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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第1章
旧校舎のディアボロス
  第29話 こいつの方が悪魔じゃねえか!

 
前書き
今回はほとんどアニメと同じです。 

 
 教会の地下通路を進んでいた俺達は最奥で一際大きい扉を見つける。

「……この先にいるな」

 扉の奥から沢山の気配が感じられた。

「……アーシアッ」
「覚悟は良いか、お前ら?」

 俺が確認を取ると、皆頷く。

 ガチャ。

「「「「ッ!」」」」

 扉に手を掛けようとしたら、扉が独りでに開き始めた。
 そして、扉が開くとその中には大勢の神父と…。

「いらっしゃい、悪魔の皆さん。ずいぶんと遅かったわね?」

 正直、もう二度と会いたくないと思っていたあの女堕天使がいた。その近くには、十字架に張り付けにされているアーシアもいた。

「アーシアァァアアア!!」

 イッセーがアーシアの名を叫ぶ。

「………イッセーさん……?」

 アーシアもイッセーの声に反応する。

「待ってろ!今行く!」
「ッ!待て、イッセーッ!」

 俺はイッセーの襟元を引っ張って引き寄せると、イッセーがいた位置に光の槍が刺さり、槍が爆発した!

「「グッ……!?」」

 爆風によって俺とイッセーは壁に叩き付けられてしまう!

「兵藤君!?明日夏君!?」
「……グッ……平気だ……!」
「……ああ……俺も……!」

 イッセーを引っ張って後ろに跳んだのが幸いしたのか、ダメージはそれほど無かった。

「感動の対面だけど残念ね。もう儀式は終わる所なの」
「ああぁぁあああああっ!?!?」

 しまった!?遅かったか!?

「アーシアに何をするつもりだ!?」
「そうか!堕天使の目的は…」
「……ああ。アーシアの神器(セイクリッド・ギア)を奪うつもりだ!」
神器(セイクリッド・ギア)を奪う!?アーシアはどうなるんだよ!」
「それは……」
「「………」」
「まさか!?」
「……お前の考えている通りだ……」
「……アーシアが……死ぬ……」
「「「………」」」

 イッセーの答えに俺達は黙ってしまう。

「あああっ!?ああぁぁあああああっ!?!?…………あっ……」

 悲鳴をあげていたアーシアだったが、ふと、その悲鳴が止んでしまう。
 そして、アーシアから緑色に輝く物体が現れ、アーシアはぐったりとしてしまう。

「アーシアッ!?」

 イッセーの呼び掛けにも反応が無かった。

「『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』。ついに私の物に!」

 レイナーレはアーシアの神器(セイクリッド・ギア)を手に取る。

「これこそが、私が長年欲していた力!これさえあれば、私は愛を頂けるわ!」

 そう言い、レイナーレは神器(セイクリッド・ギア)を自分の胸に押し付ける!
 そして、レイナーレから緑色の光が発せられ、神器(セイクリッド・ギア)はレイナーレの体に取り込まれていった。

「ウフフ!アハハ!至高の力!これで私は至高の堕天使になれる!私をバカにしてきた者達を見返す事が出来るわ!」

「ッ!?ざけんな!」

 イッセーがアーシア目掛けて駆け出す。

「悪魔め!」
「滅してくれる!」

 神父達もイッセー目掛けて一斉に襲い掛かる。

「木場!塔城!」

 俺の呼び掛けに二人が頷くと同時に、俺達は駆け出す!

「どけ!テメェらに構ってる暇はねえんだ!」

 イッセーは籠手で神父の攻撃を防いでは蹴りを入れるなりして戦っていた。

「ハアッ!」
「ッ!?」

 神父の一人がイッセーの背後から襲い掛かろうとしていたが、俺はそいつを掌打で吹き飛ばす!

「明日夏!?」
「イッセー、こいつらは俺達に任せて、お前はアーシアの元に行け!」
「サンキュー!」

 イッセーはアーシアの下まで走り出す。


ー○●○ー


「アーシア!」

 俺はアーシアの名を叫びながら、アーシアの下まで来た。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……アーシア……」
「ここまでたどり着いたご褒美よ」

 そう言い、レイナーレが指を鳴らすと、アーシアの拘束具が解かれる。

「……アーシア……」

 俺はアーシアを抱き抱える。

「……アーシア、大丈夫か……?」
「……イ…イッセーさん……?」
「迎えに来たぞ!しっかりしろ!」
「…………はい……」

 返事をしたアーシアの声は酷く低かった。生気もあまり感じられない。

「その子は貴方にあげるわ」
「ふざけんな!?この子の神器(セイクリッド・ギア)を元に戻せ!」
「フッ、バカ言わないで。私は上を欺いてまでこの計画を進めたのよ。残念ながら貴方達はその証拠になってしまうの。でも良いでしょ?二人仲良く消えるんだから」
「……クソッ、夕麻ちゃんの姿が憎いぜ……!」
「フフフ。それなりに楽しかったわよ。貴方とのお付き合い」
「……初めての彼女だったんだ……」
「ええ。見ていてとても初々しかったわよ。女を知らない男の子はからかいがあったわ」
「……大事にしようと思ったんだ……」
「ウフフ。ちょっと私が困った顔を見せると即座に気を使ってくれたわね。でもあれ、全部私がわざとそういう風にしてたのよ。だって慌てふためく貴方の顔、とっても可笑しいんですもの!」
「……俺、夕麻ちゃんが本当に好きで……初デート、念入りにプラン考えたよ。絶対に良いデートにしようと思ってさ……」
「アハハハハッ!そうね、とても王道なデートだったわ……おかげでとってもつまらなかったけどね。夕麻。そう、貴方を夕暮れに殺そうと思ったからその名前にしたの。なかなかステキでしょう?なのに死にもしないですぐこんなブロンドの彼女作っちゃって。酷いわ酷いわ!?イッセー君ったらぁ!?……またあのくそ面白くもないデートに誘ったのかしらぁ?あ、でも田舎育ちの小娘には新鮮だったかもね。こんなに楽しかったのは生まれて初めてですぅとか言ったんじゃない?ハハハハハッ!」
「レイナーレェェエエエエエッ!!!!」
「腐ったガキがその名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!汚れるじゃない!」

 こいつの方がよっぽど悪魔じゃねえか!?

「イッセー!アーシアを連れてここから出ろ!道は俺達で作る!木場!塔城!」
「「了解!」」
「明日夏!木場!小猫ちゃん!」
「早く行け!」

 明日夏に促されるまま、俺はアーシアをお姫様抱っこしてその場から駆け出す!
 神父達は明日夏達が蹴散らしてくれていたので、すんなりと扉の所まで来れた。
 俺は扉の所で振り返ると、木場と小猫ちゃんに叫ぶ。

「木場!小猫ちゃん!帰ったら絶対、俺の事をイッセーと呼べよ!絶対だからな!」

 そう言い、俺はその場を後にした! 
 

 
後書き
次回はこの後の明日夏達の話です。 
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