレイMk-Ⅱ)と呼ばれ、少なくとも2機が生産されている。2号機はサイコ・コントロール・システムを改良した、サイコミュ・コントローラーによって遠隔操作が可能であった。
■サイコミュの大幅な改良
キュベレイMk-Ⅱで実用性が証明されたサイコ・ガンダムMk-Ⅱの技術は、さらなる改良を加えられ、NZ-000(クィン・マンサ)に導入された。サイコ・コントロール・システムは、パイロットの負担を軽減したバイオ・コントロール・システムへと改良されている。
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