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久遠の神話

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第五十二話 重力の剣その八

「そんなのもあるんですね」
「あるんだよ。ハンバーグをオムレツで包んだっていうかな」
「そんな感じですか」
「ほら、ハンバーグの上に目玉焼きを置くのってあるだろ」
「びっくりドンキーとかですね」
 上城はこのハンバーグを聞いてこのチェーン店の名前を出した。
「あそこのあれは美味しいですね」
「そうだろ、肉と卵ってのは合うんだよ」
「それでなんですか」
「作ってみたんだよ。どうだいそれで」
「お願いします」
 上城は興味を持ってこう答えた。
「今から」
「それじゃあ作るな、飲むのはな」
「ワインですか?」
「赤な」
 酒はこれだった。
「他にもサラダもあるからな」
「サラダもですね」
「肉食うんなら野菜もな。シチューもあるしな」
 これもあった。
「こっちはベーコンの他に人参とか蕪とか入れたんだよ」
「それも美味しそうですね」
「実際に美味いぜ」
 そうだと笑顔で言う中田だった。
「じゃあ行くか」
「ちょっと待って下さい」
 ここで上城は中田にこう言った。
「僕だけじゃあれですから」
「ああ、あの娘もだな」
「村山さんも呼んでいいですか?」
「というかもういるけれどな」
「あっ、確かに」
 言ったすぐ傍からだった。上城の横に樹里がいた。その彼女が笑顔で二人にこう言ってきたのである。
「御免なさい、遅れたわ」
「いや、丁度いいけれどね」
「今から中田さんのところに行くのね」
「うん、そうなんだ」
 上城は笑顔で樹里に答える。
「それでオムレツ食べるから」
「そう、オムレツなの」
「中にハンバーグが入ったオムレツをね」
「それ美味しそうね」
「ああ、実際に美味いぜ」 
 中田もこう樹里に話す。
「君も来るかい?」
「お邪魔していいですか?」
「俺は誰でも拒まないさ」
 中田は笑顔で樹里に言う。
「ウェルカムだよ」
「じゃあお願いします」
「後はワインもサラダもあるからな」
「相変わらずバランスがいいですね」 
 栄養的にと言う樹里だった。
「サラダもですか」
「シチューもあるぜ、人参だの蕪だの玉葱だのをたっぷり入れたな」
 樹里にもこう言った。、
「それも美味いからな」
「シチュー、いいですね」
「シチューとかポトフとかスープはいつも作るんだよ」
「お味噌汁も」
「栄養をバランスよく摂れてしかも美味いからな」
 だからだと答える中田だった。
「いつも作ってるさ」
「お汁のものってバランスよくできますからね」
「じゃあ三人だな、それじゃあ行くか」
「中田さんって誰かにお料理作るのは」
「一人暮らしだからな」
 また樹里に言う。
「誰かと一緒に食えると嬉しいな」
「それでなんですか」
「ああ、それでだよ」
 こう樹里に言うのだった。
「誰かと一緒に食う飯は美味いからな」
「だからですか」
「三人な」
 中田は笑顔で二人に述べた、そうしてだった。
 彼等は中田の家に入った、それからだった。
 三人で中田の作ったそのオムレツとサラダ、シチューを食べた。そしてワインも楽しみそのうえでだった。 
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