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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第一部 現代編~前編~
  第0話『プロローグ』

新暦71年 4月29日
 ミッドチルダ臨海第8空港
 その日ここで大きな火災があった。









 魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
 第0話『プロローグ』









 sideスバル・ナカジマ









 小さい頃の私は本当に弱くて泣き虫で悲しいことや辛い事にいつも蹲ってただ泣くことしかできなくて……。


隊員A「駄目だ駄目だこっちは駄目だ!」

隊員B「こっちに子供が取り残されているんだ!何とかならないのか!!」

隊員A「さっき、本局の魔導師が突入した!救助は彼女がしてくれる!!」

隊員C「おい!こっちからも子どもの反応が二つあるぞ!」

隊員A「よし!それなら我々はそちらの子ども達の救助に向かうぞ!」








 ◇◇◇◇◇








 そんな中私は泣きながら別れた姉を探しながら一人エントランスホールに来ていた。


スバル「お父さん………お姉ちゃん………」

 私の近くで柱が崩れる。

スバル「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 その風圧で私の体は宙を舞った。
 鈍い痛みと不安で涙が溢れる


スバル「痛いよぉ………熱いよぉ………こんなの……嫌だよぉ………帰りたいよ…誰か……誰か助けてよ…」


 蹲って泣いている私の上に大きい像が崩れて落ちてくる。
この時、私は本当に死ぬんだなと思った。
だけど何時までたっても像が落ちてくる気配がなかった。
恐る恐る目を開けるとピンク色の光の糸に巻きつかれている像が目に入った。そしてその後ろには、白いバリアジャケットを着た魔導師がいた。


なのは「よかった、間に合った。助けに来たよ」


 その人は私の前に降りてきて優しく微笑みながら肩に手をおいた。


なのは「……よくがんばったね。偉いよ」


 その言葉と笑顔に私は涙が溢れた。


なのは「もう大丈夫だからね、安全な場所まで一直線だから」


 そう言うと杖を天井に向ける。


レイジングハート[上方の安全を確認、ファイアリングロックを解除します]

なのは「一撃で地上まで行くよ」

レイジングハート[AL LIGHT LOAD CARTRIDGE]


 ガシャン!ガシャン!とカートリッジをロードする。
 すると、杖からピンク色の翼が生えた。
 そして今度は、両手でしっかりと杖を構える。


レイジングハート[BUSTER SET]

なのは「ディバイーン………バスター!!」


 そう言うと魔力を放出して天井に穴をあけた。
 そして、私を抱えて空を飛んだ。


なのは「こちら教導隊01。エントランスホール内要救助者……女の子一名を救助しました」

通信『ありがとうございます。さすがは航空魔導師の『エース・オブエース』ですね』

なのは「西側の救助隊に引き渡した後、すぐに救助活動を続行しますね」

通信『お願いします』


 そんな通信が終わったとき私の目に夜空に輝く沢山の星星が映った。
 その時のことは今でもよく覚えている、炎の中から助け出してもらって連れ出してもらった広い夜空。
 冷たい風が心地よくて、抱きしめてくれる腕が暖かくて。
 助けてくれたあの人は強くて、優しくて、かっこよくて泣いてばかりで何もできない自分が情けなくて。
 その時、あたしは生まれて初めて心から思ったんだ。












 泣いているだけなのも何もできないのももう嫌だって。










 だから、強くなるんだって―――。 
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