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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第2章
戦闘校舎のフェニックス
  第38話 悪魔式スポーツ

 
前書き
少しだけ鶇の実力が見れます。 

 
「使い魔ですか?」
「ええ、貴方とアーシアには自分の使い魔を手にいれてもらうわ」
チラシ配りに行こうとしたイッセーとアーシアに部長はチラシ配りは卒業と言い、使い魔を手にいれろと言ってきた。
「これが私の使い魔よ」
そう言い、出てきたのはコウモリをマスコットキャラみたいにしたやつだった。
「私のはこれですわ」
副部長が出したのは小鬼だった。
「…シロです」
そう言う塔城は子猫を抱いていた。
「僕のは…」
「ああ、お前のはいいや」
「連れないなあ」
そう言いつつ、小鳥を肩に乗せていた。
「悪魔にとって基本的な物よ。主の手伝いから情報伝達、追跡にも使えるわ」
「あのう、その使い魔さん達はどうやって手にいれれば?」
「それは…」
コンコン。
アーシアの質問に部長が答えようとした時、部室のドアがノックされた。
「は~い」
副部長が応じると、八人が入室してきた。
「失礼します」
(生徒会か)
その人物達は生徒会のメンバー全員だった。
「あのう、どちら様ですか」
アーシアがイッセーに前に居る人物について聞いていた。
「この学校の生徒会長の支取蒼那先輩だよ。隣は副会長の真羅椿姫先輩。て言うか生徒会メンバー勢揃いじゃねえか」
(さらに悪魔何だよな全員)
「お揃いでどうしたの?」
部長が会長に聞いた。
「お互い下僕が増えた事だし、改めてご挨拶をと」
「下僕ってまさか!!」
「この方の真実のお名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主様ですわ」
「こ、この学園に他にも悪魔が!!」
(しかも、シトリー家と来たか)
「リアス先輩、僕達の事を彼に話してなかったんですか?同じ悪魔なのに気付かないコイツもどうよって感じですが」
(コイツ、イッセーの事をかなり見下しているな)
「サジ、私達はお互い干渉しない事になっているのよ。兵藤君が知らなくても当然です。最も、そちらの彼は気付いていたみたいですけどね」
そう言い、会長が俺の方見てきた。
サジと呼ばれた奴も俺の方を見てきた。
コイツ、俺の事を悪魔だと思ってそうだな。
イッセーの事を言えねえじゃねえか。
「言っておくが俺は悪魔じゃないぞ」
その言葉にアイツは驚いていた。
「悪魔じゃないってどういう事だよ」
「そのままの意味で俺は人間だ。後、後ろの三人も同様だ」
「てっきりお前らも悪魔かと思ってたぜ」
「お前、最近書記として生徒会の追加メンバーになった…確か二年C組の…」
「匙元士郎、兵士(ポーン)です」
「兵士(ポーン)の兵藤一誠、僧侶(ビショップ)のアーシア・アルジェントよ。でそっちに居るのが立場上はお客様って事になっている…」
「士騎明日夏。コイツは妹の士騎千秋。後ろに居るのは風間鶇、妹の風間燕だ」
「へえ、お前も兵士(ポーン)か、しかも同学年何て」
俺達の紹介の後、イッセーが匙に興味を持っていた。
同じ駒と学年で親近感が沸いたのだろう。
「ふうぅ、俺としては変態三人組の一人であるお前と同じなんて、酷くプライドが傷付くんだけどな」
一方の匙はこんな調子である。
「なッ!?何だとテメエ!!」
イッセーも今の言い分にムカついたようだ。
「応ッ!!やるかぁ!!俺は悪魔になったばかりだが、こう見えても駒四つ消費の兵士(ポーン)だぜ!!」
(ほう、四つ消費か)
「サジ、お止めなさい。それにそこの彼は駒を八つ消費しているのよ」
「八つって、全部じゃないですか!!信じられない、こんな冴えない奴が…」
「うっせぇッ!!」
「ごめんなさいね。兵藤君、アルジェントさん、よろしければ新人悪魔同士仲良くしてあげてください。士騎君、妹さんが居るからややこしくなりそうね、名前で呼んでも構わないかしら?」
「構いません。三人とも良いな?」
俺が聞くと三人とも頷いた。
やれやれ、今までの匙のイッセーに対する言動でかなりイライラしているな。
(頼むから、穏便にしてくれよ)
「そちらも仲良くしてあげてくださいね。サジ」
「あ、は、はい。よろしく…」
匙が手を出すとアーシアが両手で握手した。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ!!君みたいな可愛い子なら大歓迎だよ!!」
態度の急変が早いなオイ。
イッセーがすかさず匙の手を取ると思いっきり力をいれていた。
「ハッハハハッ!!匙君、俺の事もよろしくね!!つうかアーシアに手を出したらマジ殺すからね匙君!!」
お前は妹を嫁に出したくないシスコン兄貴か!!
何てツッコンでいると、匙も握り返していた。
「ハーハッハ!!金髪美少女を独り占め気取りか!!あまつさえ三人の美少女幼馴染みまで独占とは流石エロエロで鬼畜君だね!!」
何かコイツら、似た者同士かもな。
「大変ね」
「そちらも」
部長と会長が嘆息していた。
「俺は転生して早々に使い魔を持つを許されたんだ。お前はまだチラシ配りをしてるそうじゃないか」
「バカにすんな!!俺も部長から使い魔を持つようにとさっき言われたんだよ!!」
「え、貴女のところも?」
「ええ、来週にはと思っていたのだけど」
「でも、彼は月に一回しか請け負ってくれませんし」
(彼?誰かに頼むのか?)
「ならここは、公平に実力勝負と言うのはどう?」
「勝負?」
「勝った方が彼に依頼する権利を得る」
これは波乱の予感だな。
「もしかして、レーティングゲーム」
「ふふ、まさか、まず許可してもらえっこないわ」
「そうですね。それに今の貴女は大事な体ですもの」
「…関係ないわ」
部長の言葉に怒気が含まれていた。
(この間の事と言い、もしかして部長…)
俺はある可能性に気付いた。
「そうね、ここは高校生らしくスポーツで決めましょう」


俺達は今、学園のテニスコートに来ていた。
勝負内容は当然テニスで、部長、副部長と会長、副会長によるダブルスとなった。
「頑張れ~、部長、朱乃さん!!」
「会長~、勝ってください~!!」
イッセーと匙がそれぞれの主を応援していた。
「朱乃、この勝負勝ちに行くわ!!」
「はい、部長!!」
部長達も気合いが入っていた。
「行くわよ、ソーナ」
「ええ、よくてよリアス」
何かスポコンのライバル対決みたいな状態になっていた。
部長のサーブから始まり、なかなか白熱した勝負になっていた。
と言うか、いつの間にか凄いギャラリーになっていた。
そして、会長のサーブになった。
「お食らいなさい!!シトリー流スピンサァァァァァブッ!!!!!!」
オイ、今会長、ボールに魔力を纏わせなかったか。
「甘いわ、グレモリー流カウンターを食らいなさい!!」
部長が返そうとするが、ボールはいきなり急降下し部長は返し損ねる。
オイオイ、魔力ありかよ。
まあ、幸い一般生徒達には魔球で通っているが。
(つうか、本当に魔の球で魔球だな、オイ)
「それでこそ、私のライバル。でも、絶対に勝たせてもらうわ!!私の魔動球は百八あるのよ!!」
「受けてたつはリアス。それが私の貴女への愛ッ!!」
で、結局…。
「…何時までも勝負が着きませんでしたので…」
「団体戦になったと言う訳か」
結局、ラケットが二人の白熱したラリーに耐えきれず、壊れた為、引き分けになり、次は団体戦で決着を着けると言う事になった。
とか言ってる間に部長が戻ってきた。
「種目は?」
俺が部長に聞いた。
「ドッジボールに決まったわ。勝負は明日、体育館で。イッセーとアーシアの為にも頑張りましょう」
『はいッ!!』
みんな気合いが入っていた。
書く言う俺も気合い十分であった。
イッセーとアーシアの為に柄じゃねえが熱血精神で行くとするか。
翌日。
千秋と燕を外したメンバーで行くことになった。
理由はこちらの方が二人多いからだ。
そこで、悪魔じゃない俺、千秋、鶇、燕の中から二人審判に回すことにした。
そこで、俺の提案で俺と鶇がメンバーに入る事になった。
準備体操が終わった後、イッセーが俺達に渡す物があると言ってきた。
渡された物は…。
「ハチマキ?」
オカ研の文字が刺繍がされたハチマキであった。
どうやら、イッセーが自分達の為に頑張る俺達の為に徹夜で作ってくれた物のようだ。
裁縫を始めたばかりで一晩で作った割にはなかなかの出来映えだった。
みんなも気に入ったようだ。
「これを巻いてチーム一丸となって頑張りましょう」
『はいッ!!』
何かどんどんスポコン系のノリになってきたが、悪くないな。
「お待たせしました」
どうやら、相手チームも到着したようだ。
今、オカ研と生徒会のドッジボール対決の火蓋が切って落とされるのであった。
「はッ!!」
「ッ!?」
「アウトッ!!」
生徒会の攻撃で塔城が外野行きになった。
しかも、再び相手ボールだった。
「フッ!!」
副会長が不適に笑んだ。
「追憶の嘆きッ!!」
副会長の魔力を帯びたボールが来るが部長が見事にキャッチした。
「流石ですね。椿姫の球を正面から…」
「私を誰だと思っているのかしら!!」
今度は部長の魔力を帯びたボールが生徒会に向かう。
相手は止めようとしたが歯が立たず、吹き飛ばされた。
何故か体操着まで吹き飛んだが。
裸なった相手をガン見していたイッセーが隙をつかれボールが投げ付けられるが、副部長が見事にフォローした。
そこからはもうスポコン系ではなくファンタジー系の戦いになっていた。
魔力を帯びたボールが体育館の中を縦横無尽に駆け回っていた。
「ドッジボールって怖いスポーツなんですね!!」
いやアーシア、これは本来のドッジボールじゃねえからな。
「最早何の試合なんだか分かんなくなってきた!!」
俺もそう思うよイッセー。
「追憶の嘆きッ!!」
っと、副会長が俺に必殺球を投げてきた。
ならこっちも容赦しねえ。
「白虎双掌打ッ!!」
両手による掌で迎え撃つが徐々に押されていく。
(止める必要はねえさ)
要は…。
「独歩頂膝ッ!!」
ボールを膝蹴りで上に飛ばす。
ボールは天井に届く前に失速し、やがて重力に従って落ち、最終的に俺の手中に収まった。
俺の止め方に周りは唖然としていた。
「まさか、椿姫の球をそんな止め方をするなんて」
「最終的にノーバウンドで手中に収めれば言い訳ですから」
さて、今度はこちらの番ですよ。
俺はボールを上に放り、構える。
「猛虎!!硬爬山ッ!!」
俺はボールを打ち出す。
ボールは会長の方に向かい、会長は受け止めようとするが、ボールは途中で左に曲がり、隣に居た副会長に当たった。
「テニス対決で会長がやったヤツを参考にしました」
「やりますね。ですがこれからです!!」
「会長、まずは兵藤を潰しましょう」
会長はターゲットをイッセーに定めた。
「シトリー流バックスピンシュゥゥゥゥゥトッ!!!!!!」
「何ぃッ!?」
「イッセー、避けて!!」
イッセーは逃げ回るがボールに追尾機能が付いたが如くイッセーを追い回す。
(追尾ってありかよ!!)
そして…。
ガンッ。
当たった。
「ッッッ!?」
男にとって一番狙われたくない場所に。
つまり股間である。
「イッセー兄ぃぃぃッ!!!!」
痛みは知らないが痛いのは知っているのか千秋が審判職を放り出して、凄い形相でイッセーの元に駆け付けてきた。
「イッセー兄ぃッ!!しっかりしてッ!!」
「イッセー君ッ!!」
鶇も痛みは知らないが痛いのを知っているのか普段ののんびりとした口調じゃなくなってる上に普段は閉じられている目が開いていた。
二人の呼び掛けにイッセーは…。
「…お…終わった…何もかも…」
マズイなダメージが深刻そうだな。
そこにアーシアが…。
「聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)で治療を行いますので、ケガしたところを見せてください!!」
「いやぁ、それは無理!!」
「でも、患部を見ないとちゃんとした治療が…」
「わあッ!!患部ッつうか陰部はちょっといろいろとマズイから!!お願い、マジで許して!!」
「仕方ありません…では、服の上から…」
そして、イッセーの股間に聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の光を当てるアーシアと言うなんと言うか…。
「…何とも言えない場面」
「…俺もそう思う」
「…俺も」
ちなみに千秋はイッセーの陰部を見るかもしれないっと思ったのか顔が真っ赤になっていた。
(とりあえず、イッセーは大丈夫だろう。問題は…)
俺はとある人物を見る。
(…マズイなこりゃ)
早めに決着を着けねえと。
「みんな、イッセーの弔い合戦よ!!」
「ええ、イッセー君の死を…」
「無駄には出来ませんね!!」
「…もちろんです!!」
「オイみんな、イッセーは死んでないぞ」
俺のツッコミは誰の耳にも入ってなかった。
とりあえず、試合が再開した。
「来いッ!!」
「匙、息巻いてるところ悪いが逃げろ、死ぬぞ」
「はッ?」
何せ今ボールはアイツの手の内にあるのだから。
「……………」
そう、今最も危険な存在、風間鶇の手の内にあるのである。
「な、何ッ!?この鶇から感じる威圧感は!?」
部長も鶇の威圧感に押されていた。
そして、鶇が振りかぶった。
「逃げろッ!!」
俺の言葉と同時にボールは投げられた。
会長と匙は辛うじて避けた。
そして、ボールは…。
ドゴォォォォォッォォォッ。
体育館の壁を粉砕していた。
『ッッッッッ!!!!!!!!』
俺、鶇、燕を除く全員が唖然としていた。
「…お前ら…」
『ッ!?』
会長と匙が同時に肩をビクついた。
冷や汗もだらだらと流している。
「…よくも…よくもイッセー君をぉぉぉぉぉッぉぉぉッ!!!!!!!!」
鶇の咆哮が体育館全体に響き渡った。
「あ、明日夏ッ!!これは一体…」
「部長…鶇が昔、狂暴女と呼ばれていた事を話しましたよね」
「え、ええ」
「今の状態の鶇が狂暴女と呼ばれていた鶇です」
「………」
俺の言葉に部長が無言になった。
「オ、オイ、な、何とかしろよあれ!!」
俺は匙にただ一言こう言った。
「…匙…生きろ…それが戦いだ…」
「いや、意味わかんねえよッ!!」
すまん、俺も自分で言ってて意味わかんねえ。
「要は死ぬなって事だ」
「つまり、あれは止められないと…」
「ぶっちゃければな」
「………」
「………」
しばしの無言の後…。
「サジ、生きましょう、絶対に…」
「会長…これスポーツですよね…何で命掛けてるんですか…」
「サジ、あちらも兵藤君と言う尊い犠牲を払っているのですよ…」
「いや、兵藤死んでませんよ」
「………」
「………」
またもや無言…。
「ごめんなさい、サジ。壮絶な事が起こったものだから気が動転してしまっていたわ。例え、相手が鬼神であろうと勝ちに行きます!!」
「はいッ!!会長ッ!!俺も付いていきます!!」
どうやら、会長と匙はいっそう気合いを入れたようだ。
「…行きます」
「よっしゃッ!!来いッ!!」
「…えい」
ガンッ。
「ッッッ!?…あッ…あッ…あッ…」
バタンッ。
塔城の一発は匙の股間に命中した。
「もう貴女一人よ。覚悟なさい、ソーナ」
「ウフ、勝負はまだこれからです」
会長の意気込みは…。
「オーバータイム」
「えッ!?」
千秋のタイムアップ宣言で挫かれた。


「では、約束通り、使い魔はこちらが優先させてもらうわ」
「もちろんです。悔しいけど、ちょっとは楽しめましたし。でも、こんなお遊びではなくレーティングゲームだったら、私は負けません」
「私だって、幼馴染みの貴女に負ける訳にはいかないわ。まあ、ずいぶん先の事になりそうだけど」
「そうですね。では、お疲れ様です」
部長と会長、幼馴染みであると同時に互いに競い高め合う良いライバルになりそうだな。
ただ、一言…。
次からは普通のスポーツをやってください!!  
 

 
後書き
またかなり長くなりました。 
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