BALDR SKY
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05原作介入
前書き
一部時系列を変更しております。詳しいのをわからなかったので。
なお、原作人の階級は1ランク下に設定してあります。
ヘイゼル
シャルを見送ったあと、私はやってくる敵の排除を行う。ただ、AIの監視、且つ有事におけるその鎮圧を目的とした地球統合政府の軍組織GOAT(Global-union Observation Artificial-intelligence Team/統合軍対AI対策班)とフェンリルが他のPMCを巻き込んで戦闘を行っているようで、こちらに敵は侵入して来ない。なら、私がする事は一つだ。
「ここの警備に20体を配置。敵は全て排除しろ。突破されそうなら信号を出せ」
ドローンに音声による命令を伝えて、紅の暴君で連中の外側から狩りを始める。先ずは邪魔者……いや、獲物のPMCからだ。
瞬時に移動して、移動して警戒しているPMCのシュミクラムに対して奇襲攻撃を仕掛ける。先ずはビームライフルで武器を持つ手を狙撃する。腕の破壊を完了したら、接近してをビームアックスで残りの手足を切断して次に移る。
「敵襲!」
「撃てっ!! 敵は1体だっ!!」
1体をもう1体に蹴り飛ばし、別の敵に接近して両手両足を切断する。現実でも苦しんでいるだろうが、知った事ではない。
敵のシュミクラムより放たれる無数のミサイルをジャマーを発動して無効化しつつ、接近して切断。遠くにいる敵にはビームライフルで破壊する。微かな時間で全ての敵を被弾なく排除出来た。
「さて、交渉と入ろうか」
「おのれ……」
最後に残した指揮官機を押し倒し、踏みつけながらビームアックスを首に添えてやる。
「5600万でお前らの命を買うか、死ぬかを選べ」
「……わかった、支払う。だから、見逃してくれ」
「契約は完了だ。入金しだい開放する」
口座のアドレスを転送してやる。
「了解。入金した。確認してくれ」
「確かに頂いた。それでは……さらばだ」
連中を放置して、次に向かう。何個かのPMCを排除してつつ、金を貰って見逃しもする。依頼形態は救助になっているから問題無い。PMCなんてどこも非合法な事をしている。連中も私もだ。特にこの構造体に侵入している時点で、統合政府からすれば悪だろう。しかし、見つけたもん勝ちだ。
門倉永二(かどくら えいじ)
ノインツェーンの遺産がこの構造体にあると、アークの聖良さんから連絡が来て、部隊を率いて来たんだが、これはまいったね。
「まさか、しょっぱなからGOATと出くわすとはな、勲」
「それはこちらのセリフだ、詠二」
タイラントギガースの桐島勲大佐に声をかける。奴の乗るシュミクラムはレーザーや大型ミサイルなどの重火器を多数装備した四脚型の巨大シュミクラムで、破壊力、防御力、耐久力を兼ね備えたハイスペック機だ。奴の後ろには統合軍で正式採用されているアイゼン=ヴォルフのシュミクラムが並んでいる。遮蔽物の多い倉庫なのが救いか。
「中佐、どうしますか?」
「GOATの相手をするにはこちらも戦力が居るな……河瀬、蛯沢は先に行け。俺とシゼル、モホークはGOATの相手だ」
「「「「了解」」」」
「逃すな。攻撃を開始しろ」
勲のシュミクラムからレーザーや大型ミサイルが河瀬、蛯沢に向けて放たれる。
「させるかよ!」
そして、始まった戦いは他のPMCも巻き込んでの混戦となった。だが、御蔭でこちらに勝機がある。
しばらく戦い続ける、相手のシュミクラムを何体か落とせたが、まだ数は多い。このまま行けば押し切れるだろう。
「流石だな……」
「てめぇもな」
「……中佐……」
モホークが通信を開いてきた。寡黙な巨漢野郎のくせして、珍しいじゃねえか。
「どうした?」
「……おかしい……」
「これは……確かにおかしいな。中佐、他にも沢山居たPMCが撤退しています」
シゼルの報告に転送されてきたデータを確認すると、開戦当初より圧倒的に少なく、GOATと俺達ぐらいしかいやしない。
「河瀬、蛯沢はどうした!」
「くそっ、通信が繋がらん!!」
「……ジャミング」
慌てているのGOATの方も同じようだ。あちらの部隊も連絡がつかなくなったのかも知れない。
「河瀬、蛯沢というのはこの2人か?」
その声が響いたと同時に、俺達が居る場所にシュミクラムの頭部が投げ込まれた。それは河瀬、蛯沢のシュミクラムに間違いがなかった。
「てめぇ……」
「久しいな、フェンリル。それにGOAT」
2人を殺った奴は真紅のシュミクラムだった。そのシュミクラムは知らないが、そのPMCと機体の紋章には見覚えがあった。
「赤き手袋の紅の暴君……ヘイゼル中佐か」
「殺しそこねた亡霊が現れやがったか」
勲の言葉に同意し、その存在を思い出した。5年前に取り逃がした連中の1人だ。
ヘイゼル
計画通り、疲弊してくれた。後は収穫するだけだ。私はドローン達に命じて包囲させているので、何時でも可能だ。
「そうだ。さて、フェンリル、GOAT共に交渉と行こうか。既に包囲し、こちらはコアを押さえている。邪魔な他のPMCにはご退場願った」
ドローンを出現させて、ビーム・マグナムを構えさせている。既に構造体はシャルがコアの制圧と同時に強化してくれたので問題無い。
「これは君の手勢か」
「そうだ。それで、返答はどうだ?」
「いいだろう」
「ちっ、仕方ねえな」
両方、一応は引いたか。何時でも戦えるようにはしているが、それは当然だろう。我々にとって、生死を賭けた戦いなのだから。
「では、GOATから入ろうか」
「要求はなんだね? 聞くだけ聞こうじゃないか」
「私がGOATに要求するのは簡単だ。清城市の中心に屹立するミッド・スパイアへの居住権を数人分だ」
「……理由を聞いてもいいかね?」
「理由など簡単だ。息子にちゃんとした教育を施すためだ」
「「ぶっ!?」」
詠二と勲の2人が吹き出したな。
「ぶはははははははははっ!」
「ごほっ、ごほっ、失礼。信じられない言葉だったのでな。統合政府時代の君からは想像もできなかった。しかし、その条件は色々と問題がある。住居の問題がだ。私が保証すれば居住権は問題無いだろうが、他の問題がある」
笑った詠二には目にもの見せてやる。
「なら、勲。お前の家に住まわせてくれればいい。妻が亡くなり、娘だけなのだろう? 家政婦みたいな事をして一緒に面倒みてやるぞ」
「おいおい、お前が家政婦ってたまかよ」
「失礼ですね。その程度、統合政府特殊部隊に所属していた私に容易い事ですよ、門倉英二様」
「うぉっ!?」
ビームライフルをお見舞いしながら明るい声で言ってやった。まあ、回避されたが。
「条件がある。緊急時にGOATの仕事を手伝ってくれ。それで、今までの行為は不問とし、その条件を飲もう」
「構わないが、仕事は選ばせて貰うぞ。捨て駒は御免だ。もちろん、給金は貰う」
「ああ、構わない。カルト教団に対する戦力として欲しいのだ。お前の得意な殺しだ。それと、家政婦としての代金も支払おう。私も娘を1人だけで留守番させるのには不安だからな」
「では、これが契約書だ」
勲に契約書を転送する。
「上からの許可も私が責任を持つ事で出た。問題無い」
サインされた契約書が再度こちらに転送されてきた。
「さて、フェンリルだが……1人1億でいいぞ」
恨みはあるが、それを持ち出す事は無い。あれは戦場の事なのだから。
「ふざけるなっ!!」
「足元見やがってっ!!」
「安いものだろう? 金がないならアークに払ってもらえ」
「ちっ、わかったよ。ほらっ」
私の口座に3億が入金された事を確かに確認した。
「契約完了だ。離脱許可を発行した。さっさと離脱しろ」
「覚えてやがれよ!」
フェンリルが離脱したのを確認して、私は勲に振り向く。
「これが連絡先だ」
「確かに受け取った。しかし、君がレックスの子を産むか……」
「統合政府の極秘任務中に仕方なくやったら、1発で孕まされただけだ」
「そうか。それじゃあ、後で連絡する。この構造体は引き渡してくれるのかね?」
『シャル、データの吸い出しと、最奥の物は? 統合政府に引き渡しても問題無いか?』
『回収完了しているよ。問題無いのしか残していない。他は全部完全に消去した。副構造体は貰う物だけ貰って完全に破壊したしね』
「いいだろう。後は勝手にしろ。私は離脱する」
「ああ、助かるよ」
シャルと共に離脱して現実に戻る。ネットカフェから繋いでいたから、料金を支払って外に出る。シャルも直ぐに出てきた。
「母さん、お疲れ様」
「無事か? 怪我はないか?」
私はシャルを抱きしめて、身体を触って確かめる。
「平気だよ。それより、早く移動した方が良いんじゃない?」
「そうだな。それと、今日はノイと共に豪華な食事としよう」
「いくら稼いだの?」
「6億3千万だ」
稀に見る大稼ぎだったな。しばらくは休業する予定だから、問題無いだろう。
後書き
という訳で、次回からある意味での原作介入、小学生のロリロリレインちゃんです。
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