古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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白式vsビルドビルガー
「よくもまあ、あそこまで持ち上げておいて負けてきたものだな」
「うっ…」
一夏は試合が終ってピットに戻って次の勇太との戦いに備えて白式のエネルギー補給を行っている間にキョウスケと千冬から説教を食らっていた。
「機体の特性や特徴を理解せずの戦いだったから致し方ないともとれるが、少しは自分相棒の性能をチェックしようとも思えただろうに」
「すいません…。それとどうして俺負けたんですか…?」
「白式の単一能力、零落白夜は相手のバリアなどを無効化し、IS本体に攻撃を加えて直接ダメージを与える事で絶対防御を発動させて大きなダメージを与える事が出来る、だがその反面デメリットがある」
「デメリット?」
一夏は自分でも考えてみるが全く思い当たらないようだ。
「自身のシールドエネルギーを攻撃に転用するからだ。その為に自身のエネルギーを消費してしまう」
「な、成程…。それでエネルギーが尽きてしまった訳か…」
「要するに欠陥機だ」
「欠陥機!?」
一夏はキョウスケに自分の専用機が欠陥機だといわれて意気消沈してしまう。が、っとキョウスケが付け加えた。
「だがISというものは未だ完成形と呼べる様な物は一つとして存在していない。まだ発展途上と言った所だ。お前の機体は他のISと比べて攻撃特化機体とでも思っておけ」
「わ、解りました!」
「それとついでに教えておいてやろう。白式に装備されているリボルビング・ステークはアルトのステーク予備パーツを使用して組み上げたものだ。あれはエネルギーは食わんが弾数には常に気を使え、白式に搭載されているマガジンの数は5つだ」
「解りました!!」
その時、同時に白式のエネルギーチャージが終了した。一夏は白式をすぐさま纏ってピットから飛び出した。今度は相手を待たせないようにする為だ。そして、数十秒後、相手側のピットから青い機体が飛び出してきた。白式と同じ点はメインカラーは白っという点、肩や腕、足には紫に近い青が掛かっている。まるで何かを羽織っているような少し分厚い印象を受ける、左腕にはガトリングのようなホルダーから剣が顔を見せている。そして右腕には大きな鋏のような巨大な武器が付けられている。一夏のステークがカブト虫の角なら、あの大きな鋏はクワガタの鍬だろう。そして一番目を引くのはISでは珍しい全身装甲(フル・スキン)形である事。全身装甲のISなど数は全くない。IS操縦者はモデルような存在でもあり体を見せるのも仕事のうちに入る。そんな体を隠すようなISは数が非常少ない。
「待たせたか一夏?」
「いやそんなに待ってないぜ?それとそれがお前の相棒か?」
「ああそうだ!キョウスケさんのアルトアイゼンのコンセプトを受け継いだ『ビルドビルガー』だ!」
一夏はその名を復唱しながら自分の左腕にある杭を見る。この元々の持ち主である機体のコンセプトを受け継いだ機体。正直心が躍っている。
「楽しみになってきたぜ!!さあやろうぜ勇太!織斑 一夏、織斑 千冬の弟にしてキョウスケ・ナンブの強さを目指す者としてお前に勝つ!!」
「おおとも!大神工業所属大神 勇太、お前の決闘を受けて立つ!いざっ!!」
「「勝負!!」」
一夏は雪片弐式を振り被って勇太へとバーニアを一気に開放する。勇太は自らも得物である『コールドメタルソード』を抜いて白式を迎え撃つ、が爆発的な加速とスピードに乗った雪片は凄まじい力と勢いがあった。
「ぐっ!」
勇太も出力を上げて押し負けないようにするが、白式の推進力が上回っているのかじりじりと押されている。流石はアルトに搭載されていた大出力バーニア・スラスターだ。
「(にやっ)あらよっと!」
「おわっ!?」
勇太は出力をカットして、そのまま押し切ろうとしている一夏の雪片を受け流し、そのまま一夏の背後を取って、一気に出力を上げてそのまま真一文字に切り裂いた。一夏は食らいながらもバーニア出力を上げエネルギーをチャージしながら、今度はステークを起動させた。
「いくぞっ!今度はこいつで勝負だ!!」
「面白ぇ!こっちも行かせてもらうぜ!!」
勇太はビルガーの最大の武装である『スタッグビートル・クラッシャー 』を構えた。それに連動して大きく口を開いて今にも相手に食らい付きそうになる腕の鋏。勇太もエネルギーを集中させてバーニアを解放するタイミングを計る。静寂がその場を支配する。誰しもが固唾を呑んで勝負が決する瞬間を待った。
「「………っ!!」」
刹那、二人の視線が自然に重なった。そして溜まり溜められていたエネルギーが一気に解放され、凄まじい加速と速度を生み出し、必殺の一撃を互いにぶつけようとしていた。
「これが俺の突貫だ!打ち砕け!ステェエエエクッ!!!」
「1、2、クラッシュ!マキシマム・ビルガー・クラッシャー!アチョォォオオオ!!」
互いに必殺の一撃がぶつかりあい、火花と閃光を生み出す。一夏は眩い光も目が眩みそうになるが、構わずにステークを押し込んだ。勇太も唯押し返してるだけではなかった。鋏を開いて、ぶつけ合っていたステークを掴み、そのまま力の方向をずらして、勢いを殺し、そのまま白式を押し切った!そして壁に押し付けて、勇太はステークを離した。
「俺の勝ちだ一夏」
「ああ、俺の負けか…」
注目のクラス代表決定第2戦、軍配は勇太に上がった。
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