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ヘタリア大帝国

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TURN88 うぽぽ菌その十二

「そういうことですね」
「ああ、対立より融和の方が消費するエネルギーは少なく得られるものが多い」
 今度は消費の話だった。
「そういうものだからな」
「その通りですね、それでは」
「今は彼女に助けてもらう、だが勝利の後は」
「我々がどちらを選ぶかですね」
 これはレーティアもだった、レーティアもまたブラジルへの出撃の前にドイツ達に話していた。
「戦後どうするかだ」
「ドクツに戻ってからですか」
「そうだ、ドクツの国民達が私を受け入れてくれればのことだが」
 亡命して彼等を見捨てたという考えがよぎっての言葉だ。
「私をもう一度選んでくれたその時は」
「是非共ですね」
「ドクツを再び立ち上がらせる」
 こうオーストリアに話す。
「必ずな。そしてドクツは欧州の中心になる」
「で、そっからどうするんだ?」
 プロイセンが尋ねる。
「欧州の盟主になってな」
「そのことか、二つの選択肢fがある」
 やはりレーティアもわかっている、そのうえでの言葉だった。
「太平洋経済圏とな」
「対立か融和か」
 ドイツが呟く。
「どちらかだな」
「その通りだ、欧州はどちらを選ぶべきか」
 鋭い目になっての言葉だった、レーティア独特の自信に満ち全てを見抜いたその目を鋭くさせての言葉である。
「それが問題だ」
「向こうもどう考えるかだよな」
 プロイセンは太平洋側のことも話した。
「日本帝国とかがな」
「彼等とは今は友好的です」
 オーストリアはこのことを指摘した。
「互いに協力し合えています」
「彼等は優秀だ」
 レーティアも当初の見方を変えている、大きく上方修正しているのだ。
「そして心よい者達だ」
「それを考えれば問題ないが」
「しかし外交は国益だ」
 レーティアはドイツにこのシビアな現実を指摘した。
「それ次第で対立も有り得る」
「それ故にか」
「我々も対立する可能性がある、このことは念頭に入れておこう」
「それで総統さんはどっちを選びたいんだよ」
 プロイセンは真剣な面持ちでレーティアに尋ねた。
「日本達と戦うか?それとも仲良くしたいのか?」
「融和だ」
 レーティアが考えている外交はこちらだった。
「対立は労多く実が少ない、だからだ」
「仲良くしたいんだな」
「そうしたいが。対立した場合のことも考えておく」
 その時もだというのだ。
「あらゆるケースを考えるのが政治だからな」
「だからこそだな」
「祖国君達にはあらかじめ言っておく。ハッピーエンドはない」
 ドイツ達にこうも言った。
「勝利で終わらずそれからも続くのだ」
「それからが大事か」
「その通りだ」
 こう言ってそのうえでだった。
 レーティアは将来のことを考えていた、今の戦争を行いながらそのうえで将来のことも考え動いているのだった。


TURN88   完


                          2013・2・12 
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