BALDR SKY
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10顔合わせとこれからの予定
あれから数ヶ月が経った。俺はナズーリンランドの警備用にエクシアボール、ユニコーンボールを作成して、ナズーリンランド内に配置した。案内用に色々な色のハロも用意した。シュミクラム用のバトルステージにフルアーマーユニコーンボールを配置した。こいつらの扱いはシュミクラムでは無い無人機、ウイルスだ。ちなみに売上はたのしい事になっているので、NPCとしてにとりとかも作った。ゼロのマルタのように限りなく人間に近くしてある。
「お兄様、この人は誰ですか?」
「マスター、この小娘は誰ですか?」
現実逃避をしていたのだが、左右から俺に抱きついて、睨み合ってお互いに俺の服の裾を引っ張っているレインとエセルドレーダが許してくれない。ちなみに現実で、エセルドレーダの身体はかなり小さくレインや俺と同じくらいだ。
「はっはは、早速修羅場だな」
「そうだな。それより、ちゃんと問題無いんだろうな?」
「当たり前だ! この私とシャルが作り上げたのだぞ! 生殖行為から、子供の作成まで可能だ。そして、身体は無数のナノマシンにより自己進化を繰り返し、戦闘モードは体の変化すら可能。歩く全身凶器だ。シャルが作った弾道予測プログラムから、ジャミング装置に治療用ナノマシンをはじめ、暗殺用ナノマシンまで全て体内で生成可能で、その身体能力は常人の約100倍! サイボーグが45倍程度だから、その凄さがわかるだろう」
「もういい。確かに護衛としては充分か」
「うむ。即死でない限り助けられる。私の治療技術も叩き込んだからな」
「それがアレか」
「アレだ」
こちらを見ながら、グラスに入った酒と氷を揺らしてつまみを食べたり飲んだりしながらこちらを楽しそうに見る2人。
「にゃぁぁぁっ!!」
「ぐるるるるっ!!」
犬と猫の映像が映し出されている気がする。
「というか、止めろ。レインもエセルドレーダも仲良くしろ」
「「で、でも……」」
「二人共、俺にとっては大事な子だ。それとも、悪い子は両方捨ててやろうか?」
「「びくっ!?」」
「お仕置きでもいいな。シュミクラムをひたすら撃墜するとか、24時間耐久究極バトルサバイバルとか」
「「ひぃっ!?」」
ガクガクブルブルと震える2人は、不安そうにこちらを見上げてくる。
「俺は二人共好きだから、喧嘩する姿は見たくない」
「わ、分かりました……」
「ま、マスターのお望みのままに……」
「じゃあ、握手だ」
「よろしくお願い……します……」
「わかった。マスターの次に守る」
これでこちらは大丈夫だろう。ちなみにレインには練習用のシュミクラムを渡してある。クシャトリヤの骨組みだけで、メガ粒子砲とファンネル数機しかないけどな。
「ふむ。ハーレムか……面白そうだな。おい、私も数年後に混ぜろ」
「ちょっ」
「別に構わんではないか。ノイも独り身で寂しいのだろう」
ノイ先生が凄い事を言って来たけど、本人が言っても全然不思議じゃない言葉だ。女の子も大好きだしな。
「そうだぞ~。ここ数ヶ月、シャルがいなくなっただけで寂しかったのだからな! まあ、エセルドレーダに洗脳されたとも言えるが。こいつときたら……ひたすらシャルの子供の頃からの録画映像を見てたからな」
「なっ!? そんなのがあるのか!」
「あるに決まっているだろう。私がノイに言って送らせていたからな」
「ふっ、あの部屋はどこかしこにでも偽装された監視カメラがあるからな」
「ちくしょう」
絶対消してやる。
「みたいです!」
「レインっ!!」
「じゃあ、皆で鑑賞会をするか」
「ちょっ!」
「エセルドレーダ、押さえろ!」
「はっ」
ノイ先生の命令に瞬時に行動したエセルドレーダが俺に抱きついて行動を阻害してきた。抜け出そうとしても、移動しようとしても出来ない。力の差がありすぎる。
「ちょ、マスターは俺だろ!」
「すいません、マスター。私はノイに逆らえません」
「コントロール装置は私が持っているからな!」
「なんでだよ!」
「馬鹿か、貴様は! こんな危険な存在を首輪も無く放し飼いにできるか! 首輪は私とお前で持つ」
渡されたデータは本物のようで、エセルドレーダの肉体を破壊する為の物だった。ぶっちゃけ、自己増殖能力を持った次世代型ナノマシンアセンブラより危険だ。暗殺用ナノマシンとかを放出すれば生きながらにして溶かすとかも可能なのは当然として、それを操り、毒殺とかも平気で出来るのだ。例えば、扉だって溶かせてしまうので止める方法がほぼない。肉体そのもの遥かに高い性能だからな。
「電子体は常に無事だから、爆破に気にする必要も無いから機密保持の為にも爆破しろよ」
「了解って、だから再生を……」
「お兄様、黙ってて!」
レインが見ている。その間にエセルドレーダは俺にたっぷり甘えてくる。仕方無いので、エセルドレーダを連れて部屋に戻る。するとベットに寝転んだ俺の上で、すりすりして犬耳と尻尾を出していた。
「そ、それは?」
「肉体変形用のナノマシンで作りました」
なんだろ、ブラックキャットのイヴとか、エンジェルビーツの奏みたくなってるな。
「まあ、いいか。それより、これからよろしく頼む」
「任せてください、マイ・マスター」
エセルドレーダの頭を撫でながら、分割思考でクシャトリヤを完成まで持っていく。肩部に装着された計4枚のバインダーが特徴的なクシャトリヤだが、多数のサイコミュ兵器と大火力な武装や複雑な武装を一機で保有するシュミクラムの操縦は難易度が高く、特別な制御プログラムと、特殊訓練、膨大な演算能力に数学的知識や、空間認識能力が必要だ。当然、これはレインに施している。演算能力はレインの体内にある大量のナノマシンによって、容量を増大させている。ブレインチップもナノマシンとの融合により、大容量化しているので特別な制御プログラムも問題無い。そう、実際にサイコフレームを作ってシュミクラムに搭載したのだ。バンシィ達に使っている擬似サイコフレームではなく、意思を力に変える本物のサイコフレームだ。ただ、改造してナノマシンなどで使えるようにしているが。言ってしまえばAIを自身の意思で塗りつぶして操作を可能にする接続者と同じ様な事も出来る可能性がある。この辺は意志力次第なので知らない。
「お兄様」
「お帰り」
気分が良さそうなレインにさっそく完成したクシャトリヤを送る。
「私も甘え……」
「先に訓練だ。完成したんだから使ってもらわないとな。レインが使いこなせるまで、旅行とかいけないんだから」
「はい……」
「エセルドレーダ、相手をしてやれ」
「イエス、マスター」
それから、レインにシュミクラム戦闘……クシャトリヤの使い方を徹底的に教え込んだ。だが、それでもまともに使えるようになるのは2年の歳月が必要だった。
そして、8歳になった時、俺はエセルドレーダとレインを連れて、大戦終結後、反統合の残存勢力や戦犯が押し込められたSAS(東南アジア州)に行く事になった。もちろん、引率に母さんがついてくる。フェンリルの部隊も居るので、その動向を調べてカティア・グットマンとフランツィスカ・グットマンを助ける。ついでに大戦における統合側の非公式部隊WALRUS(ウォルラス)を殲滅する。こいつらは同一体や電脳移植体、電脳症クローン、電子体クローンなど数多くの非人道・非合法実験を行っているような奴らだ。同一体と電子体クローンの技術が有れば電脳症で発狂する事も無く、生き残れるので、俺には必要だ。それに、今の俺ならばバルドルマシンへの回廊だって侵入できる。何故なら、俺は真と同じ脳波パターンが仮想空間を生み出しているAIのそれに近いため、ネットワークのセキュリティや亜季やアークのプロテクトやセキュリティも俺の前には意味をなさない。つまり、侵入し放題だ。まあ、今の年代だと現実でやってるんだろうがな。そっちはエセルドレーダのお仕事だ。それと、特殊な便利機械も開発したので楽しみにしておくといい。ああ、あと目的はあった。リーナ・エイプルトンことアップルを手に入れる事。ついでにケイの姉も助けられるなら助けようと思う。
後書き
リーナを確保してフランとカティアを拉致。ヴォーダン及びウラヌスの殲滅。ヴィクトール・グッドマンとの対談あたりですかね。むしろ、フランとカティアがいっぱいとかも楽しそうだと……げふげふ
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