BALDR SKY
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11SASで取りあえず女の子を買おう
SAS(東南アジア州)にやって来ました。どんどんぱふぱふー。可愛い女の子をお持ち帰りだぜーという感じで行きたいと思うが、そんな単純じゃねえ。それにここはエルピス社の保有する州政府委託軍PANDORAが存在する。まあ、いざとなればGOAT委託軍の権限を使えるけどね。
「ここはどういう所なのですか?」
市場を歩いていると、レインが質問してきた。
「GT.ICE(超過防壁)というのでネットが封鎖され、リアルも防壁で封鎖されている場所だな。それにネットは常に見られている感じがする黒犬症候群(ブラックドッグシンドローム)というのがある」
「詳しいな。その情報であっている。だから、長時間の接続は止めろ。発狂するからな」
「分かりました」
「私は平気ですが……」
「エセルドレーダだしな」
既に発狂していれば、何ら気にする事もないだろうしな。
「あの、それでどこに向かっているのですか?」
「高級娼館だ」
「え?」
「そこに情報屋をしている奴がいる」
マシュマロマン事、ディオニシオ・ウルセライ中将か。高級娼館田舎娘と情報屋を営んでおり、金銭ベースで物事を考える。その太った身体や柔和な態度も含めて、したたかな人物だ。
「付いた」
高級娼館の中に入る母さんに、レインは真っ赤にしながら俺の手を握って入っていく。色々と知識をノイ先生に植えつけられたようだ。
「案内しよう」
緑の軍服軍人が現れた。髭が素敵なダンディな男性か女性かわからないマクシーム大佐だ。おそらく男性だろうとは思う。案内されて、高級娼館の中を移動する。
「連れて来ました」
「はいれ」
中に入ると、やっぱり大きな太った男性が居た。
「マシュマロマン……」
「ふむ。それはいいな。おっと、それよりも要件を聞こうか、ヘイゼル大佐。先ずは座りたまえ」
細長い円状の机に並べられた高級な椅子に座る。
「ああ、簡単だ。SASの拠点とし一室借りたい」
「ふむ。金次第だな。私は金が好きだからな。金があれば、世の中のほとんどの物は手に入る」
「ほら」
母さんが金を振り込んだようだ。
「マクシーム大佐、案内してあげてくれ」
「了解」
「あ、俺は個人的な交渉があるから先に行ってて。エセルドレーダは護衛を頼む」
「イエス、マイマスター」
「わかった。行くぞ」
「うん。またあとで」
母さんがレインを連れて出て行った。俺はマシュマロマンと対峙する。
「さて、お金になる事かな?」
「なる。情報次第では言い値でいいよ」
「ほう、聞こうか」
「まず、アップルと呼ばれている女の子を探してくれ」
「ふむ」
「後はここに居るフェンリルのスコール部隊の構成員名簿をお願いしたい。それとWALRUS(ウォルラス)の基地情報。ヴィクトール・グットマンのスケジュールとかも欲しいな。後はシットウェの訓練所に居る電脳症の少女、メイ。もちろん、極秘で。メイは購入したい。これは別で金を払う」
「高いぞ」
「いくら欲しい?」
「1億」
「いいだろう」
即決で金を振り込んでやる。
「これは驚いた。交渉すらしないとはわな」
「釣りはいらない。これからの手付金だ」
「よかろう。超特急で調べてあげよう。アップルという少女だが、こちらだな。孤児のようだ。裏から手を回して購入もできるが、どうするかね?」
「買う。そっちも任せよう」
「では、決定だ。400万で売るそうだ。メイという少女は……ああ、500万だな」
やっすいな。まあ、メイは電脳症で足が動かないし、アップルはただの孤児だしな。
「では、2000万支払う。残りの金は好きにしてくれ」
「うむ。こちらも手配しよう。近衛を動かした。直ぐに連れてくるだろう。サービスに綺麗にして渡してあげよう。ボクは金払いのいい客は好きだからね。フェンリルについては後で情報を送ろう」
「よろしく頼む」
メイは悪いが実験台になってもらう。フランという成功例もあるし、樹形図の設計者も使うから失敗はしないと思うが、保険だ。その後、彼女は俺達のPMCで働いて貰えばいい。リーナ・エイプルトン事アップルはサポート要因としてぜひ欲しい。特にリーナはグットマンに拾われるが、メイに関しては解体されて売られるので助けられるならそっちの方が良い。
「では、以上かね」
「ああ」
「案内させよう」
娼婦だろう1人が入ってきて、案内してくれた。胸が大きいな。後ろから腕に抱きついているエセルドレーダが一生懸命に胸を押し当ててアピールしているが……成長の期待は無理だな。作ったのがノイ先生だし、自分で肉体を作り変えるのもできないだろう。下手したら人型という根幹部分が崩れる事になるからな。
「ここです」
「ありがとうございます」
「何かあった言ってね、坊や」
「はい」
「お嬢さんも、男を喜ばせるテクニックを教えてあげるわ」
「ぜひ」
「ふふふ」
「まだ早いから駄目だ」
行こうとするエセルドレーダを引っ張って部屋に入る。部屋はピンク色で、部屋の殆どをキングサイズの巨大ベットで占めている。
「お帰りなさい」
「ただいま。母さん、使えるようになる2人を買った」
「人身売買ですか!」
「ここでは普通だしね。でも、育ててPMCの戦力にするだけだから。後、新しいシュミクラムとか作りたいしね。その乗り手の育成も早い段階の方が良いから。それと、レイン……僕達って、友達いないじゃん。なら、仲間を増やした方が良いかなって」
「確かに……そうですね」
学校でも基本的にかかわらない。相手は殆どが人工的に遺伝子を改良されて生まれたデザイナーズ・チャイルド(被造子)だったり、反AI派で、セカンド・ジェネレーション(第二世代)または第二世代電脳化処置者はロボット扱いされたり、色々と問題がある。
「ぶっちゃけ、馬鹿な連中に付き合うのって、疲れるし……」
「そうです。愚かにもマスターを愚弄しようなど、マスターが止めなければ生きたまま溶かしてやるものを……」
「あははは、わ、分かりました。仲良くすればいいのですね」
「そうそう」
「まあ、私もマジェスティックオークションに参加して戦力を手に入れ用としていたからな。構わん」
母さんもマジェスティックオークションで人間を買いに来たのか。マジェスティックオークションは二年に一度シットウェで行われる人間オークションだ。兵隊にするために養殖され訓練を重ねてきた少年少女がシュミクラムによる総当たり戦を行う。その成績で決められた上位8人が莫大な金額で企業に購入される。
「じゃあ、ちょっと散歩してこようかな」
「拡張もしておいたから、ここからダイブ出来るぞ」
「わかった。エセルドレーダはレインや母さんと一緒に居て」
「分かりました」
「じゃあ、私達は買い物に行くか」
「「はい」」
3人を見送って、ログインする。徹底的なジャミングを自身に施しつつ
、ダイブする。ダイブしたら、ガンダム試作1号機フルバーニアンでモノステラ(黒い結晶状の四角い石碑めいたアーコロジー区画)にある州政府が利用しているバルドル・マシンの回廊へと侵入する。光学迷彩とジャミング、ハッキングを利用して、警備システムや警備の目を掻い潜る。普通なら、モノステラは物理的に隔離されているが、例外がある。軍部が監視している入口や外への通信、ネットの閲覧などどうしても微かにつながる。その瞬間に移動する。本来はセキュリティがあるのだが、そんなの関係無いチート状態なので、今の間だ。すニーキングミッションを行い、州政府のコアへと到達出来た。そこから情報を引っこ抜いて、バックドアを仕掛ける。WALRUS(ウォルラス)の基地情報を手に入れたら、バルドル・マシンへの回廊へと移動する。コアから奪った物もあるが、問題無く通れた。おそらくこれがあるから、真はドミニオンの巫女とか言われているんだろう。
「さて、この回廊の下か」
深淵を覗くような真っ黒な世界に作られた道から降りたら、大変な事になる。まあ、解析は住んでいるし、基地が作られているのも確かだ。よって、突入する。そも、フルバーニアンは宇宙用期待で、短時間なら飛行も可能だ。ゆっくりと降下して、移動ポイントを発見したので移動する。さぁ、ここからが問題だ。武装はビームライフルとチェーンソー。光学迷彩を使っているとはいえ、どうなるかな。
「おい、実験体はどうなっている?」
「もうすぐフェンリルの変態狼がSASから出るそうだ。その時、強襲して奪い取る」
「わかった。それまでに研究を完成させるよう、要請をだそう。しかし、む?」
「どうした?」
「気のせいか。いやいい」
男がふたり通り過ぎた。そのまま通り、他の研究者達を無視して奥へと進み、コンソールから時間をかけてバレないようにデータを奪っていく。そして、奥に到着すると、そこはいくつもの培養槽が立ち並ぶ区画だった。その中に居るのは青く長い髪の毛をした裸の少女達だ。彼女達は実験で作りだされた。接続者に適応した為、門倉八重の遺伝子を元に改造して作り出されているのだ。欲しい情報を手に入れたら、論理爆弾とバックドアを仕掛ける。後はヴォーダン達の作戦予定を調べ上げる。使われる実験施設にも侵入したいが、今日は止めておいて離脱する。
「ふう……」
「あ、起きた」
「起きましたね……」
起きると知らない幼い少女が2人居る。赤い髪の毛と茶色の髪の毛だ。慌てて日付を確認すると、既に2日経っていた。
「マスター、ご無事でなによりです」
「おはようございます、お兄様」
「おはよう。2人がそう?」
「はい。マスターの代わりに受け取りました。メイはいいのですが、そちらの子は名前が無いのでマスターが付けて上げてください」
「じゃあ、リーナ・エイプルトンで」
「分かりました。これからよろしくお願いします、ご主人様」
「よろしくお願いします」
「それは……まあいいか」
女の子からご主人様とか呼ばれるのも有りだ。メイド服でも着せれば完璧だな。駄目だ。思考がノイ先生に毒されている。まあ、しばらくはそれでいいやという結論に達した。成長したら変えてもらおう。教育する上で必要だしな。
「取りあえず、お腹空いたから何か食べよう」
「それなら、そこにサンドイッチがありますよ」
「ありがとう」
リーナにお礼をいって、サンドイッチを貰う。皆はトランプで遊んでいるようだ。
『母さん』
『起きたか。それで、そっちはどうだ?』
『こっちは問題無く。一週間、滞在を延長したいけど大丈夫?』
『平気だ。勲にも連絡しておこう。それで、何をしでかす気だ?』
『この施設を襲撃する』
情報を送る。
『ほう、ここか……エセルドレーダなら余裕で制圧できるな』
『制圧後、実体で俺とメイも突入する。母さんには制圧後、フェンリルの足止めを頼んでいい? リアルはエセルドレーダが出るし』
『構わんぞ。そうだな、レインが空くならこちらに回せ』
『了解』
これでタイミングが勝負だな。フランとその母親であるカティアを拉致させ、カティアがサルベージされる前に救出する。そして、メイとフランに同一体(スワンプマン)技術による電子体を分割して二つにする事。これによって、電脳症部分を分割できれば問題無い。奪った技術を持ち前の技術と合わせて樹形図の設計者で完成させる。電脳症の部分も奴らが大量の人体実験をした御蔭で、そのデータからピンポイントで割り出されるようになった。後はメイを診断して、おけば問題無い。ヴォーダンとフリントはさっさと殺す。その後、予定通りヴィクトール・グットマンと対決だ。いや、このさい、スコールの本拠地も襲撃して落としてしまうか。こっちは後だな。
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