ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第2章
戦闘校舎のフェニックス
第34話 ブロンドの転校生と漢の娘
前書き
タイトルどうりあのキャラが登場です。
それから、最後の方で新オリキャラ登場です。
「アーシア・アルジェントと申します。慣れない事も多いですがよろしくお願いします」
『オオォォォォォッォォォッ!!!!!!!!』
アーシアの自己紹介の後、男子達が一斉に声をあげた。
「金髪美少女ッ!!」
「B(バスト)82、W(ウエスト)55、H(ヒップ)81、グッッッド!!!!」
松田、元浜もこんな調子だ。
『…グッッッッッド…』
(そっか、このクラスになったんだった。これも部長の…)
なんて思っていると…。
「私は今、兵藤一誠さんのお宅にホームステイしています」
『何ッ!!』
(うおッ!?)
男子達が一斉に俺の方を見る。
「え~実はもう一人転校生がいるのですが本人の都合で明日、転入する事になります」
「ッ!?先生、女子ですか!!」
男子の誰かが聞いた。
「はい、女子です」
『おおッ!!』
男子達が歓喜の声をあげた。
(どんな子なんだろう?)
俺も期待に胸を膨らませていた。
ホームルーム終了後、俺は松田に締め上げられ、元浜に動きを封じられた。
「どういう事だッ!!何で金髪美少女とお前が一つ屋根の下にッ!!」
「何故キサマの鼻筋ばかりにフラグが建つ状況がッ!!」
「俺が決めたんじゃねえし!!」
「じゃあ、誰が決め…」
ガッ。ガッ。
明日夏が手刀で松田と元浜を黙らせた。
「喧しいんだよお前ら。誰が誰の家に住もうが当事者達の勝手だろうが」
「だけど明日…」
コキ。
松田が何かを言おうとしたが、明日夏が指の関節を鳴らした瞬間、押し黙った。
周りを見ると、他の男子達も押し黙っていた。
(スゲー…)
「クッソー!!明日の転校生はイッセーとは何のも関係ありませんように!!ありませんように!!」
松田が何かを祈っていた。
「おいおい、何の願掛けだよ」
「まあ、さすがにこれ以上イッセーのフラグが建つ事はあるまい」
何だよそれ…。
まあ確かに二大お姉様の部長と朱乃さんにロリアイドルの小猫ちゃんがいるオカ研に入部している上、美少女の千秋が幼馴染みに加えて、金髪美少女のアーシアが俺の家にホームステイしているとなればそう思いたくもなるか。
フフフ…。
嫉妬し、羨むがいい男子ども。
何て思いながらアーシアの方を見るとクラスの女子達と楽しそうに話をしていた。
(よかった。みんなと仲良く出来そうだな)
何て思っていると…。
「ねえねえ、アーシアさんの部屋って鍵付いてる?」
(ん?)
「?はい」
「お風呂やトイレは厳重にチェックするのよ」
「チェックですか?」
「そうそう、カメラとか仕掛けられてるかもしれないから」
「カメラ?」
(お前らな!!)
部長達以外の女子生徒の俺に対する認識は最悪であった。
俺は自転車でアーシアを後ろに乗せた状態でアーシアのチラシ配りの手伝いをしていた。
「今日は疲れたろ?」
「いいえ、クラスの皆さんが親切にしてくださいますし、イッセーさんと明日夏さんのお友達の松田さんと元浜さんも…」
「ッ!?ア、アイツら何かしたのか!!」
「今度、紳士の集まりにご招待くださるとか」
「ああ、それはガン無視していいから」
「はぁ?」
ガッ。
「うおッ!?」
「キャアッ!?」
話をしていたら、石を踏んでバランスを崩しそうになるが、何とか立て直した。
「ふうぅ」
俺は部室での鍛練を一旦中断して、休憩に入った。
部室にはイッセーとアーシア以外のメンバーが全員居て、それぞれくつろいでいた。
アーシアはチラシ配りでイッセーはその手伝いだ。
ちなみに千秋は読書をしているが、どこか落ち着きが無かった。
まあ、理由はイッセーとアーシアが二人きりでいる事だろう。
ガチャ。
「ただいま戻りました」
お、イッセーが帰ってきた。
「やあ、お帰り。夜のデートはどうだった?」
木場が出迎えて、冗談めかしく聞いた。
「ッ!!」
千秋が木場の冗談に過剰に反応していた。
「最高に決まってんだろ!」
イッセーは親指を立てて答えた。
イッセーの言葉にアーシアは顔を赤くしていた。
「………」
それに対して、千秋は落ち込んでいた。
「…夜の不純異性交遊」
「…あはは…」
塔城の厳しい指摘にイッセーは苦笑いしていた。
「部長、ただいま帰還しました」
イッセーが部長に帰還報告をするが、部長はボーっとしているのか反応が無い。
「あのう、部長?」
「ッ!?ごめんなさい、少しボーっとしてたみたい。二人ともご苦労様」
またか…。
ここ最近、部長がボーっとしている事が多い。
(何か悩みでもあるのか?)
何て考えていると…。
「アーシア」
「はい」
「今夜はアーシアにデビューしてもらおうと思っているの」
(へえ、もうか)
ずいぶん早いな…。
「デビュー?」
「魔方陣から契約者の元へジャンプして、契約してくるんだ。ってだいぶ早くないっすか!!アーシアはまだ悪魔になって数日しか経ってないのに」
「大丈夫ですわ。私が調べたかぎり、アーシアちゃんは眷属悪魔としては私に次ぐ魔力の持ち主ですもの」
「なッ!?マジで!!」
イッセーが驚いていた。
確かにアーシアの回復能力の高さはなかなかの物だった。
魔力の高さもうなずけた。
「僧侶(ビショップ)としての器が存分にいかせるわね」
アーシアは能力も含めて僧侶(ビショップ)向きだったようだ。
イッセーは誇らしげだが複雑そうな顔をしていた。
アーシアが優秀なのは素直に嬉しいが、先輩悪魔としては複雑なんだろう。
(未だに魔方陣によるジャンプが出来ないからな)
今度は何かを決意したような顔になった。
大方…。
「いや、経験は俺の方が上なんだ!!俺がアーシアをちゃんと守ってやらなきゃ!!」
何て考えているんだろう…。
「部長!!」
「何?」
「今回は俺に行かせてください!!」
「イ、イッセーさん?」
「ほら、アーシアはこの国に来て日が浅いだろ。もう少し生活に慣れてからの方がいいんじゃないかな」
確かにそうかもな。
アーシアは日本の生活に慣れてない上に、教会出身で現代知識に欠けるところがありそうだからな。
まあ、おそらく本心では…。
「もし、エッチな事を要求する様な依頼人だったら…」
その光景を想像するイッセー。
「ダメだぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!」
何て考えていそうだった。
「そうね、あまり急過ぎるのもあれだものね。分かったわ、イッセーに任せるわ」
「はい、部長!!」
その後、イッセーは気合いを入れて依頼人の元へ向かって行った。
んでもって…。
「行ってもいいが、余計な事をするなよ」
俺はそわそわしている千秋に言った。
千秋はコクりとうなずくと一目散にイッセーの後を追った。
「…やれやれ」
その調子で告白もすりゃあいいのに…。
「千秋ちゃん、イッセーさんの事、とても慕っているのですね」
「相変わらず、一途ですわね」
「最近またライバルが増えて焦っているんですよ」
『また?』
全員が疑問符を浮かべた。
「またって事は他にもイッセー君を好きな子が居たのかい?」
木場が聞いてきた。
「ああ」
俺が答えると…。
「あらあら、イッセー君モテモテですわね」
副部長が微笑みながら言った。
「はうぅぅぅ。ライバルが多いのですね。主よこれも試練なので…アウッ!?」
お祈りをしてダメージを受けているアーシアが居た。
俺は自転車を飛ばして、依頼人が住んでいるマンションの前に来た。
そして、依頼人の部屋のチャイムを鳴らす。
「開いてま~す。どうぞにょ」
にょ!?
「にょって一体…」
俺はドアを開けた。
「ッッッ!?」
「いらっしゃいにょ。ミ~ルたんだにょ!!」
そこには魔法少女のコスプレをした巨漢が居た。
「な…に…あれ…?」
私はイッセー兄の依頼人の姿に開いた口が塞がらないでいた。
とりあえずイッセー兄達の会話を聞くことにした。
「あ、あのう、悪魔を…グレモリーの眷属を召喚したりしませんでしたか…」
イッセー兄も目の前の存在に唖然としていた。
「そうだぬにょ。お願いがあって悪魔さんを呼んだんだにょ」
「は、はあ…」
(イッセー兄ッ!!)
私は今すぐにでもイッセー兄を連れ出したくて仕方がなかった。
あの巨漢から感じる威圧感からイッセー兄が危険と思ってしまうからだ。
(でもこの威圧感はきっとあの姿のせい違いない)
私はそう言い聞かせ、様子を見ることにした。
「ミルたんを…ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」
(…異世界にでも転移して)
「…異世界にでも転移してください」
イッセー兄も同じ事を思ったらしい。
「それはもう試したにょ」
(試したのッ!?)
「試したのかよッ!!」
(と言うか、転移出来たのッ!?何者ッ!!)
ますます、 あの巨漢の事が分からなくなってきた。
「ミルたんにファンタジーパワーをくださいにょ」
(もう存在自体がファンタジーだよ!!)
「いえもう十分にファンタジーですから」
「びえぇぇぇんッ!!ミルたん魔法の力が欲しいにょ!!」
ミルたんが泣き出した。
「お、落ち着いて!!ここで騒ぐのもご近所になんだからさ!!中に入ろうか…ね…」
(イッセー兄ダメッ!!)
そんな人と二人きりになるなんて危険過ぎる。
「あはぁ、魔法少女にしてくれるのかにょ?」
「…とりあえず…そ、相談くらいは乗るからさ…」
「ヤッホッ!!」
ミルたんは部屋の中に走って行った。
するとすぐに戻ってきた。
手には何かのDVDを持っていた。
どうやら、それを取りに行ったらしい。
「じゃ、じゃあ一緒に魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブを見るにょ。そこから始まる魔法もあるにょ!!」
そう言ってイッセー兄を連れて部屋の中に入って行った。
(イ、イッセー兄ぃぃぃぃぃッぃぃぃッ!!!!!!!!)
結局、イッセー兄には危険は無く、ミルたんと一緒に楽しそうにDVDを見ていた。
ちなみに契約は破談となったけど、ミルたんはとても楽しかったっとアンケートに最大級の賛辞を書いていた。
夜、電車に揺れられていると、隣に座る姉が話し掛けてきた。
「もうすぐだね~」
「…そうね」
私は適当に返事をする。
「もう~、素直じゃないな~。本当は嬉しいんでしょ~」
相変わらず、のんびりとした口調である。
昼寝好きな姉が今日に限って、全然寝ていない。
それだけあの町に帰る事が、アイツに会うのが楽しみなのだろう。
「早く会いたいな~、イッセー君~」
あ~あ、顔を赤くして、にやけちゃって…。
ふと昔の記憶を思い出す。
「ふざけんな!!二人が何したって言うんだ!!」
「親が何だろうとお前はお前だろ」
アイツの言葉と笑顔が脳裏を過った。
「………」
「ああ~、顔が真っ赤だよ~」
「ッッッ!?」
ああもう、何でアイツの事何か…。
その後も顔が赤くなっていた事を姉に弄られ続けられた。
後書き
本当、ミルたんは一体何者なんでしょうね。
オリキャラの名前は次回登場です。
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