SAOのペットな彼女?
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デスゲーム
第3話 料理スキル
前書き
更新、遅くなってごめんなさい><
「こーはいくんは、すごいね!」
ミサキが、ソラタの顔を覗き込んだ。
「フィールドで使うスキルは全然上がってないのに、料理スキルはすっごく高くなってるじゃん! コンプリート寸前だね! 女子度高いね! あたしにも分けてほしいよ~」
「ミサキ先輩、それ以上俺のハートを傷つけないで下さい……」
「おぉっ! こーはいくんは、あたしを見ると胸がチクチクするんだね! つまりあたしのことが」
「何の話ですか!! ってか、アンタが料理スキルとか上げてみろって言ったんだろ!」
現在の最前線は、第55層。
さくら荘は一応、全員«攻略組»で、未踏破の層に果敢に挑んでいる。
フィールドや迷宮区に行った時は、ソラタが足を引っ張る形になることがあり、その度に「空太、弱いのね」や、「ソラタ君、無駄な動きが多くない?」とか、「こーはいくんはどこの世界に行っても、ゲーム苦手なんだねぇ~!」というコメントに加え、「ソラタ先輩、やる気あるんですか?」とカンナにまでダメ出しを喰らってしまった(しかも毒舌)。
それで、ミサキが「フィールドでのバトルが苦手なら、商人スキルを上げて経験値集めればいいんだよ!」と提案してきたのだ。
「空太」
「な、なんだよ、マシロ」
「美味しいわ。空太の料理」
「……そ、そりゃどうも」
マシロが《ソラタ流バームクーヘン》を幸せそうにほうばる。
たとえ仮想だとしても、美味しいと言われれば嬉しくないこともない。
「こーはいくん、なに照れているんだ! 片想いの先輩にドキドキしながら、作ったお弁当を差し入れしちゃう乙女か!」
「乙女でもないし、照れてもいませんけどね!」
「ちなみにミサキ先輩、今片手棍のスキル値いくつですか?」
何気なく訊いてみると。
「なに言ってるんだこーはいくん。とっくにコンプリートしちゃったも~ん!」
とんでもない答えが返ってきた。
「しちゃったも~ん! て、軽々と言いのけますけどね……! トップ中のトップでも、なかなかそこまで上がらないのに……」
ブツブツ言っていると、ジンの声に遮られた。
「なぁソラタ、これ見てみろ」
「…新聞、ですか?」
この世界では、新聞や雑誌の類いもすべてホログラフィックで表示される。
ジンのスクロールする画面を覗き込む。トップニュースに、『血盟騎士団副団長《閃光》アスナ、今回もボス攻略レイドのリーダーに』とある。
「アスナちゃん、可愛いよな……な、ソラタ?」
「ま、まあ、そうですね」
「超スピードで、向かい来る敵をレイピアで貫く美人……なかなか良いかもしれないな」
「どういいのかは、敢えて訊かないでおきます」
ナナミは新聞を見るなり、不満そうな顔になった。
「どうした、ナナミ?」
「……あのね、ソラタ君。私、この人のやり方…あんまり好きじゃないんだよね」
ギルド血盟騎士団は、最速のゲーム攻略を念頭に置いている。現在アインクラッド最強との呼び声高いギルドであり、略称KoB(Knights of Blood)。
アスナは、そのKoBで副団長を務める、このゲーム屈指の美麗な少女だ。しかし彼女は攻略以外に興味を示さず、無理な作戦を組んだり、冷酷な判断を下すこともいとわない《狂戦士》と有名なので、あまり純粋なアイドルプレイヤーとはなっていない。
「あの人…なんだか、恐いもの」
ナナが眉を寄せて、らしくもないことを言う。
すると、マシロが口を開いた。
「そうは思わないわ」
ソラタは自然と笑みが溢れた。
「アスナは、目が優しいわ。だから……」
「根は優しいんだよって、そう言いたいんだね、マシロ」
ナナミが苦笑した。
「あと、空太」
「ん?」
微笑みながら返事をする。
「バームクーヘン、おかわり」
「い、今の流れでそう来ますか!? ……はいはい、ちょっと待っておいて下さいね……あとお前さ、いい加減本名で《空太》って呼ぶのはやめろ。俺は«ソラタ»だぞ」
「違うの?」
「ああ、違うな。気持ち的に」
「じゃあ……ソラタソラタソラタソラタソラタソラタソラタソラタソラタソラタ」
「やめようね、本気で恐いから!」
マシロの抑揚のない声であんなことを言われると、リアル…いやバーチャルに恐い。
マシロは満足げに微笑んだ。
後書き
マ「ねぇ、ソラタソラタソラタソラタソラタソラタソラタ」
ソ「やめろって言ってんだろ!?」
マ「メロンパンが食べたいわ」
ソ「だったら普通に言え!」
読んで下さり、ありがとうございました^^
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