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ヘタリア大帝国

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TURN98 サイボーグ外相その十

「そうされたそうなので」
「それでか」
「はい、そうらしいです」
「マンシュタイン元帥は総統さんに忠誠を誓ってたよな」
「絶対のものを」
「何でそれで共有主義者になったんだ?」
 このことも謎だった。
「わからないことばかりだよ」
「考えれば考える程ですね」
「本当にな。どうなってるんだ」
「あの書記長には謎が多いですね」
「謎しかないか?そもそも貧しい農民の出だよな」
「家は」
 その生まれだということはわかっていた。
「グルジアの方の」
「ソビエトの辺境の星域だよ」
 モンゴルはこのことを言い加えた。
「カフカスっていう宙域のね」
「辺境ですか」
「本当にソビエトの辺境でね」
 モンゴルはそのカフカスのことも話す。
「ミーリャ首相やゲーペ長官もそこの生まれだよ」
「辺境からモスクワに攻め上がったんだな」
「まずグルジア軍を全て共有主義者にしてね」
 それからだというのだ。
「そこから討伐軍を全て組み入れていって」
「順調にいったんだな」
「有り得ないまでにね」
 モンゴルもこうまで評する。
「いったんだよ」
「やっぱり何かおかしいですね」
 シィルは首を捻って言う、その馬の首を。
「カリスマ性があるにしましても」
「ああ、魔術でも使っているのか?この世界でもあるからな」
 ゴローンが使っているそれだ。
「それか?」
「いえ、魔術にしてもです」
「強過ぎるな」
「カテーリン書記長はまさに女王です」
 それがどういった女王かというと。
「蟻達の」
「シロアリとかか」
「そういうものに近いのでは」
「言われてみればそうか、本当に絶対者だからな」
「幼女といってもいい娘が女王になるのは」
「妙なものがあると考えるのが普通だよな」
 ランスは腕を組み真剣に考えて述べた。
「百億の人間の頂点にあっという間に立ったことといいな」
「尚且つあれだけ完璧な統制ですから」
「カテーリン書記長は普通の人じゃないの?」
 ここでまたコアイが言う。
「そうなの?」
「そうとしか思えないな」
 これがランスの考えだった、彼もまたカテーリンについて妙なものを感じていた。
 その中でシベリアへ向かって出撃する、ソビエト戦はようやく枢軸軍の攻勢に入ろうとしていた。


TURN98   完


                          2013・3・19 
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