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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第1章
旧校舎のディアボロス
  第28話 怒らせる相手を間違えた

 
前書き
今回の千秋は超マジギレモードです。 

 
 私は今、目の前にいる少女に思わず恐怖してしまった。それだけ彼女が怒っていると言う事である。
 今までも彼女の怒っているところは見た事はある。けど、今の千秋はそれまでとは比べ物にならないくらいに怒っていた。
 もし、私が千秋の申し出を断ったりしたら私の方が殺されるじゃないかと思わせるぐらいにその目には殺意が籠っていた。

「分かったわ。ただし、完膚無きまでに消し飛ばしなさい」
「……部長みたいにはいきませんが……容赦はしません……」

 微笑みながらそう言うと、千秋は自慢の弓を構えた。
 それにしても、今の笑顔は朱乃の笑顔と違って少し怖いわね。

「……ずいぶんとなめられたものだ」
「……一人で我々と戦うと?」
「自殺願望でもあんのか、お前?」

 なめているのは貴方達の方よ、おバカさん達。
 堕天使達が各々の手に光の槍を持つ。

「そんじゃ、お望み通り殺して…」
「……戦闘中によく喋る……」

 そう言う千秋の手には既に矢が無かった。
 え!?誤射?
 堕天使達が何の反応を示さない為、誤射かと思ったが、堕天使達の方を見るとそれは間違いだとすぐに分かった。

「フン、外したか。マヌケな…ゴフッ……な、な…に……!?」
「「なっ!?」」

 女堕天使の二人は驚愕していた。当然ね。なにせ、ドーナシークのお腹には大きな穴が開いていたのだから。
 おそらく、千秋の放った矢がお腹を貫いたのでしょう。

「ごはぁ!?」

 ドーナシークはさらに血を吐く。

「クッ!?こいつッ!」
「チィッ!」

 女堕天使の二人はすぐさま千秋に手に持っていた槍を投げ付けたが、千秋はそれを蹴りで弾いてしまう。

「ハァッ!」

 千秋はそのままドーナシークの元まで飛び上がるとドーナシークに蹴りで地面へと叩き落とす。

「チッ!ミッテルト、挟み込むぞ!」
「ガッテン!」

 女堕天使の二人は宙にいる千秋を挟み込む様に囲いだす。

「ハッ!飛んで火に入るなんとやらだな!」
「もらいッ!」

 空中では身動きが!
 このままではと思い、千秋を援護しようとしたが、それは杞憂だった。

「……簡単に引っ掛かるね」

 そう言うと、千秋はそれぞれの女堕天使に四本ずつ、計八本のナイフを投げ付ける!

「なっ!?しまっ…」
「ヤバッ…」

 ナイフ同士が二人の目の前で互いにぶつかり合うと、ナイフは轟音をあげて爆発する!

「ぐあっ!?」
「きゃあっ!?」

 爆風に巻き込まれ、二人は吹き飛ばされてしまう。
 千秋は地面に着地すると、ドーナシーク目掛けて走り出しす!

「クゥッ!」

 ドーナシークは千秋に貫かれたお腹を押さえながら光の槍で反撃しようとするが、千秋はそれを避けながらドーナシークへ蹴りを入れる。

「ぐあっ!?……うっ……ごはぁ……」

 ドーナシークは数歩後ずさった後、口から血を吐く。

「ハァァァ!!」

 そこからさらに、ドーナシークは千秋の蹴りの猛襲にもう虫の息になりつつあった。

「……………」

 ドーナシークは木を背にしながら満身創痍になっていた。
 口で何かを言おうとしているのか絶え間無く動いていた。おそらく、命乞いを言おうとしているのだろうが、もはや喋る力も残っていないのだろう。

「………」

 千秋は無言で胸に蹴りを放つ。ドーナシークは血を盛大に吐くとそれ以降動かなくなった。

「チィッ!」
「こいつッ!」

 爆発のダメージから回復した女堕天使の二人が光の槍を手に千秋に襲いかかるが、千秋はそれを紙一重でかわす。

「クソッ!?」
「なんで当たんないのよ!?」

 女堕天使の二人は自分の攻撃が当たらない事に焦りを感じ始めていた。

「ハァッ!」

 千秋は女堕天使の二人の攻撃をかわしながら、二人をほぼ同時に蹴り飛ばす。さらに千秋はカラワーナへと矢を放つ。

「ぐあっ!?」

 カラワーナの片翼を千秋の矢によって撃ち抜かれ、矢はそのまま木に刺さり、カラワーナの片翼は木に打ち付けられた状態になった。

「ク、クソッ!?」

 カラワーナは矢を抜こうと、刺さっている矢に手を伸ばそうとする。

 ドッ!

「がぁぁぁっ!?」

 千秋はすかさず、その手を撃ち抜く。

「こ、この小娘が…」

 ドッ!

 カラワーナの言葉は千秋に頭を撃ち抜かれる事で最後まで口にする事は無かった。

「……ドーナシーク……っ!?……カラワーナ……っ!?」

 残るミッテルトはたった一人の少女に三人掛かりでも歯が立たなかった事に対して驚愕していた。

「………」

 千秋は無言でミッテルトに弓の照準を合わせ矢を引く。

「ひ、ひぃ!?」

 ミッテルトは命惜しさに翼を羽ばたかせて逃げ出す。
 林に紛れてもう狙撃は難しいにも関わらず、千秋は矢を放つ。放たれた矢は木と木の間を抜け、その後、何かに当る音がした。
 千秋はミッテルトが逃げ出した方向へ走り出し、数分後、胸に矢が刺さったミッテルトを引きずってやって来た。

「お疲れ様。気は済んだのかしら?」
「……はい」
「あらあら、一人で堕天使三人を倒してしまうなんて、凄いですわ」
「……ありがとうございます」
「さて、ここも片付いたし、イッセー達の元に向かうとしましょう」
「はい、部長」
「……はい」 
 

 
後書き
更新が遅れて申し訳ございません。 
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