MS Operative Theory
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サイコ・ガンダムの開発①
——従来のガンダム系MSを上回る強化人間用の「悪魔」の誕生——
一年戦争の終結によって、ジオン公国軍が独占していたサイコミュや強化人間に関する技術が連邦軍へと流出した。これを受けた連邦軍は関連する研究機関をニュータイプ研究所(ニタ研)として再編すると共に、新たにニュータイプ研究所を設立した。
それらの研究所の一つに、ムラサメ博士を所長とするムラサメ研究所(ムラサメ研)がある。ムラサメ研は、ニホンのシズオカにあったといわれるニタ研で、旧公国軍のフラナガン機関の職員を受け入れ、その技術力を急速に向上させていた。
そのムラサメ研が開発した強化人間用兵器がMRX系列機、所謂「サイコ・ガンダム」シリーズである。
グリプス戦役に投入されたサイコ・ガンダム・シリーズ―――MRX-009(サイコ・ガンダム)とMRX-010(サイコ・ガンダムMk-Ⅱ)―――は、その名の通りサイコミュを搭載したガンダム・タイプの機動兵器として、当時の連邦軍の持つ最高の技術と装備を投入したハイエンド・マシンであった。
MRX系MSの開発は、ムラサメ研の発足とほぼ同時に開始されたといわれていることから、U.C.0080年代初期にはスタートし、強化人間の研究と並行して進められていたと考えられる。
当初、ムラサメ研には独自にMSを開発するノウハウが不足していたため、既存の機体を流用することで開発期間の短縮を図った。そのため、初期のMRX系列の機体の多くは既存のMSの多くを改装したものであったといわれる。
また初期のMRX系列機のベースとなった機体に、RX系列のMSが多かった理由は、「サイコミュ搭載型のガンダム」を開発するという目的のためと言われている。更に、ムラサメ研にガンダム・タイプの機体が優先的に供給された背景には、ムラサメ博士が軍部に強い影響力を持っていたからとされる。
ムラサメ研では、ガンダム・タイプだけでなく、他の研究機関が開発したMSや、ティターンズ主導で開発中だったMSなど、最高級の機体をベースにした超高性能マシンの開発が進められることになった。
最初期に開発されたMRX-002(ニュータイプ専用プロトタイプ・ガンダム)はRX-78NT-1(アレックス)をベースとし、サイコミュと計10基もの有線ビーム砲を搭載していたとされる。
このMRX-002とそれ以降の機体で得られたデータ、そしてティターンズで開発中だったRX-178(ガンダムMk-Ⅱ)を統合して設計されたMRX-007(プロトタイプ・サイコ・ガンダム)は、腕部有線ビームと新型サイコミュを搭載した、本格的な強化人間用マシンであった。
しかし、MRX-007は大型化したサイコミュを機体に内蔵できなかった。そのため、次のMRX-008(サイコ・ガンダム試作8号機)ではサイコミュを内蔵するために機体そのものが40mを超えるほど大型化したうえ、その巨体に充分な機動性をもたらすために可変システムが搭載されていたという。
しかし、MRX-008のサイコミュ・システムにはパイロットの生命を危険にさらすほどの欠陥があったため、システムの安定を目標にしたMRX-009、つまり真の「サイコ・ガンダム」が開発されることとなった。
補足事項
——サイコ・ガンダムの開発と強化人間——
ムラサメ研ではMRX系列機の開発と並行して、パイロットを務める強化人間の育成にも力を注いでいた。特に優秀な強化人間は、ナンバーを基にしたファーストネームと、「ムラサメ」の姓が与えられていた。
その中でも有名なものがサイコ・ガンダムのパイロットであったフォウ・ムラサメ少尉である。彼女の様に、ムラサメの姓を与えられた強化人間はほんの一握りで、大半の候補生は過酷な訓練やMS搭乗中の事故などで命を落としたといわれている。
「MS搭乗中の事故」には訓練中のアクシデント以外に、サイコミュが不安定だったMRX-007とMRX-008では、多くの候補生が実験中に命を失ったとされる。また、強化人間の候補生は、一年戦争で発生した戦災孤児である場合がほとんどだった。
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