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ヘタリア大帝国

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TURN100 マッドサイエンティストその二

「同志ロリコフ博士の協力で、どうするの?」
「博士の人造人間を使いましょう」
 そうしてだというのだ。
「まず前線にウナギ=バウラーを送り」
「あの娘に」
「そして工作部隊にもです」
「人造人間を使うの」
「そうすべきです」
 こうカテーリンに提案するのだ。
「これでどうでしょうか」
「他の人いないの?」
 カテーリンはゾルゲの提案を聞いたうえでまずはこう返した。
「あの博士以外の誰か」
「博士はソビエト最高の天才です」
「そのことはわかっています」
 カテーリンとて、だというのだ。このことは彼女も言う。
「ですがそれでも」
「あの人はですか」
「嫌いです」
 こうはっきり言い切る。
「それも上に大が四つつく位に」
「左様ですか、しかしです」
「今回はというのですね」
「同志博士のお力が必要です」
「わかりました」
 カテーリンは渋々ながらも頷いた、そしてだった。
 カテーリンはあらためてこうゾルゲに言った。
「それでは博士を呼びましょう」
「それでは」
 すぐにピンクの波がかった長い髪の毛の痩せた男が呼ばれた、眼鏡の奥の目は妙に変態じみている。白衣は似合っているが何処か怪しい。
 その博士がカテーリンを見て言うのだ。
「いやあ、幼女はいいですねえ」
「何でいいのよ」
「いやあ、まだ幼い身体に幼い顔立ち」
 いきなり変態じみた言葉である。
「そして可愛らしい声、幼女こそが最高です」
「若し私とミーリャちゃんに触ったら一週間御飯抜きだからね」
 カテーリンはむっとした顔になり彼に返した。
「いいわね」
「わかっております、幼女見て愛でるもの」 
 臓腑が腐りそうな言葉であった。
「私ロリコフはそのことを常に心掛けております」
「それで同志ロリコフ博士」
 ゾルゲはカテーリンの前で彼に言った。
「宜しいでしょうか」
「おおゾルゲ大佐お久しぶりです」
「実は枢軸への内部工作を考えていまして」
「その作戦に私の頭脳をというのですな」
「はい、そうです」
 まさにその通りだというのだ。
「それでなのですが」
「では人造人間を出しましょう」
「一人は前線に回して下さい」
 ゾルゲは博士にこのことも話した。
「そしてもう一人をです」
「工作にですね」
「後は我々秘密警察以外にも」
「戦闘員が必要ですな」
「そちらも回して頂けますか」
「喜んで」
 ロリコフはにこやかに笑ってゾルゲに答えた。
「そうさせてもらいます」
「戦争は前線で戦うだけではありません」
 ゾルゲの持論だ、そしてソビエトの戦い方でもある。
「後方を攪乱させる為にも」
「そうですね、それではです」
「後方を攪乱して」
 そしてだというのだ。
「特に今の枢軸の盟主である日本に仕掛けたいのです」
「そう、あの国は一番何とかしないと駄目よ」
 カテーリンは日本と聞いてすぐにこう言った。 
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