魔法少女リリカルなのはSCARLET ~紅い狼の伝説~
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回想~始まり~
前書き
周りと違う
それだけで見えてくるものが変わってくる
そんなの、不公平じゃないか―――
―side???―
夢を、見ていた
いつか、誰もが笑って暮らせる世界を作りたい
みんなが笑顔でいられる世界を作りたい
そんな世界が作れるって、本気で思っていた
「お前は強くなれ。いつか、俺を追い抜いちまうくらい」
「アンタについていく。その覚悟に惚れたよ。だから・・・・・・あたしに見せてくれ。アンタの・・・・・・■■■の行く末を」
慕ってくれる友がいた
いつ壊れてしまうかもわからなかった俺を、いつも支えてくれていた
「おまえはいつも無茶してばかりして・・・心配するこっちの身にもなってみろ」
「■■■は一人しかいないんだから、絶ッ対に『俺の代わりはいくらでもいる』なんて思っちゃだめだからね!」
隣には家族がいた
ちょっと怪我したくらいで泣きそうになる姉と、いつも俺を子供扱いする兄
身寄りのない俺を引き取ってくれて、まるで本当の弟のように育ててくれて
そんな優しさに、何度も救われたことがあった
俺の周りには、いつも誰かがいた
別に必要もないのに、「俺は一人でいい」って、何度も何度も言ったのに、みんなが俺を向いて言うんだ
「おまえは一人じゃない」って
それがいつだったかは、もう思い出せない
だけどその時から俺は、こう思うようになっていた
「みんなの笑顔を守りたい」
誰もが笑って暮らせる世界をみんなに見せてあげたい、って
でも、現実はそんなに甘くなかった
みんなが笑顔でいられる世界なんて、存在しなかった
冷静に考えればそうだ
俺は化物。人ならざる獣
周りから恐れられて当然の存在
そんな俺が・・・・・・・・・化物である俺が、人間のみんなと一緒に笑っていられるはずが・・・・・・・・・ああ、そうか
俺がみんなの中にいないから、含まれてないから、こんなことになってしまったんだ
勝手に妄想して、俺もみんなの中にいると錯覚して
それがいけなかったんだな
みんなはみんな、俺は俺。人間のみんなと化物の俺。
こんなに違うんだから、同じ幸せを求めるのも間違ってるよな
なら俺は孤独を望む
絶望を望む
破滅を望む
終焉を望む
みんなと同じ幸せを望んでも結局手に入らなかったんだ
だったら、みんなが求めないものを俺が求めよう
みんなが忌み嫌うものを、俺が好き好もう
みんなが退けようとするものを、俺が受け入れよう
みんなが否定するものを・・・・・・■■■■という存在を、俺が肯定しよう
あの時彼らが見せてくれたあの笑顔も、兄貴や姉貴が俺に言ってくれた言葉も全て忘れて生きていこう
みんなと過ごした思い出をすべて、すべてなかったことにしてしまおう
それだけが、みんなが笑顔になれる、唯一の方法だから
後書き
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