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ヴァルハラ

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英雄の証

「さて、此処で良いかな」
そう言うのはジークだ。そして今、俺達は町から少し離れた所にある、砂漠のように何も無い砂地にいた
「あ、あのさぁ。何で俺とお前が戦わなくちゃいけないんだ?」
俺はそう言った。そう、何故か俺とジークが戦うことになったのだ。
ジークは「当然だろ」というような態度で言った
「だって、君、覇王を倒す自信が無いんだろう?だから俺がその自信をあげようと思ってね」
いやいや、だから何でそれで俺と戦う流れになるんだよ!
「マスター頑張ってください!マスターならきっと勝てますよ!」
と、シロンは応援してくれた
お前はちょっと黙ってなさい!勝てる訳ねぇだろ!
「まあ、戦ってみれば俺のいいたいことがわかるよ」
ジークはそう言って、手を前に突き出した
え?なにやってるんだ?いや、あれはどこかで視たことが・・・
「さあ!戦おうじゃないか!」
ジークがそう叫んだとたん、ジークの突き出した手の(てのひら)にドス黒い物が集まりだした
あ、あれは、俺と同じ・・・ッ!そこで俺はジークが言っていたことを思い出した
(まだ英雄の証を持ってるから、まだ英雄ともいえるんだ。君と同じだよ。捨てようとしても捨てられないんだ)
俺の予想が正しければ、あれは・・・ッ!
ジークは、ぼそりと呟いた
「来い、魔剣グラム・・・」
次の瞬間、ジークの手にはドス黒いオーラを纏った黒い剣が握られていた
ジークの持つ、グラムと呼ばれた剣の切っ先が地面にかすった
グパン!
そんな音が聞こえたかと思うと、グラムの切っ先がかすれた地面に、握り拳位のクレーターが出来た
何だ今のは!?
俺の疑問にはシロンが答えくれた
「あれは魔剣グラム。破壊の魔剣と呼ばれる剣です。その名の通り触れる物全てを破壊してしまいます。気を付けてください!」
な、何て物騒な剣だよ!!
ジークは不敵な笑みを浮かべて言った
「これが俺の英雄の証だよ。さあ、君も勇者の証を見せてよ。持ってるんだろ?」
俺はツバをゴクリと飲み込み、手を前に突き出した。俺の突き出した手の掌に光が集まりだした。
くっ!やっぱり、やるしかないのか・・・ッ!クソッタレ!ああ、わかったよ!やってやるよ!
俺はそう覚悟を決めた。そして次の瞬間、カッ!と凄まじい光を放つと、俺の手には神々しいオーラを纏った白銀の剣が握られていた
「それが君の勇者の証か・・・ははっ!面白くなりそうだ!」
そして、俺の剣とジークの剣がぶつかり合った 
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