インフィニット・ストラトス 復讐を誓った血継限界の転生者
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IS実習にて
「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、紅原、オルコット。試しに飛んでみせろ」
四月下旬、ISを使う授業も始まった。最初は俺達専用機持ちが飛行操縦をするらしい。それにしても、あんだけクラス代表とかなんとか言っていたオルコットが一夏にクラス代表を明け渡すとは、末恐ろしいな一夏の女心を落とす技術。
「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ」
せかすな織斑先生。俺やオルコットはともかく一夏はまだ日が浅いからそれなりに時間がかかるだろうに。一夏が展開し終わると、織斑先生は次の指示を出した。
「よし、飛べ」
言われて俺とオルコットは飛び、一夏は少し遅れて飛び始めた。飛んでいる最中も一夏は俺達も上昇速度がかなり遅い。
「何をやっている。スペック上の出力では白式の方が上だぞ」
織斑先生辛辣だな。もうちょっと弟にやさしくしてやれよ。
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」
「そうだぞ一夏。経験を積んで空を飛ぶ感覚をつかんだ方がいいと思うぞ」
「そう言われてもなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。なんで浮いてんだこれ」
それこの間授業で習ったぞ一夏君よ。
「説明しても構いませんが、長いですわよ?反重力力翼と流動干渉の話になりますもの」
「わかった。説明はしてくれなくていい」
「そう、残念ですわ。ふふっ」
「多分教えても無駄だぞオルコット」
それにしても、いつまで飛んでいればいいんだ。
「一夏さん、よろしければまた放課後に指導してさしあげますわ。そのときはふたりきりでー」
「一夏っ!いつまでそんなところにいる!早く降りてこい!」
いきなり通信回路から箒の怒鳴り声が響いた。てか箒よ、山田先生からインカムを奪うなよ。山田先生めっちゃ困ってるし。
「織斑、紅原、オルコット、急下降と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」
「了解です。では一夏さん、紅原さん、お先に」
そう言ってオルコットは地上に向かった。一夏はその姿を感心しながら眺めていた。
「うまいもんだなぁ」
「そうだな…先行って良いぞ」
「あ、ああ。じゃあお先に」
一夏は先に地上に向かった。すると、
ズドォォンッ!!!
地上に勢いよく墜落した。何がしたかったんだアイツは?俺もすぐ地上に戻ると織斑先生が一夏に何かしゃべっていた。
「馬鹿者。誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」
「……すいません」
一夏はとりあえず姿勢制御をして上昇し、地面から離れた。それにしてもどうするんだろうこの大穴。
「情けないぞ、一夏。昨日教えやっただろう」
教えてもらってできないのはダメだが、一夏から教えてもらった箒の擬音で教える練習方法。あれで教えられたら無理もないな。俺でも分からん。
「大体だな一夏、お前というやつは昔からー」
「大丈夫ですか、一夏さん?お怪我はなくて?」
「あ、ああ。大丈夫だけど……」
「そう。それは何よりですわ」
オルコットは微笑みながらそう言った。
「……ISを装備していて怪我などするわけがないだろう……」
「あら、篠ノ乃さん。他人を気遣うのは当然のこと。それがISを装備していても、ですわ。常識でしてよ?」
「お前が言うか。この猫かぶりめ」
「鬼の皮をかぶっているよりマシですわ」
お~こんなところで修羅場か、ようやるはこいつら。
「おい、馬鹿者ども。邪魔だ。端っこでやっていろ」
箒とオルコットの頭を押しのけて、織斑先生は一夏の前にたった。
「織斑、武装を展開しろ。それくらいは自在にできるようになっただろう」
「は、はあ」
「返事は『はい』だ」
「は、はいっ」
「よし。でははじめろ」
そう言われて一夏は六秒で武器を展開した。
「遅い。0.五秒で出せるようになれ」
確かに六秒は遅いがそれは早いだろ。
「オルコット、武装を展開しろ」
「はい」
左手を肩の高さまで上げ、真横に腕を突き出す。そして、一瞬であのスナイパーライフルを展開した。しかし、そのポーズの意味は?
「さすがだな、代表候補生。ーただし、そのポーズはやめろ。横に向かって銃身を展開させて誰を撃つ気だ。正面に展開できるようにしろ」
「で、ですがこれはわたくしのイメージをまとめるために必要なー」
「直せ。いいな」
「……はい」
「オルコット、近接用の武装を展開しろ」
「えっ。あ、はっ、はいっ」
オルコットは展開しようとするが,光の粒子はなかなか形どらなかった。
「くっ……」
「まだか?」
「す、すぐです。ーああ、もうっ!『インターセプター』!」
武器の名前を叫ぶと火の粒子は武器に変わった。けど、この方法確か初心者がやるやつだよな。オルコットにとっては屈辱的に違いない。
「……何秒かかっている。お前は、実戦でも相手に待ってもらうのか?」
「じ、実戦では近接の間合いに入られません!ですから、問題ありませんわ!」
「ほう、織斑との対戦で初心者に簡単に懐を許していたようにみえたが?」
「あ、あれは、その……」
「次は紅原。武装を展開してみろ」
「分かりました」
俺は返事をして、右手に漆黒の刀型武装『黒鷲』を展開した。
「よし。ほかの武装も出してみろ」
「あ、織斑先生。今この機体、武装はこの『黒鷲』と背中に付いているヤツと手にある砲塔しかないんです。他はまだ送られて来てないんです」
「そうか」
実際は嘘である。本当はまだ武装はあるが、ここでこの人に一気に見せるのはマズい。白騎士のこの人には。
後書き
ゴッドイーター2をやっていて投稿するのが遅れました。
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