ハイスクールD×D ~ もう一人の副会長は生徒会の切り札(ジョーカー)! ~
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第一話『駒王学園生徒会!』
俺の名前は進藤(しんどう)羅来(らき)。
この駒王学園の生徒会副会長兼風紀委員長をしている、今年十八になる高校三年生だ。そんな俺にはちょっとした秘密がある。
それは、俺が俗にいう『悪魔』という存在だということだ。
この世の中には人間とは違う超常の存在である者たちの三大勢力が存在する。
神の使命を全うする天界の戦士、『天使』。己の欲望により天から堕ちた存在、『堕天使』。そして人間を自分たちの勢力に取り込み、力を蓄えようとする闇に生きる存在、『悪魔』。
かつてこの三大勢力により大戦争が起き、そのせいで悪魔は自分たちの主である魔王(現在では旧魔王とも呼ばれる)を始め多くの同胞を失い、人口が激減してしまう。
それを解決するために、旧魔王の後を継いだ新魔王の一人である『アジュカ・ベルゼブブ』様により悪魔(イービル)の駒(ピース)が開発された。
このイービルピースとは、当時冥界ではやっていた人間界の遊びであるチェスの駒を模して造られており、駒を取り込んだ者を悪魔へと転生させる力を持つ。悪魔意外ならば死者を生き返らせる力もあるのだから流石は天才と呼ばれたアジュカ様の発明品だと思う。
現在冥界ではこのイービルピースを使って、優秀な存在を自らの下僕悪魔、『眷属』にすることが流行っており、優秀な眷属悪魔を持っていることは悪魔の社交界では一種のステータスとなったいる。
この眷属たちと共に戦う『レーティングゲーム』は、冥界で一番の人気スポーツとして扱われているほどだ。
俺はこのイービルピースを使って転生した、『転生悪魔』だったりする。
そして、この駒王学園は二人の上級悪魔が管理している学校であり、その内の一人が、俺の主であり、この学園の生徒会長なのだ。
あのエロ三人組を懲罰用竹刀『虎竹刀』(冥界で1920円で売ってる)でしばいた後、俺は自分の職場である生徒会室に無事到着した。
「すまない、遅れたか?」
生徒会室の扉を開くとそこには既に全員揃っていたので俺はとりあえず謝罪する。そんな俺をまず出迎えてくれたのは、俺の上司であり、眷属の王(おさ)である駒王学園生徒会長。そして元七十二柱の一柱の『シトリー家』の次期当主。『支取(しとり)蒼那(そうな)』、本名『ソーナ・シトリー』である。
会長は俺の言葉にほほ笑みながら首を横にふる。
「いえ、まだ始まったばかりですので。こちらこそすいませんね、羅来。面倒事を押し付けてしまって」
「いや、あいつらの相手は慣れてるからな。対して苦じゃないよ…まぁ、慣れて嬉しいもんではないのは確かだが」
「ふふ、それもそうですね」
会長と会話しながら席につくと、横から数枚の紙をまとめた書類の束が渡される。
「これが今日の会議の資料です」
「すまないな、森羅」
「いいえそれほどでも」とほほ笑むこの黒髪長髪の女性は俺と同じ副会長の『森羅(しんら)椿姫(つばき)』。神器(セイクリッド・ギア)『追憶(ミラー)の鏡(アリス)』を所有する我らがソーナ眷属の『女王』のランクを任されている眷属きっての技巧派でもある。
「でも先輩の竹刀を何度もくらってまだ続けるなんて、スケベ根性もそこまでいくと尊敬しちゃうかもしれないなー。ねえ、留流子?」
「え!ええっと……」
「はいはい、後輩を困らせないの」
この最初の台詞は、生徒会書記の一人『花戒(はなかい)桃(もも)』。眷属では『僧侶(ビショップ)』のランクを担当しているお調子者で、その花戒の言葉に困った様子を見せているのが『仁村(にむら)留流子(るるこ)』。生徒会唯一の一年生で、庶務。眷属では『兵士(ポーン)』を担当しているまだまだ経験が足りないけれど、体術方面になかなかのセンスを見せている今後の成長が楽しみな存在だ。
そして花戒をいさめているのが、生徒会会計である『佐原由良(ゆら)』。眷属では『戦車(ルーク)』のランクを担当しており、体術による近接戦(インファイト)を得意としている。泥臭い男が好みらしい。
「でも覗きはやっぱりいけないと思うな」
そんな常識論を唱えているのが生徒会のもう一人の会計である『神崎巡(めぐり)』。元々退魔を専門とした由緒正しき一族の分家の出で、それゆえに普段は凛として礼儀正しい大和撫子といった存在だが、大の年下好きで、巡とよくつるんでいる花戒の証言だと、彼女の部屋にはジュニアアイドルのポスターがたくさん貼ってあるという。それでいいのか大和撫子……。
「でもさー、男の子なんだからそういうのは興味あって普通だと思うよ私は。ね、匙」
「俺にふるんじゃねえよ!?」
今、男のスケベさに一定の理解を示したのが(冗談の部分が大きいが)三人目の生徒会庶務『草下(くさか)忍』。眷属では花戒とともに僧侶(ビショップ)として頑張ってもらってる。
そして草下に話をふられて焦っているのが、『匙(さじ)元士朗(げんしろう)』。二人目の生徒会書記であり、俺と共にたった二人の男子生徒会役員であり、シトリー眷属の男子をやっている。ランクは仁村と同じく兵士(ポーン)だが、駒を四つ使用しており、神器(セイクリッド・ギア)『黒い(アブソブーション)龍脈(ライン)』を所持するうちの眷属の有望株だ。……うん、たぶん。
以上が、俺の同僚であり、仲間である駒王学園生徒会の面々である。この駒王学園の生徒たちの安全を日々守っているのだ。
今日も生徒会は生徒たちの生活をもっとよりよいものにするために、こうして集まっているのである。
俺が席も着いたのを確認すると、一端俺たちの様子を確認すると、会長ソーナ・シトリーは口を開いた。
「さあ、会議を始めましょう」
さて、今日もがんばりますか!
後書き
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