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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0430話

「うっ、ぐすっ……ラカンさん……」

 そんな声が聞こえ、闇の中から意識が浮上していく。そしてまず感じたのは妙に狭い場所に寝ていたんだということだった。どうやら俯せで眠っていたらしい。……あぁ、異形化状態だからか。
 そう理解するのと同時に、俺が眠っている場所はかなり狭いベッドだというに気が付く。そして聞こえて来るのは泣き声。

「って、誰ださっきから泣いてるのは」

 声を上げつつ起き上がると、そこにいたのは眼に涙を溜めているネギだった。

「……アクセル、君?」

 俺を認識し、ゴシゴシと目を擦って涙を拭うネギ。
 えーっと、どういう状況だ? そう思い、俺が寝る前の記憶を……

「あー、あー、あー、あー。思い出した思い出した。そうか、あの時に魔力を使い果たして気を失ったのか」
「え? え? 何の話?」

 俺の言葉に混乱しているネギをスルーしつつ、気を失う前の事を思い出す。
 確かフェイト達が用意したと思われる巨大召喚魔をどうにかこうにか消滅させたんだったな。

「ね、ねぇ。アクセル君。何でアクセル君がここで眠ってたの?」
「あー、そうだな。お前が気を失ったって言うか、失わせた後に……」
「ちょっ、僕の気を失わせたのってアクセル君だったの!?」
「そうだが? 何か問題があるか?」
「あるに決まってるよ!」
「じゃあ、あのまま闇の魔法を暴走させた方が良かったってのか?」
「ぐむっ……ま、まぁ、それは確かに助かったけど……」
「だろう? あのまま闇の魔法を暴走させていたらお前の侵食は取り返しの付かない事になってた可能性もあるんだから、感謝されても怒られる覚えはないんだがな」
「……ありがとう」

 どこかふて腐れながらも、それでもきちんと礼を言う辺りはやっぱり育ちがいいんだろうな。

「で、あの後何があったの?」
「あー……簡単に言えば合流地点だった地下貨物搬入口には無事に到着したんだが、外にフェイト達の仲間が召喚したと思われる巨大召喚魔がいてな。それを何とか俺達で倒した訳だ。……まぁ、その際に俺は魔力を使い切って気を失ってしまったんだがな」
「巨大召喚魔?」
「ああ。ヘラス帝国の龍樹を一撃で消滅させるような奴だな」

 まぁ、実際にはあの巨大召喚魔が強いとかそう言うのではなく、グレートマスターキーの力っぽかったが。

「そんな、あの龍樹が……」

 呆然とネギが呟いた丁度そのタイミングで俺達が眠っていた寝室のドアがノックされ、あやか、長谷川、龍宮の3人が入ってくる。

「アクセル君、ネギ先生。2人共気が付かれたようで何よりです。少々よろしいですか?」
「ああ。俺は問題無いが……ネギが、な」

 チラリとネギの腕へと視線を向ける。それに気が付いたネギが腕を隠そうとするが、龍宮にその腕を取られる。

「重度の急性魔素中毒の症状に似ているな。闇の魔法か。……このままでは正真正銘人では無くなるぞ?」
「だろうな。ネギ、これまでにも何度か言ってきたがここがいわゆる分水嶺って奴だ」

 普通に闇の魔法を使っているだけでも侵食は進むというのに、ネギの場合は両腕で術式兵装を使用しているのだ。確かに俺が使っていたような普通の闇の魔法に比べれば術式兵装の威力や自由度はかなり上だろうが、それは同時に闇の魔法の侵食率が高くなる事も意味している。倍……いや、その程度では済まないな。俺が闇の魔法を習得したのが修学旅行前で暴走を引き起こしたのが魔法世界に来てからだという事を考えると、恐らく二乗倍程度は進行が早いのだろう。

「でも、この状態で僕が闇の魔法を使わないと戦力が……」

 それもまた事実。俺達一行の中でネギはかなりの割合を占めている戦力でもあるのだ。そのネギが最大戦力でもある闇の魔法を使わない……否、使えないというのは極端な戦力ダウンになる。

「それに、父さんや母さん。紅き翼。これは僕の問題でもあるんだ。当事者でもある僕がアクセル君や皆に任せてただ見てるだけなんて真似は出来ないよ」
「……はぁ」

 今まで黙って俺とネギの話を聞いていた長谷川が溜息を吐きながら俺へと視線を向ける。

「諦めろ、アクセル。こうなったネギ先生は止まらねーぞ。……テオドラ皇女の魔法球を設置しておいたのは幸運だったな」
「しょうがない、か。確かにネギが戦えない事で戦力が足りないというのは困るし、両親に関係するのをネギ抜きでってのも気が引けると言えば引けるしな。だが、いいか? お前が戦闘に参加をするのはその闇の魔法の侵食をどうにか出来たらという条件付きだぞ」
「……うん。何とかしてみせるよ」
「長谷川、確か闇の魔法を習得する為の巻物はお前が預かってたな?」
「ん? あぁ、なるほど。どうせ侵食を何とかしないといけないんなら、確かにあの巻物に宿ってるエヴァンジェリンに指導して貰った方がいいかもな。……けど、お前じゃ駄目なのか? エヴァンジェリンは確かに闇の魔法を教える事が出来るだろうから今回の件では文句無く適任者だろうが、それを言うなら実際に闇の魔法の暴走を乗り越えたお前の方が適任者じゃねーのか?」
「ちょっと違うな」

 一筋の期待を込めた目で俺へと視線を向けている長谷川へと首を振る。その表情が落胆に染まるのを見ながら説明を続ける。

「俺の場合は闇の魔法の侵食、暴走。それらを乗り越えたんだ。それに対してネギは闇の魔法の侵食を押さえないといけない」
「どう違うんだよ?」
「あー、そうだな。簡単に言えばネギが目指しているのは人のまま闇の魔法を使い続けるという方法だ。で、俺がやった方法というのは闇の魔法の暴走を受け入れた上で乗り越える。つまり、人間より上位の生物に転生することで闇の魔法そのものが俺の普通の状態になった訳だ」

 そう言いながら人差し指を立て、その指先を白炎へと変化させて生命ノ宴により蝶のような炎獣を作って部屋の中を羽ばたかせる。

「分かったか? つまり俺に指導できるとしたら、ネギが人間のまま闇の魔法を使いこなすんじゃなくて俺のように人外の存在になる方法を教えるという風になる訳だ」

 もっとも、そっちにしても俺の場合はネギや近衛、あるいはナギよりも莫大だと言われる魔力を使い、それでも足りない分は俺に群がってきた数十万の精霊を喰らって魔力を補充し、さらには大量に溜め込んでいたPPすらもその殆ど全てを消費してようやく今の俺になった訳だから……恐らくネギが俺のようになろうとしてもまず無理だろう。いや、出来なくはないだろうがその場合は理性や知性を失った状態で暴走していつそれ等を取り戻せるのかは全くの不明だ。

「……いや、まぁ、うん。確かにネギ先生の指導はアクセルじゃなくて巻物の方のエヴァンジェリンに頼んだ方がいいな」

 俺の説明を聞き、あっさりとそう方針転換をする長谷川。……まぁ、俺に任せたら人外の存在になるんだときっぱりと言い切ったようなものなんだからそれも無理はないが。

「だろうな。何しろ闇の魔法を伝授する為の巻物だ。その辺に関しても何かいい知恵を持っているかもしれない。……それに俺もやらなきゃいけない事があるからな。ネギの手伝いをしている暇はないんだよ」
「僕の件はともかく、アクセル君のやる事って?」

 ネギの言葉に長谷川や龍宮が頷いているのを見て、あるいは何の心配もないとばかりに微笑んでいるあやかの様子を見ながら、脳裏に浮かんだ空間倉庫のリストからグランドマスターキーを取り出す。

「あ! そ、それって!」
「おい、そりゃあ確か……」

 ネギと長谷川の2人はその鍵を見て驚きの声を上げ。

「……それは確か宮崎が持っていた奴だな。そっちは結局奪い返されたが。……そうか、なるほど。そうなると確かに時間を取る必要があるか」

 龍宮はすぐに俺の考えを理解したのか納得するように頷いている。

「そうですわね。幾らアクセル君でも初めて使うマジックアイテムを自由に使いこなす訳にはいきませんものね」
「ああ。それに、この鍵の能力でラカンやクレイグ達は消された。なら、この鍵を上手く使いこなせれば消えた人達を戻せると宮崎が言ってたからな」
「そうか、そう言えばあの時にもうお前達は物資搬入口にいたんだったな」
「……龍宮さん?」

 俺の言葉に龍宮が感心したように頷き、その言葉にあの時は気絶していて話を聞いていなかったネギが不思議そうな顔を向ける。

「これは宮崎が調べた事なんだが、消えた人間を復活させられるかもしれないらしい。その鍵を使えばな」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。宮崎が決死の覚悟で得た情報だから間違いは無いだろう」
「じゃ、じゃあ僕もその鍵を!」

 そう言い、ネギが伸ばしてきた手を払いのける。

「アクセル君?」
「お前は鍵が云々というより前にまずは闇の魔法だ。それをどうにかしてからこっちに手を出してこい」
「そうですわ。ネギ先生、アクセル君の言うようにまずは自分の問題を解決してから次の行動に移した方がよろしいかと。別に全てをネギ先生が背負う必要はないのですから」
「いいんちょさん……」

 がっくりと項垂れたネギだったが、その持ち前のポジティブさですぐに元に戻る。

「とにかく、ラカンさん達を元に戻す為にものどかさんの知ってる情報を聞かせて貰わないと。……それに、アスナさんの件も……」
「神楽坂がどうかしたのか?」
「あ、いや! 何でも無いよ。とにかく僕もアクセル君も意識が戻ったんだし状況の確認をしないと」
「あぁ、それを言い忘れてたな。今はこの飛行魚で廃都オスティアに向かっている所だ。面子はオスティアにいた時の奴等と綾瀬、その仲間2人が追加されているな」
「これ1隻だけじゃ狭そうな気もするが……」
「アクセル君の心配も分かりますけど、この一大事に多少狭いくらいで文句を言うような人はいませんわ」

 あやかがそう締めくくり、俺達は皆の集まっている場所へと向かうのだった。





「皆さん、心配をお掛けしました」
『ネギ君!』

 ネギが顔を見せると、ネギの無事を喜ぶ声が上がる。
 ……いや、一応俺もいるんだけどな?

「何いじけてるのよ。ここにちゃんとアクセル君の無事を喜んでる人達もいるわよ」

 近づいて来た円が笑みを浮かべながらそう告げてくる。その背後には千鶴、美砂、茶々丸の姿もあった。

「いきなり気を失うんだから吃驚したわよ。まぁ、龍宮さんが魔力を消耗しきった為だって教えてくれたから安心したけど」

 美砂の声を聞きつつも、千鶴や茶々丸にもどこか責めるような視線を向けられるのだった。

「アクセル君、のどかさんが鍵の件で話があるって」
「ん? あぁ、分かった」

 これ幸いとばかりにその場を退散し、宮崎の方へと移動する。俺がきちんと聞いているのを確認してから宮崎が口を開く。

「完全なる世界のデュナミスという魔法使いの心を読み、彼等がこの世界の秘密に至る力を手に入れた事が判明しました。ここ数日の出来事です。名を『造物主の掟』と言い、この世界の創造主の力を運用出来る究極の魔法具、いわゆるマジックアイテムです」

 自分の話した内容を皆が理解するのを確認するように一瞥し、再び口を開く。

「『造物主の掟』は大きく3種類あります。まず1つは無数のマスターキー。戦闘用の簡易タイプです。ただし簡易と言ってもこれを持つ者に魔法世界人は絶対に敵いません。次により高度に造物主の力を模したグランドマスターキー。私がデュナミスから手に入れた物と、アクセル君がフェイトから手に入れた2つがこれです。……私の力不足でデュナミスが持っていた方は取り戻されてしまいましたが。そして最後の1つがグレートグランドマスターキー。そこから引き出せる力はこの世界の創造主と同等とされ、まさにこの魔法世界最後の鍵と言えます。この力を用いれば、恐らくパーティ会場での襲撃の時に消えてしまった人達も元に戻せる筈です」

 しん、と静まった部屋の中が次の瞬間には興奮の声で溢れる。
 すぐにでも出発してフェイト達に捕まっているだろうアーニャの救出や鍵を手に入れようという者もいたが、それを押さえたのはネギだった。
 ……まぁ、闇の魔法の件を何とかしないといけないから当然と言えば当然だが。
 そして話し合いの末に結局は皆でそこへと出向く事になるのだった。俺は反対したんだが、いざとなったら長瀬のアーティファクトがあると押し切られ修行や休息、あるいは作戦立案の為にダイオラマ球へと籠もることになる。
 当然俺もグランドマスターキーを使いこなす訓練をする為に時間はあった方がいいのでその辺に文句は無い。
 こうして、俺達は恐らくこの魔法世界最後の戦いの準備をするべく最後の休息と修行の時間を得るのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:393 
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