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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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-友好デュエル・前夜-

 
前書き
こんな駄文に、いつも感想をくれるサティスファクションさん、ガスタさん、遼さん、特にありがとうございます!

テスト一週間前の蓮夜でした! 

 
遊矢side



どうも、つい先日に代表決定戦にて、親友にしてライバル・三沢大地とのデュエルに勝利し、デュエルアカデミア本校の代表となった黒崎遊矢です。

せっかく代表になったのだ。楽しんで勝たなくては推薦してくれた先生方や亮、勝った三沢に申し訳がたたない。

そう思って、授業後すぐにオベリスク・ブルーの自室に帰り、デッキの構築・見直しをしようと思ったのだが…

…だと言うのに…!

「遊矢。《赤鬼》をデッキに入れないか?優秀な効果と高い攻撃力が持ち味だぞ。」

「それより遊矢。《エトワール・サイバー》なんてどうかしら?デッキのイメージにも合うし、戦士族のサポートも共有出来るわ。」

…こいつらはッ!

さて、デッキを見直そうと思った時、明日香と三沢の二人が入ってきて
『自分たちにも、デッキ構築を手伝わせてくれ』
と、申し出てくれたのだ。

言われた時はとても面白かったさ。
ああ、こいつらと友達になって良かった…

と、半ば本気に感動していたところだったと言うのにッ!

「お前ら、自分の好きなカード押しつけたいだけじゃねぇか!」

「そ、そんなことないわよ!」

顔を背ける明日香。

「そんなことないわけ無いな!」

「…落ち着いて聞いてくれ、遊矢。」

途端に真面目な顔つきになって、三沢が語りかけてきた。

「俺も明日香くんも、君にノース校の代表に勝って欲しいからここに来たんだ。」

「ほう。」

うん、それは嬉しい。


「ならば、少しでもお前の助けになるように俺のカードを託したい。というか、大舞台で俺のカードが活躍するところを見たい!さあ、俺のカードを使ってくれ!」

「今本音出たぞ三沢!」

そんなことだろうと思ったさ!

「三沢くんの赤鬼より、私のエトワール・サイバーの方が良いわよ!」

明日香も負けじとエトワール・サイバーのカードを押しつけて来るが、頑として受け取らない。

てか、受け取ってたまるか。

「いい加減にしてくれ二人とも!俺の【機械戦士】にお前らのカードは入らない!」

「はは、分かっているさ。冗談に決まっているじゃないか。」

「そ、そうよ。冗談よ。」

二人は『冗談』と言いながらも、しぶしぶカードを自分のデッキに入れる。

まったく…

二人に呆れていると、部屋のドアがノックされた。

「遊矢。いるか?」

亮の声だ。
…亮なら、《サイバー・ドラゴン》をデッキに入れてくれ、とか言わないだろう。

「いるぞ。入ってきてくれ。」

「失礼する。」

やはり、友人の一人であるカイザー亮であった。

「デッキ作りの手伝いでも出来るかと思ってな。来させてもらった。」

おお…流石はカイザー…

「亮を見習え、二人とも。」

明日香も三沢もあらぬ方向を向いていた。

「何の話だ?」

「いや、気にしないでくれ。それより、俺と三沢を推薦してくれてありがとうな。」

鮫島校長の話では、最初に推薦してくれたのは亮らしい。

「なに、二人の実力を考えれば当然だ。…三沢くんは、惜しかったな。」

「一歩及びませんでしたよ。」

明日香、三沢と同じように亮もソファーに座る。

「ねぇ、遊矢。なんでこのカードが入っているの?」

「それはあれだ。このカードとコンボだよ。」

「…しかし、使いにくくないか?」

「いや、決まれば強力なコンボだ。」

オベリスク・ブルーの俺の部屋でのデッキ作りは、みんなで考えながらやった。

足りないカードを明日香とトレードしたり。

先程、明日香も言っていたが、【機械戦士】と明日香が使うサイバー・ガールシリーズは、戦士族のサポートを共有出来る。

…サイバー・ガールも、『一部』を除いて戦士族だ。

「そういえば、遊矢。」

「何だ?亮。」

「十代たちが、お前を探していたぞ。」

「十代たちが?」

もしや、十代たちもデッキ作りの手伝いをしてくれるつもりだったのだろうか。


そうだとしたら、いきなりオベリスク・ブルーの寮に来たのは失敗だったな。


十代はともかく、翔と隼人がオベリスク・ブルーの寮に入ることはできないだろう。

悪いことしたな…

「三人とも、それぞれのエースカードを持ってお前を探していた。」

前言撤回。
あいつらも三沢と明日香と同じか。

「…まあ、そろそろ遅い。俺たちはそろそろ自分たちの部屋に帰った方が良いだろう。」

「そ、そうね。そろそろ門限だわ。」

二人とも、いきなり立ち上がった。

「そうだな。遊矢、明日はお前らしいデュエルを期待している。」

「そいつはどうも…」

三人は自分たちの部屋に戻っていった。

…あ、いや。

「もう遅いしな。女子寮まで送るぜ、明日香。」

「え?そんなの良いわよ。遊矢は明日のデュエルに集中して。」

「そういうわけにはいかないな。…じゃ、三沢に亮もありがとな。」

「なに、このぐらいお安いごようさ。」

「デッキの調整なら、いつでも協力させてもらう。」

そう言って、三沢は隣の部屋に。
亮は自分の部屋の方向へ歩いていった。

…亮。お前、『デッキの調整は協力する』
って、自分がデュエルしたいだけじゃないか…?

ま、どうでも良いか。

「よし、行くぞ明日香。」

「だから、私は大丈夫だから…」

「明日香になんかあったら困るからな。」

「え…あ…う、うん。」

明日香も認めてくれたようなので、女子寮に向かうことにする。

「顔赤いぞ、明日香。」

「なんでもないわよ!」

うおう…怒られた…?

二人で女子寮に向けて、男子寮の玄関を出た。




「明日はもう友好デュエルか…どんな奴が来るかな。」

「遊矢なら大丈夫よ。私は信じてる。」

俺と明日香は、夜の森を歩いていた。

女子寮までもう少しだ。

「そういや、なんで明日香は代表決定戦に選ばれなかったんだ?」

実力も成績も、俺や三沢と引けをとらない筈だが。

「私は、ああいった舞台は苦手なのよ。…兄さんは、そういうノリが好きだったんだけど、その影響かしらね。」

…しまった。
兄さんの話題引いた。

明日香からしてみれば、ただの話題だろうが、行方不明の人間の話題を聞けるほど、自分は鈍感ではない。

「明日香。…一つ、頼みがあるんだ。」

もうすぐ女子寮。

それまでに言おう。

「なにかしら?」

「実は、俺。お前の…」

一歩、明日香に近づく。

「ええっ!?」

明日香が顔を赤くして固まる。

…たまに、明日香は面白い行動を起こすよな。

「お前の」


「ちょっと待って!まだ私…心の準備が!」

「《サイバー・ブレイダー》を貸して欲しいんだが…」

早口でまくしたてて来た明日香の言葉をスルーして自分の用件を言う。

「え?」

その年で難聴か?

「さっき、お前と三沢がデッキ作りを手伝いに来てくれたのが、すごい嬉しくてさ。二人のカードをデッキに入れるわけにはいかないから、俺が使わない、エクストラデッキに入れようと思ったんだが…」

三沢は俺と同じで、エクストラデッキ使わないから、残念ながら無理だった。

「…私…何を考えて…」

「明日香?」

「な、なんでもないわよ!」

明日香は慌てながら
「なんでもない」
ということが多いのか?

なにかしらある、と言っているようなものじゃないか。

まあ、良いか。

「そんなわけで、お守り代わりと言うか…」

「良いわよ。貸してあげる。」

そう言って、明日香は自分のデッキからサイバー・ブレイダーを取り出す。

「活躍するところが見られないのは残念だけど、あなたの助けになることを祈っているわ。」

「ありがとうな。」

サイバー・ブレイダーを、使わないエクストラデッキに入れる。

「あら?他にも、エクストラデッキに入っているの?」

「ん?ああ。いつだか、結構前に貰ったんだけどさ。背景が白で描かれてるエラーカードだよ。」

あの時貰った、エフェクト・ヴェーラーともう一つのカード。

まさかのエラーカードだった。

背景が白いカードなんて見たことねぇよ…

そうして、俺がいつも釣りをしている池に着く。

ここまで来れば、女子寮まであと一息だ。

そんな時だった。

「ねぇ、明日に備えて一回デュエルしてみない?」

明日香がこう言ったのは。

「おいおい、門限とか大丈夫か?」

「大丈夫よ。いざとなったら、ジュンコとももえにごまかしてくれるように頼むわ。」

「言ったな?なら一回デュエルしてみるか。」

デッキの調整もしたから、試してみなきゃいけないし。

明日香と俺は少し離れて、デュエルが出来る態勢になる。

「遊矢はこの学校の代表なんだから、簡単には負けないでよね。」

「いつも通り、楽しんで勝たせてもらうぜ!」

デュエルディスク、
セット。

「「デュエル!!」」


「私の先攻、ドロー!」

後攻ですが何か?

「私は、《エトワール・サイバー》を召喚!」

エトワール・サイバー
ATK1200
DEF1600

明日香の主力カードのお出ましか。
しかし、融合しないということはまだ素材がないようだ。

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」

さあて…

「《ジャスティス・ブリンガー》を召喚!」

ジャスティス・ブリンガー
ATK1700
DEF1000

「バトル!ジャスティス・ブリンガーで、エトワール・サイバーに攻撃!ジャスティススラッシュ!!」

ジャスティス・ブリンガーが剣を振りかざす。

「リバースカード、オープン!《ドゥーブル・パッセ》!」

げ!
相変わらず扱いにくいカードを使うな…

一回、明日香にそう言ったら
『あなたにそう言われたくないわ』
って言われた。

「ドゥーブル・パッセの効果により、ジャスティス・ブリンガーの攻撃は私へのダイレクトアタックとなる!」

ジャスティス・ブリンガーが、エトワール・サイバーではなく明日香の方へ向かう。

「きゃっ!」

明日香LP4000→2300

「でも、その後に、攻撃対象となったモンスターは、相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る!エトワール・サイバーで遊矢に反撃!アラベスク・アタック!!」

ダイレクトアタックされるだけでなく、エトワール・サイバーの効果が発動する。

「エトワール・サイバーが相手プレイヤーにダイレクトアタックした時、攻撃力が500ポイントアップするわ!」

エトワール・サイバー
ATK1200→1700

「ぐあッ!」

遊矢LP4000→2300

ライフポイントが並ぶ。


「カードを一枚伏せ、ターンエンド。」

「私のターン、ドロー!」

ドゥーブル・パッセの効果のせいで、エトワール・サイバーが破壊出来なかった。

…つまり…

「私は通常魔法《融合》を発動!」

明日香のエースが来る!

「フィールドのエトワール・サイバーと、《ブレード・スケーター》を融合!《サイバー・ブレイダー》を融合召喚!」

サイバー・ブレイダー
ATK2100
DEF800

サイバー・ガールたちのエース…サイバー・ブレイダー。

あ、一枚は貸してもらったけど、明日香はあと二枚持ってるからな。

…誰に言ってんだ、俺…

「行くわよ遊矢!サイバー・ブレイダーで、ジャスティス・ブリンガーに攻撃!グリッサード・スラッシュ!!」

「くっ…!」

遊矢LP2300→1900


「ターンエンドよ。」

「俺のターン、ドロー!」

不安定ながらも、優秀な効果を持つ明日香のエース…サイバー・ブレイダー。

まずはあいつだな。

「速攻魔法《手札断殺》を発動!お互いに手札を二枚捨てて二枚ドロー!」

手札断殺の後に来るカードと言えば?

「墓地に送られた二枚の《リミッター・ブレイク》の効果を発動!デッキ・手札・墓地から、《スピード・ウォリアー》を特殊召喚出来る!デッキから守備表示で出でよ!マイフェイバリットたち!」

『トアアアアッ!!』

スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400

「自分フィールドに守備表示モンスター二体しか存在しない場合、このカードは特殊召喚出来る!現れろ!《バックアップ・ウォリアー》!」

バックアップ・ウォリアー
ATK2100
DEF0

…なんか、久しぶり。
バックアップ・ウォリアー。

「最後に《レスキュー・ウォリアー》を召喚!」

レスキュー・ウォリアー
ATK1600
DEF1700

「しまった…遊矢のモンスターが四体に…」

サイバー・ブレイダーの効果は、こっちのモンスターの数が1~3体の時にのみ発動する。

今はただのバニラだ。


「バックアップ・ウォリアーで、サイバー・ブレイダーに攻撃!サポート・アタック!」

攻撃力は同じ。
相討ちだ。

「レスキュー・ウォリアーで明日香にダイレクトアタック!」

「くうっ…!」

明日香LP2300→700

「ターンエンドだ。」

これで俺のフィールドには、レスキュー・ウォリアーとスピード・ウォリアー×2。
リバースカードが一枚。

明日香のフィールドには何も無い。

よし。

「やってくれたわね…私のターン!ドロー!」

逆転フラグだ。

「私は手札から通常魔法《高等儀式術》を発動!デッキからブレード・スケーター二枚を墓地に送り、手札の儀式モンスターを儀式召喚する!」

合計レベルは、8。

「サイバー・エンジェル-茶吉尼-を儀式召喚!」

サイバー・エンジェル-茶吉尼-
ATK2700
DEF2400

サイバー・エンジェル。
明日香が使う【サイバー・ガール】シリーズの儀式モンスター。

エンジェルと名のついていることから分かると思うが、天使族だ。

儀式召喚するには、素材と儀式モンスターのレベルをピッタリ合わせる必要があるというデメリットはあるが、どれも強力な効果を持つ。

今出てきたのは、その中でも最強のサイバー・エンジェル。

サイバー・エンジェル-茶吉尼-だ。

「サイバー・エンジェル-茶吉尼-の効果を発動!相手プレイヤーは、自分のモンスターを一体選んで破壊する!」

「くっ…俺はスピード・ウォリアーを破壊する。」

これが茶吉尼の第一の効果。

「バトル!サイバー・エンジェル-茶吉尼-で、スピード・ウォリアーに攻撃!サイバー・エンジェル-茶吉尼-は、攻撃力が相手モンスターの守備力を越えている時、貫通ダメージを与える!」

第二の効果だ。

「リバースカード、オープン!《ガード・ブロック》!戦闘ダメージを0にし、カードを一枚ドローする!」

危ない危ない…
スピード・ウォリアーの守備力は400。

貫通ダメージで負けてたな。

「防がれるわよね…これでターンエンドよ。」

「俺のターン、ドロー!」

防ぐこと読んでたのか?

「俺は装備魔法《ミスト・ボディ》を発動!レスキュー・ウォリアーに装備する!」

戦闘破壊をされなくなる装備魔法だ。

「そいつには、早々に退場してもらうぜ!《ワンショット・ブースター》を召喚!」

ワンショット・ブースター
ATK0
DEF0

君も久しぶり。
ワンショット・ブースター。

「レスキュー・ウォリアーで、サイバー・エンジェル-茶吉尼-に攻撃!」

しかし、攻撃力はこちらの方が下。

当然、負ける。

「レスキュー・ウォリアーは、自分への戦闘ダメージを0にする。そして、ミスト・ボディにより戦闘では破壊されない。…何でレスキュー・ウォリアーで攻撃したか、明日香なら分かるよな。」

「…ワンショット・ブースターの効果のため…」

正解!

「メインフェイズ2!ワンショット・ブースターの効果を発動!このカードをリリースすることにより、このターン、自分のモンスターと戦闘した相手モンスターを破壊する!蹴散らせ!ワンショット・ブースター!」

ワンショット・ブースターから放たれるミサイルが、サイバー・エンジェル-茶吉尼-を破壊する。

「これでターンエンド。」

「私のターン、ドロー!
…強欲な壷を発動!」

明日香が二枚ドローした後、強欲な壷が破壊される。

「速攻魔法《サイクロン》!レスキュー・ウォリアーに装備されているミスト・ボディを破壊するわ!」

竜巻がミストを振り払う。

ミスト・ボディを破壊したということは、レスキュー・ウォリアーを戦闘破壊出来るカードを引いたということか…?

結論から言うと、俺の予感は当たっていた。

「私は儀式魔法《機械天使の儀式》を発動!」

また来たか…!

今度は、なんだ?

「レベル6、《サイバー・プリマ》を墓地に送り、《サイバー・エンジェル-弁天-》を儀式召喚!」

サイバー・エンジェル-弁天-
ATK1800
DEF1500

今度は弁天か…!

このように、サイバー・エンジェルたちの最大の特徴として、
『一枚の儀式魔法《機械天使の儀式》で様々なモンスターが現れる』
ということだ。

普通は一枚の儀式魔法に対応する儀式モンスターは一体。

その常識を覆すモンスターたちなのだ。

「更に装備魔法《リチュアル・ウェポン》をサイバー・エンジェル-弁天-の装備する!このカードを装備したレベル6以下の儀式モンスターの攻撃力・守備力は、1500ポイントアップする!」

サイバー・エンジェル-弁天-
ATK1800→3400
DEF1500→3000

リチュアル・ウェポン。使いどころは難しいが、一気に1500ポイントアップは凄い。

てか、ヤバい。

「サイバー・エンジェル-弁天-で、レスキュー・ウォリアーに攻撃!エンジェリック・ターン!」

レスキュー・ウォリアーは、サイバー・エンジェル-弁天-の扇による舞になすすべも無く破壊される。

「だが、レスキュー・ウォリアーは自分への戦闘ダメージを0にする!」

「効果ダメージは受けてもらうわ。サイバー・エンジェル-弁天-の効果!破壊した相手モンスターの守備力分のダメージを与える!」

レスキュー・ウォリアーの守備力は1700…意外に高い!


「ぐああッ!」

遊矢LP1900→200

「ターンエンドよ。」

ヤバいな…
仮にも代表が、代表決定戦に未参加の明日香に負けるのは如何なものか。

「俺のターン、ドロー!」

…弁天を倒せるカードは無し、と。

「《ガントレット・ウォリアー》を守備表示で召喚!」

ガントレット・ウォリアー
ATK400
DEF1600

「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」

「それだけ?」

「ああ。フィールドに出せるのはこれだけさ。」

「私のターン、ドロー!」

明日香の手札は0。

さて、何を引く?

「私は速攻魔法《サイクロン》を発動!あなたのリバースカードを破壊するわ!」

ふざけるな!
良い引きしてやがる…

…いや、悪いか。

「チェーンしてリバースカード、オープン!《サイクロン》!お前のリチュアル・ウェポンを破壊する!」

俺と明日香のフィールドからそれぞれ竜巻が現れ、俺の竜巻が明日香のリチュアル・ウェポンを。
明日香の竜巻が、俺の竜巻を破壊した。

「リチュアル・ウェポンが破壊されたことにより、サイバー・エンジェル-弁天-の攻撃力は元に戻るぜ。」

サイバー・エンジェル-弁天-
ATK3400→1800
DEF3000→1500

「それでも、ガントレット・ウォリアーの守備力よりは上!破壊して効果ダメージで私の勝ちよ、遊矢!サイバー・エンジェル-弁天-で、ガントレット・ウォリアーに攻撃!エンジェリック・ターン!」

確かに、俺のフィールドにリバースカードは無い。だが、やる前に説明するのは、失敗フラグだ!

「手札から効果を発動!」

「手札からですって!?」

「出でよ、《牙城のガーディアン》!!」

牙城と、それを支える機械戦士がガントレット・ウォリアーの前に立つ。

「牙城のガーディアンの効果!自分フィールド上に守備表示で存在するモンスターが攻撃された時、 そのダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、その戦闘を行う自分のモンスターの守備力は エンドフェイズ時まで1500ポイントアップする!」

ガントレット・ウォリアー
DEF1600→3100

これを予測出来る奴はあんまりいないと信じたい!

「迎撃しろ!ガントレット・ウォリアー!」


「きゃああああっ!」

明日香LP700→0

ガントレット・ウォリアーの反射ダメージにより、デュエルは決着した。

やっぱり、三沢や亮、明日香とデュエルするのは特に楽しいな。

三沢や明日香とは実力が拮抗しているため。

亮とは、自分より強い者に挑むチャレンジ精神からだ。

「負けちゃったわね…うん。これなら、明日も大丈夫でしょ。」

「そいつはどうも。信用してくれて嬉しいよ。」

「も、もちろん、信用してるに決まってるじゃない!」

決まってるのか?

「ま、いい加減時間がヤバいからな。サクッと送ってくぜ。」

「ここまでで良いわよ。もう少しだし、こんな夜中に二人で女子寮に行ったりなんかしたら…」

「したら?」

なんかあるか?

「と、とにかく大丈夫よ!それじゃ、明日は頑張ってね!」

明日香は顔を紅くして、走り去っていった。

「なんなんだ…?」

一人でここにいても仕方がないので、男子寮に戻ることにしたのだった。 
 

 
後書き
万丈目サンダーとのデュエルを期待していた方、すいません…

書いている内に何故か明日香とのデュエルに…

サイバー・エンジェルデッキはTFで作りましたが、なかなか強かったです。

OCG化しないかなぁ…

感想・アドバイス待ってます! 
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