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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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ショートショートショート

 
前書き
3人の主人公+1の話が詰まっている。
元々はボツにした話を放り込んでたんだができてしまった物はしょうがないので公開しよう。
決してランキングに上がって舞い上がっている訳ではない。無いったらない! 

 
~ネタが切れたから取り敢えずバトるよ!の巻~

ドーモ。ドクシャ=サン。シャインです。
運動不足過ぎるというリニスのもっともな指摘を受けた(プレシアは病人なので除く)皆でちょっと運動している。・・・傀儡兵をボコる事によって。

「フォトンランサー乱れ撃ち!喰らえ喰らえ喰らえー!!」
「ザインナッコォ!!(唯のパンチ)」
「超必殺ぅ!!サンダースマッシャー・・・ランダムシュゥーッ!!!」
「究極ぅ!ガイストキィィック!!(唯の飛び蹴り)」

しまった。うっかり応龍皇が昔戦った敵の映像を見せてしまったばかりに・・・彼女たちは不治の病に!!
その名もリュウセイ病。精神疾患の一種で、かかると戦闘時に『リュウセイみたいにやってみる!』となる恐ろしい病なのだ!幸い症状は軽いようだがこれ以上悪化すると魔法名さえ改悪し始めるかもしれない。というかアルフは手遅れかもしれない。


さて、俺も仙術の練習成果を見せるか!何気に現実の敵(とは言っても仮想敵だが)に使うのは初めてだ。手加減できねぇぜ・・・!とか言ってみたりして。

急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!!」

俺の言霊と共に服の隙間から何所に入れてたんだと聞きたくなる量の札がわらわら出てくる。我ながらよくこれだけ入ったものだ。

「先ずは・・・炎爆符!」

失敗を基に学んだ、任意で爆発する符を雑魚に張り付けて爆殺する。おぉう、一つ一つの火力はそこまででもないが3,4枚ほど貼り付けたら人間は即死する程度には威力あるな。力を籠めればもっと強い爆発も起こせるだろう。

「続きましては・・・拘縛符!」

今度は相手の動きを封じるための符。取り敢えず近い奴を札で抑え込む。・・・200枚ほど貼り付けた所で中身の傀儡が圧潰(あっかい)した。・・・・・・こ、これは人間に使うには用心しないとな。何せ今までの仮想敵はどいつもこいつも人間じゃねぇ連中ばかりだったから普通の人間ってものを見失ってたぜ!(今までの仮想敵については『チートドラゴン物語・四』を参照 )

「まだまだ!虚映符3連発!!」

今度のはあれだ。符で自分の分身を作るという奴だ。自分以外も作れんでもない。あまり長時間は維持できないのが難点だが・・・こういう使い方が出来るのだ!

「そして分身からの・・・旋風符!!」

造った分身3体+俺で張り付いた相手を吹き飛ばす旋風符を周囲にばらまく。こらそこ!なんちゃってフォーオブアカインドとか言うな!・・・吹き飛んだ傀儡たちが面白いほど遠くに飛んでいく。向こうでストレス発散してたアルフにぶつかりかけてらぁ。改めてみるとレールガンに出て来た婚后光子のエアロハンドみてぇだな。何かと使い道がありそうだ。

「虚映符解除!そしてぇ!吸力符!!」

すぱーん!とでかい傀儡に張り付ける。これは本来生命体の持つ生命力を吸い取って札の中に蓄える術だが、傀儡兵に使ってみると何故か魔力が中に詰まった。後で魔導師に注入できるか試してみるか。

「でわでわ最後に超奥義!!白蛇招来でございマース!!」

今まで飛ばした符を全部かき集め、巨大な白蛇の形にする。嘘か本当か公孫勝が使ったらしいスゲー技だ。この蛇はまるで本当に質量があるかのようなパワーを持っているからな!!
しっぽで敵を薙ぎ払い、でかい奴は体を撒きつけて絞め殺す。俺は頭のてっぺんで落ちないように気を付けてれば後は俺の思いのままなのだ!!!

「すごーい!何それ召喚術!?私も乗せて―!!」
「アタイものせてー!!」
「はっはっはっ!悪いなお前ら、この蛇は一人乗りなんだ!」
「「えー!?ずるーい!!」」

これが現実だ妹とその使い魔よ!( ´,_ゝ`)クックック・・・( ´∀`)フハハハハ・・・( ゚∀゚)ハァーハッハッハッハ!!
あ、ちょ、こっち狙って来んなし!!やめて!俺は自力では空飛べないのよ!!



「・・・で、シャインの実力はどんなもの?」
「ちょっとデータが少ないですが陸戦AA+と言った所ですね」
「そしてその気になればそれ以上もイケそうっと。流石応龍の(あるじ)は伊達じゃないわね!」
「しかしこの符術というのは興味深いですね・・・魔導師で言えば魔力スフィアに様々な追加機能を持たせるようなものです。しかも応用性と同時コントロール量が半端ではない・・・」
「これどうにかして魔術に組み込めないかしら?夢が広がるわね~」

・・・さり気に戦力分析されていることには全く気付かないシャインであった。
後の「戦闘民族テスタロッサ家」の誕生である。






~ネタが切れたから取り敢えずバトるよ!の巻、その2~


どうしてこうなったんだろう、と師範代は頭を抱える。
元は士郎に「生徒たちの気が緩んでいるから刺激を与えるために少しそっちの子供を貸してほしい」との言伝を伝え、それにこたえて美由紀・クロエ・そして見学のなのはがこの道場に来たのだ。それまでは普通だった。問題はそこからだ。

この日、偶然とある外国人の女性が剣の鍛錬に参加していた。女性の名はシグナム。この近所に最近住み始めた女性で、モデルと見紛うほどの美貌と容姿をしている。剣の腕はかなりものだったため許可していたが、突然そのシグナムがやってきた二人のどちらかと試合をしてほしいと申し出てきたのだ。

その有無を言わせぬ気迫にどうしようかと悩んだ。何せ彼らを連れてきた目的はあくまで自分の道場の門下生との交流試合の為であり、いられる時間は限られていたからだ。だが悩んでいるうちにいつの間にかやってきた3人のうち1人のクロエ君が既に試合準備を済ませてしまったので認めることにした。
ちらり、とクロエの方を見る

「クロエ君・・・!?君、剣使えるの!?」
「たぶん」
「多分!?」

目線を逸らし、今度はシグナムの方を見る。

(あのおっぱい・・・たまらんな)
(あのうなじ・・・たまらんな)
「お前らあまり私を邪な目で見るな」
「「イエス、マム!!」」

大丈夫かなぁこれ。

まぁ結論から言うと、むしろやりすぎだった訳だが。




「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

沈黙。剣道の道場に似つかわしいとは言い難い2人の剣士が発する気迫。それがその場にいる全員に重く圧し掛かっていた。

2人の剣士の一人であるシグナムは息を吐きながら瞬き一つせずに目の前の少年を見据える。彼女の頭二つは小さかろうかという小柄な少年の身体から放たれる途方もない威圧感にシグナムの気も高ぶった。この若さで既にベルカの将と対等に戦えるレベルまで達しているのは直ぐに本能で理解した。故に、手加減など不要。これは勝つか負けるかの本物の戦いだ。

対する少年は一見ただ剣を握っているだけに見えて、実はいつでも足を踏み込める構えでシグナムをじっと見据えていた。剣を使うのは初めてなのだが、どうしてか彼女には剣を持って相対しなければならないような気がした。

片や嘗て古代ベルカの時代に「烈火の将」の名を馳せた猛将。
片や異界の地にて「漆黒の騎士」の名を轟かせた騎士・・・の力を宿す少年。

時代を超え、世界を越え、二人の将が激突する。


「・・・始めっ!」


瞬間、道場そのものをへし折るような轟音が鳴り響いた。



余りの衝撃に目をつぶる皆。しかし高町姉妹と師範代はその勝負をしっかり見ていた。


「・・・くっ、竹刀が・・・!」
「バラバラに、なってしまった・・・」


2人の剣圧のあまりの強さに、初撃で交わった竹の刃が木端微塵に砕け散った瞬間を。
師範代の「竹刀弁償して」の一言を言う勇気と、美由紀の自身の腕前に対する自信も同時に砕け散ったとか。

なお、この光景を見たなのはがレイジングハートに「レイハを剣にするとか出来ないかな?」などと言い出し、そんな使い方をされては堪らないと焦ったレイハが折衷(せっちゅう)案を出したとか。






~ネタが切れたから取り敢えずバトるよ!の巻、その3~

その日、アリサ・バニングスは人生で初めて「事実は小説より奇なり」と言う言葉の本当の意味を理解した。


切っ掛けはアリサが散歩中にヤの付く人種に難癖付けられたことだった。
そいつはアリサがバニングス家の令嬢であることを知ってたらしく、適当に脅して持っている金を奪おうという如何にも浅はかな事を考えていたようだ。が、そんな馬鹿丸出し人間にプライドの高いアリサが諾々と従う訳もなく、逆に公衆の面前でボロクソに罵られることとなった。

当然馬鹿なので彼は逆上してアリサに手をあげた。アリサもその可能性を考えていない訳ではなかったが、暴力が怖いから退くというのは彼女のプライドが許せなかった。そして・・・

「何だぁ糞餓鬼!その如何にも文句がありますってな顔は・・・」

と言いかけた男の背後に迫る影。どっかで見たことあると思ったら同級生の苗だった。
この時アリサは彼女が偶然ここを通りがかったのだと思っていた。彼女は散歩が好きらしいし、しっかりしている性格だから自分と違って正面から突っかからずに大人を呼ぶくらいの冷静さを持っている。そんな彼女がヤの付く人間に無謀にも近寄ることはしないはず・・・と思っていたのだが。
彼女は何故か全力疾走で馬鹿ヤクザ一直線に突っ込んでいた。

(ちょっとー!?何してんのアンタ!!前見なさい前!!)

一瞬こっちと目が合う。逃げろという意味を込めて必死に目線を送ったが、彼女は何故か任せろと言わんばかりに自信に満ち溢れたサムズアップを返してきた。そして―――

「苗ちゃんターックル!!」
「あぁん?」

ズ ド ン ッ ! !

まるで交通事故が起きた様な鈍い音と共に苗のショルダータックルは馬鹿ヤクザの腰辺りに命中。馬鹿は、そのまま空を舞った。これぞ天空の汚物。但し汚物としての質が悪いためもう直ぐ墜ちるだろう。

「ぎゃあああああああああああああでぶふぉ!?!?」

無様に落下した馬鹿は泡を吹いてビクンビクンしてる。そしてそれをやった苗自身はというと、倒れた馬鹿を足蹴に「わっはっはー!完・全・勝・利!!」等とのたまっている。
彼女は小学生で女の子だ。いくら頑張ったって大の大人を宙に浮かせるプロレスラーや力士のような真似は出来ない。が、良く思い出したら親友すずかも人間離れした身体能力を持っていることを思い出した。え?何よこいつら本当にホモサピエンスな訳?ひょっとして実はあれだけ出来るのが今の若者の当り前?「若者の人間離れ」って本当だったわけ?テニヌ?バヌケ?

「やぁ!大丈夫アリサちゃん・・・って大丈夫じゃない!?怪我してるじゃん!」
「苗・・・」
「えーっと湿布と消毒液と・・・え、何?」
「人の定義って・・・何だろう」
「はぁ。『我思う故に我あり』なんて言葉があるくらいだし、自分を人だと思ってたら人なんじゃない?ほら、そんなことよりまずは肘出して!傷は小さいけど化膿したら大変だから、ね?」
「・・・そっか。うん」

そのうちアリサは深く考えるのを止めた。





~吾輩はぽんずである~

ぽんずは飼い主である苗に付随するようにてくてくと付いてゆく。
自分と大して変わらないサイズの主人に体をまさぐられるのはくすぐったいが、毛づくろいやブラッシングは手慣れているし触って欲しくない場所を心得ているので不快には感じない。

実はぽんずは「前の苗」・・・つまり前の世界で成人した苗の事を覚えている。何故か?それはぽんず自身にも分からない。四宝剣とジュエルシードの相乗効果によってかこの世界に生まれたぽんずは確実に世界の情報を引き継いでいた。

それはきっと苗の当時の精神が考えていた「誰にも再会できない」という事実を変えたいという願いをジュエルシードが無意識に引き寄せ、そして「猫は喋れないから知っていても知らなくても同じこと」と方向性の網を潜り抜けさせてしまったのだろう。

勿論ぽんずはそんなことは知らない。が、幼くなった主を一目見た時ぽんずはその姿を一度も見たことが無いのに「自分の飼い主の苗だ」という結論に至った。理屈ではなく勘だったが、それは正しかった。
世界と言う枠を超えたぽんずは、既に平均的なネコでは考えられない知能を持ち、最近は苗の言っている言葉の意味を少しずつ理解出来るようになるまでに至っている。

「おいで、ぽんず」
「なーお」

苗がぽんずの身体を抱き、その毛並からくるモフモフとした感触を存分に堪能する。そのゆるみきった顔は前の世界もこっちの世界も変わらない。何となく苗が喜んでいることも表情で読み取れた。
苗は、寂しがり屋だ。ぽんずを飼い始めたのも自分が寂しかったから。ぽんずにはその気持ちが分かるような気がした。施設で生を受けて同年代の猫たちと戯れても、出荷されるときはケージの中で独りぼっち。母親も兄妹も友達もいない隔絶された世界をぽんずは知っている。その冷たさも。

ふいに苗がぽんずをなでる手を止める。不審に思って苗の顔を見ると、彼女は不安そうな顔をこちらに向けていた。

「いつかぽんずともお別れする日が来るのかな・・・」
「・・・ぅなお」
「急に居なくなったりしないよね?」
「・・・まーお」
「離れたくないなぁ・・・」

苗の顔は暗く沈んでいる。しかし、ぽんずは思う。世界を越えても主従になったのだから、きっと苗とぽんずの縁は容易には切れない、と。だから安心させてあげるためにぽんずは苗に顔を近づけ、頬を舐めた。

「ひゃっ!くすぐったいじゃんか~・・・・・・うん、なんかありがとね?」
「まーお」

苗はぽんずがそこまで考えて行動を行っているとは知らない。それでもこうして感謝の言葉が出てくるのは、きっと繋がりがあるからだろう。眼に見えない特別な繋がりが。それを再確認できたぽんずは満足して一鳴きした。

・・・後に苗が「使い魔」と言う技術を発見するのは、それから遠くない未来の話。
 
 

 
後書き
 星 薙 ノ 太 刀 (スターライト・スラッシャー)って出来ないかなぁ・・・

一応言っておくけどぽんずの設定は割と最初の方から考えてたやつだからね!これはマジだよ! 
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