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生還者†無双

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爆破

 
前書き
眠いです 

 
「な…何が起こったんだ?」
耳を突き抜ける様な爆音
弾け飛ぶ飯
静まりかえる部屋
跳弾した弾が当たった者のうめき声が響く
耳鳴りと舞い上がった埃で状況がヨクワカラナイ
埃を払いながら入り口の方を見ると其処には…
バラバラになった扉の上に深緑の服を着た男が立っていた

「懺悔の必要はねぇな、ゴミ共にはよ」

空の弾倉を捨て新しいのを装填しながら呟く
鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔をしてやがる
派手に登場したは良いが弾の無駄遣いをしたな…
後頭部をボリボリかきながら周りを見回す
のたうち回る奴、死んだ奴、睨み返す奴
まぁ色々居るが問題はない

どうせ死ぬ

タボールを背中に回し、拳を握りしめると
人工筋肉がバキバキと音をたてて反応している
さぁて…どう料理して殺るかな

「何だてめ…ぐばじゅ!?」
「今、最高に機嫌わりぃんだ…何故か解るか?」

威勢よく刀を抜いた男が暁に近づいた瞬間
顔が吹き飛んだ
身体を捻り力を溜めた一撃
渾身の右ストレートが顔面に直撃した
ドチャっと顔の無い身体が床に倒れ血が拡がる

「ひぃ…」

無惨な仲間の死体を目の当たりにして恐怖が伝染する
人間業では無い
人間であるはずがない
目の前の緑の男が化け物に見えた
化け物が近づいてくる
ゆっくり、ゆっくりと
拳を振り上げながら…

「そ…そんな馬鹿な…」

10人居た部下があっという間に死んだ
吹き飛ばされたと言うべきか…
壁や床は一面血の海と化していた
皆、元官兵で腕には自信がある者だったのに…
これは…夢か?
夢に違いない、そうでなければこんな…

「よぉ大将、次はお前の番だぜ?」
「な…何で手前ぇ、こんな事を…」
「何でって?お前と一緒だ、胸糞わりぃからぶっ殺す」

酷くシンプルな答えにぐぅの音も出ない
歯の浮く様な正義を語る訳でもなく
ムカついたから殺す
返り血を浴びた男は薄ら笑いを浮かべている
狂っている…と感じたが己の今までの行いが頭をよぎる
殺りたい時には殺し、犯したい時に犯す
自分たちがやってきた事をそのままやられただけ
力こそ正義
それを体現した男が目の前にいた

「お…俺達は似たもん同士じゃあねぇか」
「あぁん?」
「お前の力と俺の軍団がありゃ恐い物なしだぜっ?手を組まねぇか!?」
「生憎なぁ…弱いもんとつるむ気はないな」

バン!バババン!

いつの間にか構えたタボールが火を吹いた
大男の両足に鉛弾をぶちこむ
弾は足の肉を抉り男は豪快に倒れ
ヒィヒィとうめき声を上げる
そんな男を尻目に暁は胸の手榴弾の安全ピンを外していた

「部屋を汚しちまった…まっ汚物は消毒ってな」

カチャンっと金属が床に落ちると男の目の前に転がる
ボンと音を立て弾け飛ぶと部屋は炎に包まれた
暁が投げたのは焼夷手榴弾
男は懺悔する間もなく火だるまになり絶命した

さてと…そろそろトンズラしますかね
砦の外壁に出て見ると何だか妙に騒がしい
バレたか?にしては砦の連中は余裕ぶっこいてんな
どうやら俺の事で騒いでいるんじゃあないらしい
外壁から様子を見ると野営していた連中が奇襲を
受けているようだ
それも統制の取れた集団に…

「桃香達…じゃあねぇな、早すぎる」

暗視双眼鏡を片手に戦場を見回す
【曹】の文字が書かれた旗が見えた
一方的な戦闘で砦に到達されるのも時間の問題であろう
この騒ぎに乗じてさっさと逃げる
そう意思を固めた暁は外壁を飛び降り
目の前に居る賊を片っ端から蹴散らした

「相変わらず歯ごたえのねぇ奴らだぜ」

最後の1人をぶん投げて走り出そうした瞬間

ドス

目の前に弓矢が刺さった

間髪入れずに顔と心臓付近にも矢は飛んできた
首を傾けて矢をかわして同時に胸の矢を叩き落とす
相当な手練れだな
野性的な勘か経験が警報を鳴らす
ゾクゾクする程の殺気

「こうでなきゃ楽しくねぇな、そう思わないか?嬢ちゃん?」
「秋蘭の矢をこうも簡単にいなすなんて、正直驚いたわ」
「良い所狙ってたがな、まぁ止まって見えたぜ」
「興味深いけど貴方に構ってる暇はないのよ」
「砦の賊退治でか?」
「そうよ、貴方も賊の一味かしら?」
「いや、俺は砦をぶち壊しにきただけだ」
「1人でご苦労様な事ね…私、嘘をつく輩は許さない主義…」

カチ

暁は手に持ったC4の爆破スイッチを押すと
砦に設置された爆薬が爆発して砦が崩壊する
地響きの様な音と大量の砂埃が舞い上がる
中にいた賊もろとも瓦礫が生き埋めにした

「こ…これは…」
「だから言ったろ?砦をぶち壊しにきたってな」

ただならぬ殺気を放ちながら男が睨む
緑の服を着た奇妙な男
これが最初の出逢いだった

 
 

 
後書き
空いた割に短い… 
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