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ヘタリア大帝国

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TURN89 エアザウナその一

                   TURN89  エアザウナ
 枢軸軍はアルゼンチン戦でのダメージを癒してからそのうえでだった。
 ブラジルへの侵攻に取り掛かった、いよいよアステカ帝国への中枢に向かっていた。
 その中で彼等は曇った顔でキューバの話を聞いていた。
「ブラジルにあるからな」
「おい、何で今言うんだよ」
 フランスがうんざりとした顔でキューバに突っ込みを入れる。
「このタイミングで」
「いや、言おう言おうって思ってたけどな」
 それでもだったというのだ。
「言いそびれてたんや」
「俺もな、すまんすまん」
 スペインもあっけらかんとした調子で言う。
「言い忘れてたわ」
「あんなのいたら洒落なんねえだろうが」
 フランスはスペインに対しても言う。
「エアザウナなんてな」
「エアザウナはブラジルに巣があるんや」
 スペインはこのことをここで言った。
「あそこにな」
「今度はあいつかよ」 
 フランスはあらためてうんざりとした顔になった。
「台風だのうぽぽ菌の次はな」
「けどここでエアザウナ倒したら大きいで」
 アルゼンチンも言う、彼も言い忘れていた。
「後あいつに苦しめられることもな」
「ないんだな」
「ほなええよな」
「ええとか言う相手かよ」
 フランスもエアザウナの脅威は知っている、彼にしてもエアザウナに星域を何度も荒らされているからだ。
「あいつは滅茶苦茶強いぞ」
「第六世代の艦艇でもです」
 今度はフランス妹が難しい顔で言う。
「まともに戦っては勝てません」
「これまでの災害とは全然違うからな」
「大怪獣はまた別格です」
「あんなのどうやって倒せばいいんだよ」
 フランスは苦い顔で妹に応える。
「洒落にならないからな」
「攻める方法はあるでしょうか」
「ある、安心してくれ」
 フランス達に東郷が言ってきた。
「もっともブラジルに巣があるとは思わなかったがな」
「いやあ、ほんまにすまんな」
 キューバは東郷にも屈託なく返す。
「言い忘れてたさかい」
「それはいいとしてな」
 流石に東郷はこれ位のことでは動じない、それで言う言葉だ。
「この世に無敵のものはいない」
「大怪獣でもやな」
「攻めるやり方はある」
 こう言うのだった。
「それはもう考えている」
「どんなやり方なんだよ」
 フランスは真剣にいぶかしむ顔で東郷に問うた。
「あんな正真正銘の化け物倒すやり方はな」
「まずはエアザウナと対峙してからだ」
 その時に見せるというのだ。
「それじゃあそれでいいな」
「それはいいのですが」
 シャルロットが東郷におずおずと問う。
「エアザウナだけではありませんので」
「そうですよ、アステカ軍もいるんですよ」
 セーシェルもここで言う。
「そちらは」
「今回は主力を回せる」
 東郷の今の言葉は驚くべき発言だった、誰にとっても。
 それでフランス達だけでなく殆どの国家や提督達が驚きの顔で東郷に問い返したのだった。
「エアザウナ相手に主力を向けない!?」
「アステカに向けるの!?」
「馬鹿な、全軍を向けても勝てない相手なのに」
「主力をアステカ軍に向けるなんて」
「むしろ主力を向けない方がいい」
 東郷は驚愕する彼等に冷静なまま返した。 
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