世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!
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第十四話 本当のヒーロー!
七色ヶ丘公園
「まだかな~」
やよいが何やら手紙を持って待ち合わせをしていた。緊張しながら待っていると駐車スペースに車が止まりその人物が降りてきた。
「やよいちゃ~ん♪」
「直人兄ちゃん」
車から降りた直人がやよいに向かって手を振る。
第十四話 本当のヒーロー!
「どうしたの?急に?」
やよいに呼び出された直人。するとやよいは照れながら一枚の手紙を出した。
直人が受け取りその内容を読む。
「えっと?『黄瀬やよい様。この度イラストヒーローコンテストにご応募誠にありがとうございます。あなたの作品は当コンテストにて優秀賞を受賞致しました』え?凄いじゃないか!」
「えへへ・・・私優秀賞だって♪」
直人に向かってピースするやよい。
そして直人は続きを読んだ。
「『つきましては、最優秀賞のヒーローを立体化させていただきます』へぇ~ヒーローの立体化かどんなヒーロー描いたの?」
「これ・・・その名も『ミラクルカイザー』!!」
そう言うと直人にスケッチブックを見せるやよい。本物はコンテストに応募した為直人の為にわざわざ描いてきたのである。
詳しい設定を書き記し直人にわかりやすく必殺技や必殺武器を解説するやよい。
「これがどんな強敵でも一発で倒す!『ミラクルキャノン』」
「お!凄くかっこいい!!」
嬉しそうに直人に解説するやよい。
すると時計を見た。
「あ!もうこんな時間!直人兄ちゃん!私これから立体化の打ち合わせになってるんだ♪」
「そうか・・・よかったら送ろうか?」
「大丈夫!直人兄ちゃんをびっくりさせたいし!出来たら一緒に見てね♪」
「わかった」
そう言って公園から去るやよいを見送る直人も車に乗り帰路に着くのだった。
雑誌社
「ここか~」
やよいが指定された町はずれの雑誌社に入ると怪しげな男が迎え入れた。
「ようこそ・・・本日は我々のイラストヒーローの立体化にお越し頂きありがとうございます・・・」
慇懃無礼にふるまう男。するとやよいを奥に案内しやよいの考えた『ミラクルカイザー』の立体着ぐるみを見せる。
「おお!これは私の考えたミラクルカイザー!!」
目をキラキラ輝かせながらやよいが着ぐるみに触ると男は呟いた。
「よろしかったら被ってみますか?」
「ええ!?良いんですか!?」
という訳で早速ミラクルカイザーを被ってみるやよい。その時だった。
「オニイイイイイ!!」
男の背後からアカオーニが現れた。その事に驚くやよい。
「アカオーニ?どうして!?」
「こういう事ですよ・・・」
男が自分の顔に手をやり脱ぎ捨てるとその下にはジョーカーの姿が・・・
「ジョーカー?」
着ぐるみを着たままのやよいがスマイルパクトを取り出そうとするが思うようにいかない。
すると
「出でよ!ハイパーアカンベェ!!」
「え!?」
やよいに向かって黒っ鼻を投げつけるアカオーニ。
何とやよいを取り込んだままミラクルカイザーの着ぐるみをハイパーアカンベェへと変化させてしまった。体内に取り込まれてしまったやよいが脱出を試みようとするが効果が無い。
「アカオーニさん・・・これでジライヤは手も足もでませんよ?」
「おにいいいいいい!!待ってろジライヤ!!」
アカオーニの咆哮が周囲に響き渡る。
翌日
七色ヶ丘商店街でみゆき・なお・れいかの三人はやよいに誘われ編集社に向かっていた。
「楽しみだね~やよいちゃんのヒーロー♪」
「そうだな~しかしやよいの頑張ってる姿を逃すとはあかねも気の毒だよね~」
「何かの合宿と聞きましたが」
あかねはまだ戸隠流の合宿から帰ってきていない為不在である。
そして編集社に辿り着いたみゆき達は正面玄関で問答している直人の姿を目撃した。
「確かにここだと聞いたんですけど」
「いやぁ・・・そんな事言われてもね・・・」
「どうしたんですか?」
みゆきが直人に尋ねてみると編集社の人が答えた。
「ですから。何度も言うように私たちは頂いたヒーローを立体化するという企画はやってないんです」
「どういう事?」
「あたし達、確かにやよいから聞いたよ?」
みゆきとなおが首をひねると編集社の人が何かを思い出したかのように手紙を出した。
「そう言えば・・・女の子が尋ねてきたらこれを渡してほしいと頼まれましたね」
みゆきがそれを受け取り皆の前で広げるとこう書かれていた。
「『キュアピースを返してほしければジライヤを連れて来い・・・A』・・・これって」
「まさか!?」
バッドエンド王国からの挑戦状である事を確信するれいか。挑戦内容からみると確実にジライヤを倒す為の挑戦のようだ。
だが
「どうしよう・・・ジライヤさんと友達のあかねちゃんが居ない・・・」
「・・・私たちだけでやるしかないようですね」
れいかの決断に直人の耳と目が手紙の内容を聞き分けた。手紙には指定された廃工場までの地図が描かれているとその図面を記憶する。
「じゃあ・・・悪いけど僕はこれで失礼させてもらうよ?」
「あ・・・はい!(急いであかねちゃんを探さなきゃ!!)」
何も知らないように振る舞う直人とみゆき達が別れると、直人の表情が険しくなり車に乗り込んだ。
廃工場跡
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
機械音と共に周囲を警戒しながらジバンが指定された廃工場跡に辿り着くと何かの気配を感じ取り工場内に入った。
「やよいちゃんは何処に・・・!?」
ジバンが薄暗い工場内の気配に向かうと急にライトアップされ気配の正体が映し出された。
「あれは!やよいちゃんの考えたヒーロー!?」
やよいが考えた最強ヒーロー・ミラクルカイザーを目にしたジバンがサーチするとその体内には・・・
「!?やよいちゃん!!」
『!?直人兄ちゃん!?』
ジバンの声が聴こえたやよいが体内から叫ぶ。するとジバンの背後から現れるジョーカー。
「おや・・・ジライヤを呼んだつもりだったのですが・・・あなたが来ましたか・・・ジバン」
「ジョーカー!」
マクシミリアンガンをジョーカーに向けるジバン。
「貴様!やよいちゃんに何をした!?」
「簡単な事です・・・彼女をアカンベェの体内に取り込みました・・・アカンベェごと彼女を倒すことが出来ますかね~ジバン」
「何!?」
ジョーカーの挑発にジバンが怒るが背後からハイパーアカンベェに攻撃されるジバン。
「ぐ!!」
「おにいいいいいいい!!」
アカオーニのパワーがプラスされたハイパーアカンベェを抑え込むジバンだが徐々に足元が沈んでしまう。
咄嗟にマクシミリアンガンを放とうとするが内部に居るやよいにまで攻撃してしまい怪我をさせてしまう。
「く!!」
マクシミリアンスティックに切り替え電気ショックを与えるが効果が少ない。
するとアカオーニが跳躍しミラクルカイザーの必殺技を繰り出した。
「ミラクルカイザーキック!」
「ぐああああああ!!」
強烈なドロップキックを食らい火花を散らしながら吹き飛ぶジバン。そして追撃の必殺技を繰り出した。
「ミラクルサンダー!!」
「!?」
ハイパーアカンベェから放たれた電撃がジバンの身体を飲み込みエネルギーを放電させてしまった。
「ぐあ・・ああ・・」
〈DANJER・・・DANJER・・・〉
瞳が点滅を初め警告を告げる。
自分の作ったヒーローのせいでジバンが傷ついていく姿を内部から見せつけられるやよいがたまらずに叫んだ。
「直人兄ちゃん!私ごと倒して!お願い!もう直人兄ちゃんが傷つくのは見たくない!!「第三条!」直人兄ちゃん?」
やよいの言葉にジバンが立ち上がった。
「機動刑事ジバンは・・・人間の生命を最優先とし・・・それを顧みないあらゆる命令を排除することが出来る!!」
「直人・・・兄ちゃん・・・」
傷つきながらも立ち上がり絶対にあきらめないジバン。その姿にやよいも腹を決めた。だがアカオーニは構わずジバンに飛び掛かった。
「くたばるオニいいいいい!!」
アカオーニのパワーがジバンを締め付ける。
「どうすればいい!?どうすればやよいちゃんを助けられる!?コンピュータ!教えてくれ!!」
アカオーニの攻撃を受けながらジバンが蹲ると基地で真由美とボーイが必死に分析していた。
「ジバン!待ってて!今データを転送するから!!」
するとジバンにデータが転送されスキャン映像が送り込まれた。そして人間として決断をした。
「やよいちゃん!今からそいつの腹を斬る!出来るだけ身体を縮めて!!」
『うん!』
ジバンの言うとおり身体を思い切り縮めるやよい。するとサーチでそれを確かめるジバンはマクシミリアンソードを構えた。
「でああ!!」
『オニイイイイイ!!』
腹を斬られたアカオーニが蹲るとジバンが体内に手を入れやよいを引っ張り出した。
「でい!!」
飛び出たやよいを受け止めるジバンがその場に倒れ込んだ。衝撃でマクシミリアンソードを落してしまうジバン。
「な!直人兄ちゃん!!」
「やよいちゃん・・・無事か?・・・」
身体中から煙を上げるジバンの言葉に頷くやよい。それを聞いて安心したのかジバンは立ち上がりアカオーニに向かって構えた。
するとやよいも決断しスマイルパクトを構えた。
「プリキュア!スマイルチャージ!!」
ジバンの目の前で変身しキュアピースになるやよい。
「ピカピカピカリン!ジャンケンポン!キュアピース!!」
変身するとジバンの前に立つピース。
「やよいちゃん?」
「今度は・・・私が直人兄ちゃんを守る!!」
マクシミリアンソードを拾い上げアカオーニに向かって構えるピース。
「てあああああああああああ!!」
アカオーニに飛び掛かりマクシミリアンソードを振り下ろすピースだがその一撃を受け止められ吹き飛ばされてしまう。
「きゃ!」
バランスを崩すピースを受け止めるジバン。だが瞳が点滅は収まらない。
「く・・・う・・・」
〈DANJER・・・DANJER〉
ジバンの脳裏に警告表示がされると・・・
「直人兄ちゃん!」
「ぐ・・・エネルギーが・・・あ・・・ああ」
凄まじいダメージを浴びたジバンが蹲りエネルギー切れの警告が表示された。
「エネルギー・・・そうだ!!」
ピースが何かを閃きスマイルパクトに気合を込めた。
「待ってて・・・直人兄ちゃん!」
凄まじい電撃を纏うピース。
そして
「プリキュア!ピースサンダー!!」
ジバンに向けてピースサンダーを放った。
「!!」
ジバンの身体をピースサンダーが駆け巡るとピースは出力を上げた。
「うううえええええええええええいいいいいいいいいい!!!!!」
ピースの最大出力のピースサンダーを浴びたジバンは・・・
「力が・・・力がみなぎる!!」
立ち上がった!!
ジバンへの想いの込められたピースサンダーのエネルギーを吸収し真の力を開放する。
「!!」
背中に巨大なブースターを背負い右腕に巨大なドリルが左腕に巨大なハサミが装着された。
「!!」
ジバンの最強の姿パーフェクトジバンがここに光臨した。
「く!こいつもパワーアップしたオニ!!」
プリキュア・ジライヤに続きジバンの第二形態に驚愕するアカオーニ。
そしてジバンは腰から電子手帳を取り出すと額の紋章が輝き胸に星のエンブレムが輝いた。
「警視庁秘密捜査官警視正!機動刑事ジバン!」
「くう!!」
電子手帳を掲げながらアカオーニの元へ歩むジバン。
「対バイオロン法第一条!機動刑事ジバンは!いかなる時でも令状なしに!自らの判断で犯人を逮捕することが出来る!また・・・人の心に絶望を与えるバッドエンド王国に対し・・・機動刑事ジバンは同様の権限を持つ!!」
「!!」
ジバンの電子手帳の威圧感に後ずさるアカオーニ。
「第二条・・・機動刑事ジバンは相手がバイオロン・・・バッドエンド王国と認めた場合!自らの判断で犯人を処罰することが出来る!!」
「オニイイイイイ!!」
恐怖のあまりアカオーニがジバンに襲い掛かった。
「!!」
アカオーニの乗るハイパーアカンベェのパワーを真っ向から受け止めるジバン。地面を削りながら踏みとどまろうとすると背中のダイダロスが火を噴きアカオーニを完全に受けとめた。
「馬鹿な!!?」
「パワーブレイカー!!」
「おにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
ハイパーアカンベェを挟み込み万力の様に締め付ける。脱出しようにもあまりの圧力に脱出できないアカオーニ。
「第二条補足・・・場合によっては抹殺する事も許される!ニードリッカー!!!」
ニードリッカーでハイパーアカンベェを突き刺した。
「オニイイイ!!」
ジバンの猛攻に後ずさるアカオーニだが攻撃の姿勢を止めない。
「こうなったら奥の手オニ!?」
アカオーニの腕に巨大な大砲が召喚される。ミラクルカイザー最強の武器・ミラクルキャノンだ。
「がああっははっはっはっは!こんなのお前には無いオニ!!」
巨大大砲をジバンに向けて構えるアカオーニ。
すると
「オートデリンガー!!」
ジバンの手に巨大な大砲・オートデリンガーが召喚されアカオーニのハイパーアカンベェに向かって構えた。
「ぐ!お前も持ってたオニ!?撃ち合って勝負オニ!!」
アカオーニの大砲にエネルギーが充填されていく。
「エネルギーチャージ!!」
オートデリンガーのエネルギーがフルパワーになり・・・
「食らえええええオニ!!」
ミラクルキャノンが放たれると同時に・・・
「オートデリンガーファイナルキャノン!!」
ジバンのオートデリンガーから巨大な光が放たれると反動で下がるジバン。
二つの光がぶつかり合うが、いとも簡単にオートデリンガーに押し返されると直撃するアカオーニ。
「おにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ハイパーアカンベェの爆発と共に爆風で吹き飛ばされ大空の彼方に消えていくアカオーニ。
するとハイパーアカンベェの爆発で工場内の至る個所で爆発を起こすとジバンがピースを抱きかかえ脱出を図る。
「ここだよ!」
あかねに連絡が取れなかったため自力で助けることにしたハッピー達が既に崩壊を始めた工場跡を目の当たりにした。
すると
爆炎と機械音と共にジバンがピースを抱きかかえて脱出をしていた。
「「「ピース!」」」
ハッピー達が駆け寄るとジバンの腕の中で目を覚ますピース。
「みんな・・・え!?うわわわわわわわ!!」
意識を取り戻した瞬間ジバンにお姫様抱っこされている事に気づきあたふたしてしまうとジバンのバイザーが開きピースを優しくおろした。
ピースのあまりの慌てぶりに思わず笑ってしまうハッピー達。だが無事で安心している。
そしてジバンがその場から去りハッピー達が変身を解くと入れ替わりにサイレンを鳴らして現れる直人の車。
「あ!やよいちゃんごめんごめん!今日道が混んでて♪」
「直人兄ちゃん!」
直人がジバンだという事を気づかれないように掛け合いをするやよい。その為かみゆき達もまさか直人がジバンだとは思わないようであり、皆で直人の車に乗りと廃工場を後にするのだった。
翌日、直人たちが雑誌社に働きかけ本当に心に思い描いたイラストヒーローが立体化することになり集まった子供たちが笑顔に包まれるのだった。
後書き
ジライヤの登場により自信喪失してしまったみゆき。すると遠くからジライヤを眺めることを提案された。危機に陥るジライヤを目の当たりにしたみゆきの行動は・・・
世界忍者戦ジライヤ×スマイルプリキュア!
ジライヤの危機!立ち上がれハッピー!
みんな!見てね♪
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