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万華鏡

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第三十九話 読書感想文その八

「それに夏休みもね」
「家に子供がいると」
「いつもより余計に朝御飯作らないといけないから」
 だからだというのだ。
「しんどいってね」
「うちのお母さんもそう言うのよね」
 琴乃も言う。
「いつもより登校時間が遅いから」
「それがかえってってね」
「リズムが違うから」
 普段の学校がある時とはだ。
「お弁当作ったりするのは同じにしても」
「そう言うのよね」
「だからお母さんもね」
 景子は再び母のことを話に出した。
「夏休みが終わってね」
「ほっとするっていうのね」
「そうなのよ」
 こう琴乃達に話す。
「あと冬休みもね」
「ああ、そっちも」
「そう、そっちもね」
 こちらはどうかというと。
「お正月があるから」
「新年ね」
「そう、新年があるから」
 冬はそれだった。
「何かと大変なのよ、あと五月も」
「端午の節句?」
「そう、その時もね」
 やはり忙しいというのだ。
「今年も実はそうだったのよ、あとうちのお寺は」
「まだあるの?」
「節分の時もなのよ」
 二月三日、この日もだというのだ。
「お豆一杯用意してね」
「ああ、鬼払いね」
「何かお寺と一緒にやるけれど」
「節分って仏教だったの?」
「何かお手伝いしてもらっているうちにね」
 その縁でだというのだ。
「一緒にやる様になったのよ」
「そうだったの」
「八条神社でもね、あの神社だと」
 景子は八条神社の節分の話もする。
「裏方だけれどキリスト教や天理教の人も助っ人に来てくれるから」
「どっちも節分関係ないだろ」
 美優はその話に冷静に突っ込みを入れた。
「絶対に」
「うん、関係ないわよ」
「やっぱりそうだよな」
「お付き合いでそうしてるのよ。クリスマスもね」
 今度はキリスト教だった。
「実は私達今度は裏方に回ってね」
「教会のお手伝いしてるんだな」
「うん、そうなのよ」
「何かお互いに手伝ってるんだな」
「天理教も流石に夏はしないけれど」
 おぢばがえりだ、奈良県の天理市天理教の本拠地において子供達を招いて大々的な催しを十日に渡って行うのだ、街全体に様々な施設を置いてそこで子供達が遊ぶのだ。
「やっぱりお手伝いに行くわよ」
「何か宗教の垣根ないわね」
 彩夏はその話を聞いてかなり驚いた、それが顔にも出ている。
「景子ちゃんの周りって」
「まあ八条町はかなりだけれど」
 それでもだというのだ。 
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