私立アインクラッド学園
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第二部 文化祭
第12話 生きてる
前書き
[この子と離れたくない──]
幽霊屋敷の奥で、白い人影を目視した明日奈と和人は──?
「ね、ねえキリト君あれってもしかしてもしかしてもしかして」
「落ち着けよアスナ……よく見ろよ、透けてなんかないし、脚だってある……あの子、生きてるぞ!」
「えっちょっ……キリトくん!?」
明日奈が和人の方に手を伸ばすが、彼が急に走り出した為、見事に空を切った。
「もー!」
明日奈は和人に聞こえるように大声で言うと、後を追った。
追いついた時、和人の腕の中にはひとりの少女の姿があった。
「俺の姿を見た途端、突然倒れたんだ……」
「……依頼で聞いた女の子は、たぶんこの子だね」
「ああ。……けどこうして触れられる以上、幽霊なんかじゃないみたいだな」
幽霊が本当に触れられないかなんて、誰にもわからない。事実、この少女の血色は良いものではないし、躰はあまりにも細すぎる。
だが、なんとなく判る。この子は生きている──。
そうと判った以上、こんなところに置き去りにしておくわけにはいかない。
明日奈は呟くように言う。
「学園に連れて行きたいけど……寮には泊められないし」
学園側など、大人にに引き渡すという選択肢もあっただろう。しかし、なんとなく思う。
この子と離れたくない──。
そんな明日奈の心情を悟ったのか、和人は熱心に考え始めた。
和人が口を開く。
「……こないだやった方法は?」
「こないだ、って?」
「前にスグやユージオと依頼で出掛けた時にさ、寮に帰るのは難しいから……って行ったとこ」
和人が学生証を提示する。
「ああ!」
明日奈はパンッと手をうつと、自分の学生証を取り出し、真上に放り投げた。
後書き
アスナ「ねぇ、キリト君……関係ないけど」
キリト「ん?」
アスナ「ドラマCDでの君って、キリト君っていうよりは、さくら荘の空太くんみたいだよね」
キリト「……そういう感じの発言はやめましょうねアスナさん」
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