遊戯王GX-音速の機械戦士-
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―急展開―
事態は急展開を迎えていた。
突如として未知の異世界に跳ばされてしまったデュエル・アカデミアだったが、研究の失敗により偶然居合わせていた三沢大地により、異世界と自分たちがいた世界はどこかで繋がっていることが実証されている。デュエルの腕前に自信がある者を中心に、交代で見張りをしながら一晩を向かえ、全校生徒がこれは夢ではないと実感するとともに事件は起きた。
オベリスク・ブルー女子の生徒である早乙女レイが、未知のモンスターに襲われて瀕死の重傷を負ったのだ。異世界に来てしまったデュエル・アカデミアに、その傷を直すことの出来る薬はなかったが、一筋だけ光明が見えていた。
アカデミアの近くに不時着している潜水艦、というのを三沢が以前に発見しており、比較的新しい物だったのでそこに薬や食料品があるかもしれない……ということだった。そこで各々が何かのエキスパートである留学生たちと、カードの精霊については最も理解と実力がある十代を中心に、潜水艦へと物資を取りに行くのだった。
……俺もその部隊に志願したものの、デス・デュエルによる疲弊があるために砂漠地帯では思うように動けないため、アカデミアに残ることとなった。明日香や剣山にアカデミアの外の見張りを任せ、俺がやることは三沢とともにこの異世界から帰還する方法を考えることだった。もちろん俺に三沢ほどの頭があるはずもなく、主に考えるのは三沢の仕事だったが、第三者としての意見ぐらいは手伝えるというものだ。
保健室で眠っているレイが気にならない訳がないが、俺が保健室に行ったところで鮎川先生の邪魔になるだけだ。ならばここで三沢の手伝いをして、一刻も早く現実世界に帰還するのが俺に出来るレイを助ける方法だ。
しかしそんな思いも空しく新たに事件が起こる。アカデミア内に『デュエルゾンビ』と呼ばれる生徒たちが暴れ始めたのだ。
デュエルゾンビとなった生徒はところ構わずデュエルを挑み、敗北した生徒はデュエルゾンビになる――まるでバイオハザードのようなシステムのデュエルゾンビが、アカデミアに溢れ出したのだ。そこで厄介なのがデュエルゾンビの数と、俺たちに装着されたデス・ベルトである。デス・ベルトがある限り俺たちはデュエルをする度に体力が削られ、いつしかそのデュエルゾンビの数の前に敗北してしまう。
しかも体力が切れてもデュエルゾンビは起き上がって来るため、何度もデュエルをしていてはあちらが死んでしまう可能性もある。敵は化物のゾンビではなく、俺たちと同じようにデス・ベルトを装着した生徒なのだから。
よってアカデミアはバイオハザードの舞台になり、俺と三沢は帰還方法を模索していた部屋から脱出せざるを得なかった。
「赤鬼でダイレクトアタック! 鬼火!」
三沢のエースカードの一撃がデュエルゾンビを吹き飛ばす。異世界に行っていた為に三沢はデス・ベルトを付けていないので、体力を吸い取られる心配は無いが……元々少なからず消耗している。
「計算結果は……」
「頭に入っているさ、問題ない」
赤鬼のソリッドビジョンが消えるとともに、デュエルゾンビが再び迫ってくる前にとりあえず廊下を走る。バイオハザードが起きたとはいえまだ少数のようだが、戻す方法が分からない以上後は増えていくだけだろう。
「どうなってんだか……三沢、心当たりはあるか?」
「……いや、初めての経験だ。誰かが《洗脳光線》か、《集団催眠》でも使ったのかもしれない」
罠カード《洗脳光線》・《集団催眠》。効果は詳しくは覚えていないが、確かエーリアンのサポートカードだったか。デュエルして敗北した者にAカウンターを乗せ、Aカウンターが乗ると《洗脳光線》か《集団催眠》によりデュエルゾンビになる……と考えれば、理には適っているかもしれない。
「遊矢、これからどうする……いや。君は決まっているな」
「流石は親友、解ってるじゃないか」
軽口を叩きながらもデュエルゾンビがいないかを確認して走るのを止めると、息を整えながら三沢とは違う道を前にした。未だあっちにはデュエルゾンビが見えない、行くならば今しかない……
「レイを助けに行く。悪いけどそっちは任せたぜ、三沢」
保健室で倒れているレイを助けに行かなくてはならない。重傷を負っているレイが動けるわけもなく、患者を見捨てて鮎川先生が逃げるわけもない。十代たちが薬を取って来るのを信じて、いつも妹分として元気づけてくれる彼女への恩返しといこう。
「ああ、他の生存者の救出は任せてくれ。体育館に集合させておく。……それと、こいつを渡しておく」
そうして三沢から渡されたのはがっしりとした通信機。見れば三沢も一個持っており、異世界でも使える連絡用の通信機なのだろうか。
「場所を行ってくれれば必ず駆けつける。……死ぬなよ、遊矢」
「……そっちこそな、三沢」
親友と顔を見合わせて頷き合うと、通信機をポケットにしまい込んで別々の方向に走っていく。度重なるデス・デュエルにより、疲労感が身体全体を支配しているが、それでも保健室へ向かって全速力で走り抜けていった。
三沢と別れて数分経ったものの、運良くデュエルゾンビには遭遇せずに走って来れた。この調子ならば、まだ保健室方面にはデュエルゾンビは来ていないのか……と考えていた時、廊下の向こうから野球ボールぐらいの大きさの物体が、俺に向かって飛来してくるのが横目で見えた。
三つの野球ボールを避けながら、飛んできた物体が何なのかを確認すると――
「――おジャマ三兄弟?」
野球ボールのような物体は万丈目の精霊のカード、おジャマ三兄弟。普段精霊が見えない人間でも、この世界では例外的に見えるようで――何故か機械戦士たちの姿はないが――俺にもおジャマ三兄弟の姿は見えていた。
どうしてこんなところにいるのか聞いてみようとしたところ、俺はおジャマ三兄弟の目の下に巨大なクマのような物が出来ていることに気づく。……そのクマはデュエルゾンビとなっている証であり、おジャマ三兄弟がデュエルゾンビだということは……
「……万丈目」
おジャマ三兄弟が飛んできた方向を見ると、どうやらデュエルゾンビになっているらしい万丈目準が立っている。彼は食糧庫を護るという役目を負っていたため、デュエルゾンビから逃げ出すことが出来なかったのだろう。
「よぉ~遊矢。どうだ、デュエルしないかぁ?」
「……ああ、やってやるさ」
デュエルゾンビとなった万丈目の申し出に、俺はデュエルディスクを構えてその申し出を受け入れる。それはもちろん、デュエリストだからとかそんな理由ではなく、万丈目を倒さねばその向こうの保健室に到達出来ないため。……万丈目には悪いが、三沢がやっていたようにデュエルの決着の衝撃で吹き飛ばすしかない。
加えて他のデュエルゾンビやレイの容態のため、可能な限り素早く万丈目を倒さなくてはならない……!
俺の申し出に対し嬉しそうに笑った万丈目もデュエルディスクを展開し、どちらもデュエルの準備が整った。
『デュエル!』
遊矢LP4000
万丈目LP4000
「先攻は俺様から。ドロー」
先を急いでいるというのにデュエルディスクは万丈目に先攻を明け渡す。確かに後攻ならば――矛盾しているようだが――先に攻撃は出来るものの、機械戦士で後攻ワンターンキルなど夢物語だ。
「俺は《地獄戦士》を召喚!」
地獄戦士
ATK1200
DEF1400
そして万丈目が召喚したのは、入学したての一年生以来となる《地獄戦士》。今回の万丈目のデッキは【地獄】デッキということか……?
「カードを二枚伏せてターンエンドだぁ……」
「さっさと勝たせてもらう! 俺のターン、ドロー!」
万丈目のデッキが何であろうとも、俺は機械戦士で出来るデュエルをするだけ。それを象徴するかのように、まずは先陣を切るアタッカーへと手を伸ばした。
「俺は《マックス・ウォリアー》を召喚!」
マックス・ウォリアー
ATK1800
DEF800
機械戦士のアタッカーこと、マックス・ウォリアーが地獄戦士へとその三つ叉の槍を構える。リバースカード二枚とは、いつもの万丈目らしからぬ守備の構えだが、ここはそのまま攻める。
「マックス・ウォリアーで地獄戦士に攻撃! スイフト・ラッシュ!」
自身の効果で攻撃力を400ポイント上げたマックス・ウォリアーの攻撃に、地獄戦士は自身の盾では防ぎきれずに破壊されるが、その身体から怨霊のような物が現れる。
「地獄戦士の効果! 戦闘ダメージをお前にも受けてもらおうかぁ……」
万丈目らしい転んでもただではすまない効果に、万丈目はマックス・ウォリアーの攻撃で、俺は地獄戦士から現れた怨霊によって、どちらも等しくダメージを受ける。
遊矢LP4000→3000
万丈目LP4000→3000
そしてマックス・ウォリアーは戦闘で相手モンスターを破壊したことにより、そのステータスを半減させて最初の攻防は終わる。
「同じくカードを二枚伏せてターンエンド」
「俺様のターン、ドロー」
ゆったりとした挙動でカードをドローした万丈目は、ドローしたカードを手札にしまった後にリバースカードを発動する。
「通常罠《地獄召喚》を発動! 墓地から地獄モンスターを特殊召喚出来る……《地獄戦士》を蘇らせてもらうぜぇ?」
『地獄』と名前の付いたモンスターを完全蘇生する罠カード、《地獄召喚》により先のターンで破壊された《地獄戦士》が再びフィールドに現れるが、それだけでは万丈目は止まらない。墓地から蘇った地獄戦士の背後から、さらにもう二体の地獄戦士が突如として現れたのだ。
「速攻魔法《地獄の暴走召喚》! さらにデッキから《地獄戦士》を二体特殊召喚……」
「……俺は特殊召喚しない」
《地獄の暴走召喚》のデメリット効果によって、俺にも特殊召喚の権利はあるものの、今フィールドにいる《マックス・ウォリアー》はデッキに一枚しか投入していないので特殊召喚は不可能だ。万丈目もそのことが分かって使ったのだろう。
「行けぇ、地獄戦士! マックス・ウォリアーにヘルアタック!」
巨大な盾と剣を構えた悪魔のような戦士が、マックス・ウォリアーを倒さんと向かっていく。先のターンのように迎撃といきたいところだが、マックス・ウォリアーの攻撃力は半分になってしまっている。
「リバースカード《くず鉄のかかし》を発動!」
そこを伏せてあったくず鉄で作られたかかしが防ぐが、後続の残り二体の地獄戦士が更に続く。《くず鉄のかかし》は一ターンに一度しか使用することは出来ない……!
「二体目の地獄戦士で攻撃だぁ!」
もう《くず鉄のかかし》で防ぐことは出来ず、マックス・ウォリアーは地獄戦士の一刀に斬り伏せられてしまい、更なる地獄戦士が俺の前に立ちはだかった。
遊矢LP3000→2700
「最後の地獄戦士でダイレクトアタック!」
「二枚目のリバースカード、《ガード・ブロック》を発動!」
剣を振りかざした地獄戦士を、《ガード・ブロック》によって俺の前に発生したカードの束が弾き飛ばす。
戦闘ダメージを0にして一枚ドローすると、そこで万丈目の追撃は終わった。
「カードを一枚伏せ、ターンエンド……」
「俺のターン、ドロー!」
デュエルゾンビなどという得体の知れないモノとなっていようが、万丈目のデュエルの腕が落ちているわけではない。ニヤニヤと笑っている地獄戦士とおジャマ三兄弟を睨みつけると、俺は機械戦士を召喚する。
「俺のフィールドにモンスターはいない、《レベル・ウォリアー》を特殊召喚!」
レベル・ウォリアー
ATK300
DEF600
特撮による戦隊ヒーローのような外見の機械戦士が現れ、その効果により自身のレベルを4に変更する。相手フィールドにのみモンスターがいる時、このカードはレベル4として特殊召喚出来るのだから。
「更に、チューナーモンスター《ロード・シンクロン》を召喚!」
ロード・シンクロン
ATK1600
DEF800
そして、《レベル・ウォリアー》に続いて特殊召喚されるのはチューナーモンスターである《ロード・シンクロン》。金色のロードローラーを模した外見のこのモンスターならば、そのまま《地獄戦士》をも倒すことが出来るが、無論そんなことをする気はない。
「効果でレベル4となった《レベル・ウォリアー》に、同じく効果でレベル2となる《ロード・シンクロン》をチューニング!」
「ふん……なにを出す気だ?」
ロード・シンクロンが二つの光の輪となるとレベル・ウォリアーを包み込み、シンクロモンスターを呼び覚ます為に共鳴する。どちらもそのレベルは変更されているが、問題なくシンクロモンスターは姿を現した。
「集いし事象から、重力の闘士が推参する。光差す道となれ! シンクロ召喚! 《グラヴィティ・ウォリアー》!」
グラヴィティ・ウォリアー
ATK2100
DEF400
身体が機械で出来ている重力の獣。地獄戦士などより獰猛な顔つきをしたそのシンクロモンスターは、その効果を発動するために鋼鉄の咆哮を響かせた。
「グラヴィティ・ウォリアーがシンクロ召喚に成功した時、相手モンスターの数×300ポイント攻撃力がアップする! パワー・グラヴィテーション!」
万丈目が《地獄の暴走召喚》を使ったおかげで、相手のフィールドには《地獄戦士》が三体。《グラヴィティ・ウォリアー》は攻撃力を3000ポイントまで上昇させ、今にも鋼鉄の爪を万丈目に振りかざそうとしたが、その思惑は他ならぬ万丈目に阻止された。
未だ伏せられたままの二枚のリバースカードのうち、そのうちの俺に顔を見せた一枚によって。
「伏せてあった《スキルドレイン》を発動! 1000ポイント払うことにより、貴様の機械戦士を封殺する!」
万丈目LP3000→2000
【機械戦士】の根本的な弱点の一つ《スキルドレイン》。何故弱点なのかはもはや説明不要な域にまで達している。
対する万丈目は、『貴様の機械戦士を封殺する』とまで言ってのけたように、墓地による発動が多い地獄デッキに《スキルドレイン》は特に邪魔にはならない。一部例外を除けばだが、むしろデメリット効果を帳消しに出来るカードも存在するほどだ。
「くっ……バトル! グラヴィティ・ウォリアーで地獄戦士に攻撃! グランド・クロス!」
《スキルドレイン》の効果によって、攻撃力は元の数値にまで減じてしまったものの、地獄戦士に比べればまだまだ上。グラヴィティ・ウォリアーは鋼鉄の爪を振り払い、地獄戦士を薙払った。
万丈目LP2000→1100
「だがこの瞬間、地獄戦士の効果が発動する!」
しかし、地獄戦士の役割は戦闘破壊されることでもある。墓地で発動するために《スキルドレイン》では無効にされず、地獄戦士の身体から現れた怨霊が再び俺を襲った。
遊矢LP2700→1800
《地獄戦士》の効果のせいで、どちらのライフポイントも加速度的に減っていく。しかし、《スキルドレイン》の発動コストのせいで万丈目の方がライフポイントは少ない。
ここは《地獄戦士》の効果を無視してでも攻め込む……!
「カードを一枚伏せ、ターンエンド……!」
「俺のターン、ドロー……」
俺のフィールドには元の攻撃力の《グラヴィティ・ウォリアー》に、《くず鉄のかかし》とリバースカードが一枚。対する万丈目のフィールドは、《地獄戦士》が二枚に《スキルドレイン》とリバースカードが一枚。
グラヴィティ・ウォリアーがフィールドを制圧しているものの、万丈目のフィールドにはモンスターが二体、簡単に高い攻撃力を誇るモンスターは用意出来る。
「まずは速攻魔法《サイクロン》! そして《地獄戦士》をリリースし、《地獄詩人ヘルポエマー》をアドバンス召喚!」
地獄詩人ヘルポエマー
ATK2000
DEF1400
《くず鉄のかかし》を破壊する旋風とともに、《地獄戦士》がリリースされ《地獄詩人ヘルポエマー》となって万丈目のフィールドに立つ。棺桶のような物を背負ったそのグロテスクな身体で、グラヴィティ・ウォリアーに戦いを挑もうとしている。
「バトル! グラヴィティ・ウォリアーにヘルポエマーで攻撃だぁ!」
「……迎撃しろ、グラヴィティ・ウォリアー! グランド・クロス!」
攻撃力が低いヘルポエマーでの自爆特攻。当然ながら万丈目の手札やリバースカードからは何の支援もなく、グラヴィティ・ウォリアーは容易くヘルポエマーを切り裂いた。
万丈目LP1100→1000
だが、またもや切り裂いたヘルポエマーの怨霊が現れたと思いきや、俺のデュエルディスクへと侵入していく。そして怨霊は手の形となった後に、俺の墓地からその姿を現した。
「地獄詩人ヘルポエマーが戦闘破壊された時、墓地にある限り効果が発動する……《地獄戦士》を守備表示にし、カードを一枚伏せてターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!」
《地獄詩人ヘルポエマー》の効果は知っている。万丈目の墓地にある限り、俺が戦闘する度にランダムに手札を一枚墓地に奪っていく厄介な効果。もちろん、墓地で発動するために《スキルドレイン》では無効にならない。
「……グラヴィティ・ウォリアーで攻撃、グランド・クロス!」
それでも俺は《グラヴィティ・ウォリアー》へと攻撃を命じる。焦っているのは自分でも分かっているが、のんびりとしてはいられないのは確かなのだ。
守備表示となったためどちらにもダメージは発生せず、地獄戦士はグラヴィティ・ウォリアーに破壊されたものの、代わりにその裏側にあったリバースカードが発動される。
「伏せてあったリバースカード《ヘル・ブラスト》を発動! 戦闘で相手モンスターを破壊したモンスターを破壊する!」
発動されたリバースカード《ヘル・ブラスト》から、先程戦闘破壊された筈の《地獄戦士》が現れると、グラヴィティ・ウォリアーの胸元に剣を刺していく。グラヴィティ・ウォリアーはその剣が刺された途端、とても苦しみだすが――破壊される前に、まだ《ヘル・ブラスト》の効果は続く。
《ヘル・ブラスト》はその効果で破壊したモンスターの、攻撃力の半分のダメージをお互いのプレイヤーに与える効果がある。《地獄戦士》と同じく痛み分けの効果だが、万丈目ならばここで俺にトドメを刺しにくる……!
「これで終わりだ遊矢……! カウンター罠《地獄の扉――」
「悪いがこっちが先だ万丈目! カウンター罠《ダメージ・ポラリライザー》!」
《ヘル・ブラスト》によるグラヴィティ・ウォリアーの破壊は止められなかったが、その後の効果ダメージの発生を《ダメージ・ポラリライザー》は押さえ込む。効果ダメージが無くなったため、万丈目が発動していただろう《地獄の扉越し銃》は発動出来ない。
……前のターンに《地獄戦士》を守備表示にすることで、その効果を自分の手で封じ込めて俺に攻撃を誘発させ、攻撃して来たモンスターを《ヘル・ブラスト》で破壊してダメージを与える。そして、自身にも与えられるダメージを《地獄の扉越し銃》の効果で俺に跳ね返すことで、俺のライフポイントは0になる……
……グラヴィティ・ウォリアーは破壊されてしまったものの、何とか危ういところで止めることが出来た。
「《ダメージ・ポラリライザー》の効果でお互いに一枚ドローする」
「チィィ……だが、ヘルポエマーの効果は受けてもらうぞ!」
俺の墓地から伸びた怨霊の手が、《ダメージ・ポラリライザー》の効果でドローしたカードをつかみ取り、そのまま墓地に送っていく。……ランダムというのが厄介なところだ。
「俺は《チェンジ・シンクロン》を守備表示で召喚し、カードを一枚伏せてターンを終了する」
チェンジ・シンクロン
ATK0
DEF0
俺はまだこのターンで通常召喚をしていない。ステータスは頼りないものの、チェンジ・シンクロンを壁として召喚し、カードを一枚伏せてターンを終了する。
「俺のターン、ドロー……」
《地獄の暴走召喚》で特殊召喚した、《地獄戦士》の大軍もフィールドからいなくなり、万丈目の手札は二枚。次はいかなるモンスターを繰りだしてくるか。
「カードを一枚セット! そして魔法カード《地獄宝札》を発動!」
まず発動されたカードは『宝札』シリーズのカードの一種である《地獄宝札》。自分の手札が0枚の時のみ三枚ドロー、という強力な効果などものの、発動したターンに《地獄》モンスターを召喚・特殊召喚出来なかった場合、3000ポイントのダメージを受ける……確か《地獄の扉越し銃》の発動も不可能な筈だ。
万丈目はデュエルゾンビになっているから、何の気負いも見せずに軽々三枚のカードをドローして手札に加え――
「俺のフィールドにモンスターはいない。よって、《地獄大百足》をリリース無しで召喚する!」
地獄大百足
ATK2600
DEF1300
そうした状況で召喚されたモンスターは、センチピードの姿を模した巨大な昆虫。相手のフィールドにのみモンスターがいる時、攻撃力を半分にして妥協召喚する効果を持つ。
……しかしその効果は、万丈目のフィールドに展開している《スキルドレイン》のおかげで半ば無効にされている。結果的には、攻撃力2600のモンスターがデメリット無しで妥協召喚されたということだ。
「バトル! 地獄大百足でチェンジ・シンクロンに攻撃!」
巨大な地獄大百足にチェンジ・シンクロンは手も足も出せず、そのまま押しつぶされてしまったが、守備表示のために俺にダメージは発生しない。
さらに《地獄大百足》が万丈目のフィールドに撤退した後に、《チェンジ・シンクロン》が破壊された際にリバースカードが発動された。
「リバースカード《奇跡の残照》! 破壊された《チェンジ・シンクロン》を特殊召喚する!」
伏せてあった《奇跡の残照》の効果によって、《チェンジ・シンクロン》がそのまま蘇って事なきを得る。しかし、地獄大百足に対して対抗策が無いのも依然として変わらない。
「ターンエンドだ!」
「俺のターン、ドロー!」
ドローしたカードを確認して手札に加えると、頭の中でどう《地獄大百足》を倒すか算段をたてる。万丈目のフィールドは《地獄大百足》と《スキルドレイン》、そしてリバースカードと伏せてある《地獄の扉越し銃》――
「《チューニング・サポーター》を召喚し、通常魔法《機械複製術》を発動! 三体に増殖せよ、チューニング・サポーター!」
チューニング・サポーター
ATK100
DEF300
機械戦士におけるシンクロ召喚の素材の確保の常套手段に、中華鍋を逆に被ったような姿の機械族、チューニング・サポーターの姿が召喚されるや否や三体に増殖していく。これでチューナーモンスターと非チューナーモンスターが揃った……!
「レベル1の《チューニング・サポーター》三体に、レベル1の《チェンジ・シンクロン》をチューニング!」
《スキルドレイン》の効果によって、《チューニング・サポーター》のレベル変動効果を使用することは出来ないものの、合計レベルは4。このデッキならば問題なくシンクロ召喚が出来る。
「集いし願いが、勝利を掴む腕となる。光差す道となれ! シンクロ召喚! 《アームズ・エイド》!」
アームズ・エイド
ATK1800
DEF1200
機械戦士たちの補助兵装となる――《スキルドレイン》が発動している今では、その効果を発動することは望めないが――異色のシンクロモンスター、《アームズ・エイド》がシンクロ召喚され、その姿を見た万丈目が笑いだした。
「そんな腕で俺の《地獄大百足》を破壊する気か?」
「ああ。その前にいくつかやらせてもらうがな! まずはチューニング・サポーターは、シンクロ素材になった時一枚ドロー出来る。よって三枚ドロー!」
レベル変動効果は発動出来なかったものの、ドローをする効果は墓地で発動する効果のために、《スキルドレイン》があろうと問題なくその効果を発揮する。さらに、俺が三枚のカードをドローしている間に、半透明になった《チェンジ・シンクロン》がフィールドに浮かび上がった。
「チェンジ・シンクロンの効果を発動! シンクロ素材になった時、フィールドのモンスターの表示形式を変更する! 《地獄大百足》を守備表示に!」
「また墓地で発動か……!」
この《チェンジ・シンクロン》も墓地で発動するカード。相手が《スキルドレイン》を使ってこようとも、機械戦士とてそれが解っていれば戦いようはある。
「バトル! アームズ・エイドで地獄大百足を攻撃! パワーギア・アームズ!」
そして地獄大百足がいくら巨大と言えども、その守備表示は僅か1300。アームズ・エイドは確かに戦闘を目的としたカードではないが、1800と及第点程度の攻撃力は備えている。
アームズ・エイドが地獄大百足に突撃していき、その貫手が地獄大百足を戦闘破壊する――
「リバースカード、オープン! 《地獄蟲地雷》を発動! 手札の《地獄》モンスターを一枚墓地に送ることで、相手モンスターを破壊する!」
――筈だったが、万丈目のリバースカードから現れた爆弾により、戦闘破壊は適わずアームズ・エイドは破壊されてしまう。もちろん《地獄大百足》自体は無傷のままだ。
さらにバトルフェイズが終了したことにより、俺の墓地からヘルポエマーの手が現れて、俺の手札を一枚奪っていく。
「……ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー……」
俺のフィールドにはカードはなく、万丈目のフィールドには《地獄大百足》と《スキルドレイン》に《地獄の扉越し銃》。さらに、今ドローしたカードをデュエルディスクに差し込んだ。
「《死者蘇生》を発動! 墓地から蘇れ、《炎獄魔人ヘル・バーナー》!」
炎獄魔人ヘル・バーナー
ATK2800
DEF2000
万能蘇生カードによって墓地から特殊召喚される、万丈目の地獄デッキの切り札である《炎獄魔人ヘル・バーナー》。『ヘル』と名前なので『地獄』モンスターとして扱うため、先の罠カード《地獄蟲地雷》で墓地に送っていたのだろう。
《スキルドレイン》によってデメリット効果を無効にし、その膨大な熱量を誇る炎を纏った悪魔が、巨大なセンチビードである《地獄大百足》と並ぶ。
「ヘル・バーナーで遊矢にダイレクトアタック!」
「手札から《速攻のかかし》を発動! バトルフェイズを終了する!」
炎獄魔人ヘル・バーナーから放たれた巨大な炎を、手札から飛びだして巨大化した《速攻のかかし》が防ぎ、速攻のかかしは燃え尽きてしまったが俺には届かない。
「フン、ターンエンドだ……」
何もない俺のフィールドを見て、やはり万丈目は《速攻のかかし》を読んでいたらしく、特に感想を漏らさずにターンを終了する。
「俺のターン、ドロー!」
ドローしたカードを見て、このカードならば何とかなるかと少しだけ笑みを浮かべる。この逆転の一手が潰されないことを祈りながら、俺は新たなカードをデュエルディスクに差し込んだ。
「このカードは攻撃力を1800にすることでリリース無しで召喚出来る! 俺は《ドドドウォリアー》を妥協召喚!」
ドドドウォリアー
ATK2300
DEF900
『怒』の文字を背負った斧を持った機械戦士の妥協召喚。万丈目の《地獄大百足》と似たような効果であり、もちろんこのカードの効果も《スキルドレイン》によって無効化され、攻撃力は元々の2300にまで戻る。
「さらに二枚の魔法カード、永続魔法《ドミノ》に装備魔法《ファイティング・スピリッツ》を発動!」
デュエルディスクに二枚の魔法カードを差し込むと、ドドドウォリアーに反骨する力が与えられていく。《ドミノ》はまだ発動条件が満たされていないからか、俺のフィールドに表示されているだけで何の効力もない。
「そして通常召喚に成功したターン、《ワンショット・ブースター》を特殊召喚! ……カードを一枚伏せてバトル!」
ワンショット・ブースター
ATK0
DEF0
黄色のボディに二つのミサイルを持った機械族を特殊召喚し、これで全ての準備は整ってバトルフェイズへと突入する。ドドドウォリアーは背負っていたアックスを万丈目に向けた。
「ドドドウォリアーで《地獄大百足》に攻撃! ドドドアックス!」
装備魔法《ファイティング・スピリッツ》の効果は、相手モンスターの数×300ポイントの攻撃力上昇効果。万丈目のフィールドにいるモンスターは二体のため、ドドドウォリアーの攻撃力は2900。
「ええい……」
万丈目LP1000→700
僅か300ポイントの差であろうとも、ドドドウォリアーのアックスは地獄大百足を叩き伏せた後、永続魔法《ドミノ》へと繋げた。ワンショット・ブースターが万丈目のフィールドに飛んでいき、ミサイルを発射する体制をとる。
「永続魔法《ドミノ》の効果を発動! ワンショット・ブースターをリリースすることで、炎獄魔人ヘル・バーナーを破壊する!」
ワンショット・ブースターがミサイルを倒れた《地獄大百足》に命中させ、その巨体を横にいた《炎獄魔人ヘル・バーナー》に向かった倒れさせ、そのまま《炎獄魔人ヘル・バーナー》を押しつぶしてしまう。
……これが永続魔法《ドミノ》の効果。相手モンスターを破壊した時、自分のモンスターを一体リリースすることで相手モンスターをさらにドミノ倒しのように破壊する効果。
一年生の時、この万丈目と同じように《スキルドレイン》を使う敵――あのSULもとい猿はどうしただろうか――を《ドドドウォリアー》と《ドミノ》を使って突破したが、あの時のように楽しんではいられない。どんなデュエルだって楽しんで勝てればそれに越したことはないが……
「考え事をしているところを悪いが、ヘルポエマーの手札破壊を受けてもらうぞ!」
俺の墓地からまたもやヘルポエマーの腕が現れ、俺の最後の手札を奪っていく。その事実が俺を考え事から現実に引き戻した。
「……ターンエンドだ」
そんな感傷は今は考えている余裕はない。とにかく今は、このデュエルを早く終わらせてレイを助けにいかないと……!
「俺のターン、ドロー……」
万丈目のフィールドには《ドミノ》の効果によりモンスターはおらず、フィールドにあるのは《スキルドレイン》と《地獄の扉越し銃》。手札は前のターンの《地獄宝札》のおかげもあり、今のドローも含めて三枚と潤沢だ。
「良いカードを引いた……魔法カード《高等儀式術》を発動! デッキから《ブラッド・ヴォルス》を二体墓地に送り、《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》を儀式召喚!」
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー
ATK3200
DEF1800
万丈目が何も仕掛けて来ない訳がないとは思っていたが、攻撃力3000を超える予想外の大型モンスターが登場する。《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》は自身の得物である杖を手にこちらを睥睨する。
「バトル! 仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーで、ドドドウォリアーに攻撃!」
ドドドウォリアーの現在の攻撃力は、《ファイティング・スピリッツ》の効果を得ても2600。攻撃力3200のマスクド・ヘルレイザーに適いはしないので、ここは攻撃力上昇効果ではない第二の効果の出番となる。
《ファイティング・スピリッツ》第二の効果、装備モンスターが戦闘で破壊される際に身代わりになることが出来る。……のだが、結果的にその効果を発動することは出来なかった。
マスクド・ヘルレイザーの攻撃が届くより早く、ドドドウォリアーに神々しい金色の槍が刺さっていて、《ファイティング・スピリッツ》が何故か無効化されているからだ。
「手札から速攻魔法《禁じられた聖槍》を発動していた! 貴様のモンスターの攻撃力を800ポイント下げ、魔法の効果を得ることは出来ない!」
優秀な速攻魔法である『禁じられた』と名の付いた速攻魔法の一つ、《禁じられた聖槍》によってドドドウォリアーは《ファイティング・スピリッツ》の効果を失ってしまう。あの金色の槍が刺さってしまったモンスターは、全ての魔法・罠カードのサポートを得られなくなってしまうのだから。
「ぐあっ……!」
遊矢LP1800→100
……ドドドウォリアーはマスクド・ヘルレイザーの攻撃を受けて破壊され、俺のライフポイントはギリギリ首の皮一枚繋がった。《禁じられた聖槍》は魔法・罠カードの効力を無効にするだけではなく、そのモンスターの攻撃力を800ポイント下げる効果もあるため、必要以上のダメージを食らった結果だ。
「しぶとい奴だ……お前もデュエルゾンビになったらどうだ? ターンエンド」
「悪いがゴメンだ……ドロー!」
遂に手札へと現れる待ち望んでいたカード。ニヤリと笑ってこれが最後のターンだと、マスクド・ヘルレイザーにやられたダメージを気にしないように身体へと気合いを入れる。
「俺は魔法カード《狂った召喚歯車》を発動! 墓地の攻撃力1500以下のモンスターと同名モンスターを、デッキ・手札・墓地から特殊召喚出来る! 現れろマイフェイバリットカード……《スピード・ウォリアー》!」
『トアアアアッ!』
スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400
万丈目も使用した《地獄の暴走召喚》の相互互換カード、《狂った召喚歯車》によってマイフェイバリットカードが三体特殊召喚される。《地獄詩人ヘルポエマー》の効果で墓地に落ちてしまったが、その程度でスピード・ウォリアーを止めることなど出来はしない。
「だが《狂った召喚歯車》の効果は俺も使わせてもらう! 現れろ、二体の《ヘル・エンプレス・デーモン》!」
ヘル・エンプレス・デーモン
ATK2900
DEF2100
「…………ッ!」
《地獄の暴走召喚》より手札の消費が少なくて済む《狂った召喚歯車》だが、その分デメリットは遥かに重い。《狂った召喚歯車》の場合、相手は自分のモンスターと同名モンスターではなく、同レベルで同種族であれば良い。
よって万丈目のデッキから、マスクド・ヘルレイザーと同種族・同レベルであるモンスター《ヘル・エンプレス・デーモン》が、二体特殊召喚されたのだった。
こちらのモンスターは《スピード・ウォリアー》が三体、対する万丈目は攻撃力3200の《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》と攻撃力2900の《ヘル・エンプレス・デーモン》二体と……絶望的な戦力差と言ったところか。
「そのリバースカードが最後の希望だったのだろうが、ヘル・エンプレス・デーモンが出て来るのは予想外だっただろう……!」
《ドドドウォリアー》で反撃したターンに伏せたリバースカードを見抜いている。確かに《スピード・ウォリアー》を使って、このリバースカードを発動するつもりだったが、確かに《ヘル・エンプレス・デーモン》のことは想定していない。
「だがその程度の想定外はスピード・ウォリアーの敵じゃない! リバースカード、オープン! 《スリーカード》!」
発動されたリバースカードから万丈目のモンスターへと三つの光が放たれ、スピード・ウォリアーがその光の道に乗って走っていく。そしてその光の道で疾走すればするほど、三体のスピード・ウォリアーの速度は上がっていく……!
「俺のフィールドに同名モンスターが三体いる時、相手のカードを三枚まで破壊出来る! 」
「なっ……んだって!?」
当然ながら《スリーカード》によって破壊するのは、万丈目のフィールドにいる三体のモンスター。《スリーカード》から発せられた光によって、《スピード・ウォリアー》が万丈目のモンスターを打ち破っていく。
《狂った召喚歯車》で三体が特殊召喚されたら不味かったが、万丈目がそこまでデッキを重くするとはあまり考えられないからこそ、この賭にでることが出来た。結果は見ての通り、万丈目の手にはツーペアしかなかった、ということだ。
そしてがら空きになったフィールドを、スピード・ウォリアーはそのまま駆け抜ける……!
「スピード・ウォリアーで万丈目にダイレクトアタック! ソニック・エッジ!」
「うわあああっ!」
万丈目LP700→0
スピード・ウォリアーの回し蹴りが万丈目に叩き込まれ、保健室とは反対側の廊下の吹き飛ばす。当たりどころが悪かったのか、デスベルトで体力を吸われすぎたのか、万丈目はあまり動かなくなったが。
「ぐうっ……!」
こちらもデスベルトに体力が吸われて廊下に倒れ込むが、身体を無理やり引きずって保健室に向かう。しかし、こちらに近づいてくる足音が廊下に響き、新手のデュエルゾンビかと隠れる場所を探し――
「……遊矢!」
――来たのはデュエルゾンビではなく、外の見張りを買って出ていた天上院明日香。彼女もデュエルゾンビに襲われていたのか、息が切れた様子で何かを背負っているようだ。
「レイ……?」
明日香が背負っているのはレイに間違いない。保健室で寝ていた彼女を何故背負っているのか、鮎川先生はどこにいるのか、見張りをしていた生徒は…………と、矢継ぎ早に質問が頭の中を駆け巡るが、再び廊下に足音が響いてくる。
「……遊矢、こっち!」
音が響いてくる方向から逃げてきた明日香は、それがデュエルゾンビの足音だと分かっているのか、俺の手を引いて近くの部屋へと隠れていった。
後書き
どうも久しぶりです、絶賛スランプ中で筆が止まっている蓮夜です。……ええ、スランプを打ち破る手段を募集中です。
感想・アドバイスをお待ちしています。
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