ヘタリア大帝国
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TURN86 宇宙台風その七
「ピーマンに 茄子、トマト、株、ほうれん草、大蒜、生姜にと」
「そして鮭に烏賊、貝に海老たいな」
「シーフードカレーですね」
メニュー的にはそうなった。
「それですね。ですが」
「煮込み過ぎたい」
このカレーの問題点はこれだった。
「切り方も本当に適当でそれを何時間に煮ただけたい」
「ルーを多く入れただけの味付けですね」
「素材の調和も何もないたい」
そもそも組み合わせもおかしかった。
「これはないたいよ」
「まずいですね、はっきり言って」
「野菜にも組み合わせがあるたい」
インドはこのことを指摘する。
「それにシーフードカレーにはシーフードカレーのルーもあるたい」
「しかしこのカレーは」
「どれもなっていないたい」
「寄せ鍋に等しいですね」
「シーフードは煮込み過ぎたら硬くなるのに」
クリオネもそのカレーを食べてみて眉を顰めさせる。
「酷いわね、このカレーも」
「エイリスよりはましたいが」
「ええ、まし位ね」
本当にそのレベルだった、こう話すインド組jのところに、
山下が来た、主催者の一人として陸軍の礼装姿の彼女はインド達に対して尋ねたのである。
「あの、楽しんで頂いていますか」
「はい」
「今回の料理は我々が腕によりをかけて作ったもので」
山下の言うことは衝撃の事実だった。
「陸軍で出される最高の馳走を用意しました」
「最高の馳走なのね」
クリオネは山下の言葉に再び驚いた。
「これが」
「はい、そして料理をする者も陸軍の中で料理を得意とする者を選りすぐり」
山下は真剣そのものの顔で話していく。
「メニューはどれも陸軍で最高の馳走とされているものばかりです」
「お酒もたい?」
「無論です」
インドはその酒を飲みながら問うた、山下の返答は即座に返って来たがこうしたものだった。その酒もまた味は、だった。
「陸軍で式典の際飲まれる最高の酒です」
「そうたいか」
「量は多くあります」
確かにどれも量は多い、よく見ればメニューに使われている素材も身体にいいものばかりだ、それは確かだった。
「滋養にもいいです。そして味も」
山下は高野豆腐と椎茸を煮たものを食べた、そして言うことは。
「ここまで美味いものを作ってくれた兵士には後で私が直々に褒美を出さなければなりませんね」
「そこまで美味しいんだね」
「はい」
まさにそうだとだ、山下はアグニにも答える。
「最高の美食です」
「そうなんだ」
アグニもこれには呆然となる。
「美味しいんだ」
「豆腐にしてもです」
外見はともかくだった、冷奴も。
サフランは一口食べて沈黙した、作り方を間違えた味だったのだ。
しかし山下はその豆腐にもこう言ったのである。
「手間隙かけて、作っているだけはあります」
「その兵隊さんが作ったんですね」
「そうです、徹夜で作ったとか」
山下はこのことにも感激していた。
「見事です、直々に賞状を書きます」
「わかりました」
サフランはこの豆腐を作った兵士が豆腐屋をすれば三日で潰れることを確信した、あまりにも硬くしかも大豆臭さが強過ぎるからだ。
だがその豆腐にも山下は言うのだ。
「素晴らしいです」
「わかったわ。このお料理はどれも陸軍では最高のものなのね」
「最高以上です」
まさに絶賛だった。
「これだけの味とは」
「そうなのね」
「陸軍は普段は白米に味噌汁」
そしてだった。
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