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さらばジャマイカ

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第四章

「そこに行くからな」
「それは何処にあるんだい?」
「ここから少し歩いた場所だよ」 
 キングストンは夜も賑わっている、見た感じでは観光客の方が多い。僕もリチャードも白人だが僕達も含めて白人が多い。
「レストランとバーが一緒になってるんだよ」
「そこはジャマイカなんだね」
「そうさ、けれど料理はやっぱりな」
「アメリカ人向けなんだね」
「そうさ、じゃあそこに行ってな」
「それでだね」
「飲んで食おうな、そしてな」
 それからのこともだ、リチャードはまた話してくれた。
「女の子はな」
「それはどうしようかな」
 興味がないと言えば嘘になる、けれどだった。
 それはまだ決めていなかった、だから僕は今はそのことについては返答を保留した。
「まあとにかくね」
「行こうな」
「うん、そのお店にね」
 こう話してだった、二人で。
 その店に入った、店はバーの様に暗くそしてジャマイカの音楽であるレゲエが演奏されていた。その音楽を聴きつつ店の中を進み。
 カウンターに二人並んで座ってからだった、リチャードは僕達に言ってきた。
「メニューは俺に任せてくれるか」
「うん、それじゃあね」
「それじゃあな」
 リチャードはすぐに僕に頷いてそしてだった。
 色々と頼んできた、そのうえで。
 カクテルも頼んだ、まず来たのは。
「パイナップルフィズだね」
「これは飲んだことがあるだろ」
「うん、コリンズグラスとキューブアイスを使ってるよね」
 バーにはよく行く、それで答えることが出来た。カクテルの中にはパイナップルとチェリーもある。
「それだよね」
「そうさ、ラムだからな」
「ラムが名産だったっけ」
「そうさ、ジャマイカじゃな」
「何か強そうだね」
「ストレートで飲んだら強いさ」
 ラム、それはというのだ。
「何ならストレートで飲むか?」
「気が向いたらね、とにかく今は」
「ああ、カクテルだな」
「それを貰うよ」
「食いものもあるからな」
「でかいね」
 メインはステーキだった、あっさりとした感じのソースにスライスされたパイナップルが上に乗っている牛肉のステーキだ。 
 そのステーキを見てだ、僕はまた言った。
「アメリカのと同じ位ね」
「だから観光客向けなんだよ」
「アメリカ人のだね」
「そうさ、じゃあいいな」
「うん、それじゃあね」
 こう話してそしてだった。
 僕達はステーキ、アメリカとジャマイカが入っているそのステーキや他の料理を食べながらだった、カクテルも飲んだ。
 カクテルは美味かった、それで。
 一杯だけでなく何杯も飲んだ、それでかなり酔ってからだった。
 僕達は店を出た、リチャードは店を出てからまた僕に言って来た。
「それでな」
「女の子だね」
「どうするんだよ、それで」
「そうだね、何かね」
 話をしながら繁華街に入っていた、そこには。
 そうした店が左右に並んでいた、その店の数があまりにも多くて。
 僕もついつい惹かれた、それでリチャードに言った。
「入ろうか、何処かに」
「そうするんだな」
「うん、ただね」
「多いだろ」
「かなりあるね」
「観光客がいるとな」
 遊ぶのは昼だけでない、夜もだからだ。 
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