マジカル☆ウィッチルフェイちゃん!
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん黒魔術試験を受ける①
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揺さぶられる感覚がしますが、まだ眠いです。
「んんっ……あと……7118……分……」
「118.6時間とはいい度胸ね。起きなさい」
「ひぎゃぁっ!?」
身体に襲いかかる強烈な電撃に私の意識は覚醒しました。目の前には片手に雷を宿して放電させて、もう片方の手にバスケットを持っているお母様がいました。
「おはようございます、お母様。でも、可愛い娘を起こすのにそれは無いかと思います……」
「何言ってるの。これぐらいしないと、ルフェイの魔術防御は突破できないわ。それに、ちゃんと起こして起きないのが悪いのよ。とりあえず、おはよう。着替えて、行ってらっしゃい。ここにサンドイッチを用意させたから、ちゃんと食べるように」
「ふぁ~い。行ってきます」
お母様にバスケットを押し付けられて、転移術式の上に乗せられました。私はそのまま転移術式を起動して、手を振ってくれているお母様に軽く振替して寮へと戻りました。
寮に戻ったら急いで顔を洗って、裸になります。その後、水の魔術で球体を作り出して飛び込んで全身を洗浄。水を消滅させたら、次に水滴を全て水の魔術で集めて消滅させます。最後に火の魔術で軽く乾かせば完了です。
「着替えて髪を梳かさないと……身だしなみは大切ですし……」
其の辺はお母様とメイドさんに仕込まれました。伝統あるペンドラゴン家……というか、アーサー王の血を引く姫なのだから、しっかりしないといけないそうです。魔術師なのである程度は多めに見られますが。
「っと、時間ですね」
急いで転移で実技場へと向かいます。実技場にはもう何人もの生徒がいます。その中にこっそりと潜り込みます。取りあえず、エリスちゃんを探すのです。直ぐに見つけたので、そちらへと向かいます。でも、他の人と一緒に居るので悩みます。
「あ~あ、どうしよう……」
「わかんないよー!」
どうやら、困っているみたいです。というか、何で今更術式を弄っているのですか。ここは友達として助けないといけません。というわけで、怖いですがちゃんと声をかけてみます。
「え、エリス……」
「あっ、ルフェイちゃん! ちょうど良かった、助けてっ!!」「あっ、ペンドラゴンさんだ……」
他の人には軽く会釈をして、エリスの横に付きます。
「どうしたのですか?」
「テストの術式に問題が出たの。目標まで氷柱を放つんだけど、途中で落ちちゃうし、魔力が沢山消費しちゃうの」
うんうんと、頷く他の人達。術式を見せて頂きましたが……非道い物です。
「ダメダメですよ、エリス」
「「「あうっ!?」」」
「軽く見ただけでも難点が789ヶ所もあります」
「「「ぐはっ!?」」」
仕方無いので時間を確認して、まだ少し余裕が有ります。私は睨みつけてくる人も居る中、ちょっと怖がりながら指を立てて指摘していきましょう。魔術に打算や諦めは必要有りません。ましてや、甘えなど許されない事です。
「では、テストが始まるまでに急いで修正……改造しましょう」
「はい……教えてルフェイ先生!」
どこかで聞いたフレーズですが、気にしません。先ずは目の前の魔法陣を覚えて空中に巨大化して書き出し、現状を維持させます。
「相変わらず、凄い魔力だね……」
「有り得ないでしょ……」
「さて、いいですか……氷柱を形成する方法は魔力に物を言わしての力ずくというのが現在の魔術師のスタンダードですが、はっきり言って無駄に魔力を使っています。氷柱なんて自然に勝手にできます。つまり、大自然の理を利用した方が安価にできます。これを調べるのは本来なら苦労しますが、自然科学という分野で既に解明されて幅広く教えられています」
私の説明に魔術が万能だと思っている人には受け入れられない内容ですが、こればかりは仕方有りません。
「実際にやってみましょう」
もう片方で同じ術式を展開して、そちらを書き換えます。そして、2つを起動します。改造した方が明らかに早く、大きく形成されました。
「同じ魔力でこれですから、後は制御術式です。氷柱を相手に向けて固定し、打ち出す。これだけでも姿勢制御、標的設定、推進力と魔力を使いますが、エリス達が一番失敗しているのは推進力です。簡単に言いますと、一定を維持するというのが入っていないので、最初に魔力を大量に使って直ぐに失速してしまっているのです」
「「「はうっ!!」」」
「対策としては上からそのまま放置して、重力を利用して落とす事。後はこちらも改造ですね」
それから、授業が始まるまでみっちり教えてあげました。
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