| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園怪異譚

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十七話 テケテケその六

「妖怪さん達ってすぐ飲みたがるけれど」
「我慢出来ないの?」
「飲みたい時に飲むのが私達よ」
 テケテケはむっとした顔のままの二人に笑って返した。
「だからそういうのもね」
「当たり前なのね」
「時間があるから飲むのも」
「そう、普通よ」
 至ってだというのだ。
「夕方の六時から朝の六時まで飲んで寝るのよ」
「人間だったら普通に屑の人ね」
「ナチュラルに最低の生活ね」
「それで朝風呂に入って寝るのよ」
「そこから寝るのね」
「あんたの日常ってそうなのね」
「そう、朝酒に朝風呂に朝寝よ」
 見事に揃った、このフルコースが。
「それを楽しんでるわよ」
「私達朝早いけれど」
「六時に寝るどころか起きて結構経つけれど」 
 特に聖花の店であるパン屋はで、ある。朝早く起きて早速パンを焼くのがパン屋なのである。
「そのかわり夜早いけれどね」
「今みたいな日は普通に今のうちに結構寝てるし」
「ああ、じゃあ寝てたら?」
 テケテケは二人の今の言葉を聞いてすぐにこう言った。
「寝台車で」
「ああ、ブルートレインで」
「その車両で」
「そう、この博物館ブルートレインの車両もあるからね」
 だからだというのだ。
「それで寝てる?」
「十二時までね」
「その時までなの」
「そうしたらどう?」
 テケテケはこう二人に勧める。
「気持ちよくね」
「そういえばもう閉館時間よね」
「中に誰もいないのよね」
「そうよ、いるのは私だけよ」
 家にしている彼女だけだというのだ。
「他には誰もいないから」
「じゃあ全然大丈夫なの」
「十二時まで寝ても」
「今から寝たらかなりの時間でしょ」
「ええ、六時だから」
「六時間寝たらね」
 充分だとだ、二人も答える。
「その日寝る必要ない位よ」
「というか一日の寝る時間じゃない」
「そうでしょ、時間的にもいいし」 
 それにだというのだ。
「後はそこで寝られるかだけれど」
「あっ、私何処でもすぐに寝られるから」
「私も」
 このことは二人同時だった、すぐにテケテケに告げる。
「もう横になったらすぐだから」
「そのままぐっすり寝られるわ」
「いい体質ね。じゃあ今も問題ないわね」
「それでブルートレインよね」
「その車両の中に入って」
「そう、十二時まで寝たらね」
 それでだというのだ。
「後はいいわね」
「ええ、それじゃあ」
「十二時まではね」
 二人はテケテケの提案に頷いた、そしてだった。
 口裂け女も目を細めさせてそして述べた。
「じゃあ十二時まで適当に遊んで過ごそうかい」
「ええ、そうね」
 花子さんも口裂け女のその言葉に頷いて応えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧